劇場公開日 2001年9月22日

コレリ大尉のマンドリン : インタビュー

2001年9月14日更新

エーゲ海に浮かぶ小島を舞台に繰り広げられる、愛と人生の賛歌「コレリ大尉のマンドリン」。日本でも、CM出演やトム・クルーズとのロマンスですっかりおなじみとなったペネロペ・クルスと、7部門のオスカーを獲得した「恋におちたシェイクスピア」以来の新作となるジョン・マッデン監督に、評論家の森山京子さんがインタビューした。(聞き手:森山京子)

ペネロペ・クルス インタビュー
「いい仕事をすることが、自分を守ること」

女性の美しさにはいろんなタイプがあるけれど、ペネロペ・クルスの場合は切なくロマンチックな美しさと言えばいいのだろうか。ほっそりとたおやかで、少女のように頼りなく、大きな目は熱にうかされたように潤んでいる。とにかくフェミニン。トム・クルーズがニコール・キッドマンを捨てて彼女に走ったのもわかるような気がする。もっとも、話をしてみると、フェミニンな見かけによらず芯はタフ。トムとの関係を一言聞き出そうとしたけど、全然歯がたたなかった。

「トムは寛大で素晴らしい人よ。でもそれ以上のプライベートなことを、インタビューの席で話したくないの。最近は、ゴシップ記事も読まないようにして、自分のエネルギーを仕事に集中させているのよ。いい仕事をすることだけが自分を守ってくれると思うから」

とクールに話すぺネロぺは、「コレリ大尉のマンドリン」で演じたペラギアのごとく、意志が堅い。

「ペラギアの役は天からの授かり物よ。映画全体を押し進めていく役割を担っているんですもの。こういう役は願ってもなかなか回ってくるものじゃないわ。スペインでもアメリカでも一生懸命働いてきて、その結果、こういう役に巡り合えたと思うの。つい最近まで、私はオーディションを受けなくちゃ、アメリカでの仕事をもらえなかった。いきなり脚本が送られてきて、監督に会いに行くなんて、この作品がほとんど初めてだったわ」

ジョン・マッデン監督は、しかし、即座にペネロペの起用を決めた訳ではない。

「私はすっかりペラギアに心を奪われて、本当にこの役が欲しかった。でも彼はミーティングの度に、どんなキャラクターもそれを演ずるべき俳優に属しているんだって、言うだけ。その先を言ってくれないの。だから、最後のミーティングでようやく、ペラギアは君のものだよって言われた時の嬉しさは、一生忘れられないわ」

ニコラス・ケイジとのラブ・シーンで、胸も見せているペネロペだが、ヌードになるのは「ハモンハモン」以来10年振りだ。

「ヌードとは言えないようなものだと思うわ。ああいうシーンはいつもちょっとストレンジなの。まるで火星人になったみたいで、大勢の人に囲まれて変な事をしているような感じ。でも、本当に大変だったのはペラギアの感情が激しく高まるシーンなのよ。喜怒哀楽のありったけを体の中から絞り出して、自分の名前も忘れる程、ヘトヘトに疲れたわ」

トムと共演した「バニラ・スカイ」の後、スペイン映画に1本出演したペネロペ。

「いつでも、スペインに帰って映画に出る用意はあるわ。でもあまりに長い間働き詰めだったから、これからしばらく休暇を取るつもりなの。お料理を習ったり、前からやっていた写真を本格的に勉強したり、自分のために時間を使いたいと思っているのよ」

その休暇はトムと一緒?と聞きかけて、真面目な彼女の表情に言葉を飲み込んでしまったのでした。

インタビュー2 ~ジョン・マッデン監督インタビュー
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