劇場公開日 2006年3月11日

イーオン・フラックス : 映画評論・批評

2006年3月14日更新

2006年3月11日より日劇1ほかにてロードショー

ゲイル・アン・ハード製作映画はファンの心をくすぐる

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才媛にしてSF好きのプロデューサー、ゲイル・アン・ハードが「ターミネーター」以来、この20年ほどに手掛けてきた作品はどれも、出来不出来はあっても必ず、ファンの心をくすぐるアイデアが盛り込まれており、MTV曲の人気アニメ・シリーズを実写化したこの作品も例外ではない。

近未来、新種のウィルスによるバイオハザードで人類の99%が死滅するが、ワクチンで生き延びた500万の人々とその末裔は、城塞都市の中で、400年の楽園暮らしを送ってきた。だが反面、そこは厳重な管理社会で、レジスタンスの戦士イーオン・フラックスは、圧制を強いる君主暗殺の密命を受ける……。

そんな定石的設定ながら、見所はまず、未来の科学技術がよくあるハイテク・ガジェットに向かうのではなく、バイオ・テクノロジー中心になっており、ここにアイデアと新味がありニヤリとさせられる。一方、未来世界構築のビジョンは魅力に欠けるが、それを補ってあまりあるのが5パターンほどあるシャーリーズ・セロンの大満足の悩殺コスチューム。「ガールファイト」の女性監督らしい、ヒロイン・アクションが楽しめるB級SFとして及第点はクリアしている。

高橋良平

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