劇場公開日 2004年6月26日

「シリーズ大変革!」ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シリーズ大変革!

2016年11月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、CS/BS/ケーブル、映画館

楽しい

怖い

興奮

シリーズ3作目。

原作からカットが多くなり始めたのは本作辺りから。
原作では本作の方が長いのに、映画では前作の方が長いという珍現象。
不満点も勿論あるが、それを踏まえても本作の出来は上々。
要所要所重要点を抑えて原作に忠実でありつつ、アレンジやオリジナリティーも加えられている。
例えば、ハリーが新しい箒をプレゼントされるシーンは原作では中盤だが映画ではラストとなり、シリウスとの一件が終わって誰からのプレゼントかニンマリさせて締め括るなかなかいいアレンジだと思った。
原作をただ並べ語り、良くも悪くもファミリー様式だった前作前々作とは違う。

そう、確かに本作から変わった。
大して変わってないじゃん!…とツッコまれそうだが、確かに変わったのだ。
まず、雰囲気がちょっとアダルトになった。
思春期特有の苛立ち。
アズカバンから脱獄した凶悪犯が自分の命を狙っている恐怖、不安。
その凶悪犯がかつての父母の親友でありながら父母を裏切り死に追いやった怒り。(最も、これは後に違う事が判明するんだけど)
少年から青年へ移り変わる複雑で繊細な内面。守護霊の魔法は成長の表れ。
それらが作品に反映されている。
また、衣装も変化。
これまでお利口さん風だった私服が、今時の若者風のラフな着こなしに。特にハーマイオニーは大胆イメチェン。
足かせが外れ、若者らしく自由になったような印象を受けた。
異色の青春ロードムービー「天国の口、終りの楽園。」から抜擢されたアルフォンソ・キュアロン。いまやオスカー監督となった彼にもう一度メガホンを握って貰いたかった。

本作の重要キャラにゲーリー・オールドマン、新教授にデヴィッド・シューリス、変わり者の教授にエマ・トンプソン、あるもう一人の重要キャラにティモシー・スポール、そして2代目ダンブルドアにマイケル・ガンボン…シリーズに英国豪華実力派を揃え始めたのも本作辺りから。
ディメンターのビジュアルは秀逸。
後半大きな見所となる時間逆行の魔法はユニーク。
また、ロンの老ネズミは実は…という張り巡らされた伏線も勿論。
残念なのは本作でジョン・ウィリアムズが音楽を降板。最終作で復帰して欲しかった(>_<)

シリーズ大変革!
今でも映画化された中で一番好き。

近大