劇場公開日 2002年8月31日

バイオハザード : インタビュー

2002年9月2日更新

ポール・アンダーソン監督 インタビュー
ポール・アンダーソンはやっぱり期待を裏切らないヤツ!

聞き手:渡辺麻紀

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デビュー作を見たときからアヤシイと睨んでいた。いまやジュード・ロウが注目された作品として知られる「ショッピング」だが、廃虚に住みながらもミレニアム・ファルコン号を後生大事に持っている青年が登場するのだから、もしかしておたく? そもそもこれが近未来SF青春映画ということ自体、何だかクルものがあるじゃありませんか。

どうもその読みは当たっていたようで、その後の作品は「モータル・コンバット」「イベント・ホライゾン」「ソルジャー」と、すべてSF、ホラーばかり。ならばやっぱり私的には限りなくOKな監督になってしまうわけなのだ。

というわけで、新作「バイオハザード」もまったく期待を裏切らなかったポール・アンダーソン(ポール・トーマス・アンダーソンじゃないよ)に、「なぜそんな映画ばかり作っちゃうの」インタビューだ!

目の前のポールは、細身で頭も小さく背も高い。まるでモデルにしてもいいような体形なのだが、ルックスがまるでおたくなお子ちゃま。屈託なく笑って、そのかわいいことといったら! そして、お言葉の数々は、何とそれ以上にかわいい! しかもおたく丸出し!! みなさん、聞いてやってくださいませ!

――「バイオハザード」のゲームにハマりまくっていたそうですね。

「シリーズの3本を5週間かけてプレイして、終わったときはヒゲぼうぼう、目はギラギラのゾンビになってた(笑)。で、あまりにハマりまくったので映画化権をゲットしようとしたんだ。でも、そのときはすでにドイツの会社に売れていたんだけどね」

――ジョージ・A・ロメロも映画化したかったらしいですね。

「うん。だけど僕と争ったわけじゃないよ。僕が登場したときはすでに彼は去ったあとだった。もし競合したら僕は負けていたよ。それに僕は彼の大ファンだし」

――ロメロのゾンビ・シリーズへのオマージュがたくさん感じ取れました。

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「ロメロの『ゾンビ』は大好きで、30回くらいは見てるからね。今でもセリフを憶えているくらいさ。そもそも、このゲーム自体、僕の大好きな映画や作家の影響を受けていて、たとえば『バイオハザード2』は無人の街から警察署に入るんだけど、そのバックに流れる音楽はジョン・カーペンターの『要塞警察』っぽいんだ。そう感じると、無人の街は『ニューヨーク1997』に思えてくる。だからロメロとカーペンターにリスペクトをはらえるなんて僕にとっては天国(笑)。エレベーターの扉が開くと、中からゾンビが飛び出すのは、もろロメロへのオマージュ。もう最高さ(笑)」

――ゲームの雰囲気も大切にしてますね。

「もちろん! ゲームの映画化をする監督で『ゲームをやったことない』とか言う人がいるけど、信じられない。それって原作ものを原作も読まずに映画化することと同じじゃないか。僕は元となる題材が好きじゃないのに監督するというのが理解できないんだ。自分の人生の1年以上を費やすんだったら、楽しくやりたいし夢中になれるほうがいいと思う。この映画に関してはまったくその通りだった」

――ということは、今までの作品から考えると、やっぱりSF、ホラー・ファン?

「うん。SFは小説も読んでる。ロジャー・ゼラズニィの『地獄のハイウェイ』とか大好きだ。あとはリチャード・マシスンの『地球最後の男』(チャールトン・ヘストン主演の『オメガマン』の原作)とか。クールなスリラーなんかもやってみたいけどね」

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インタビュー2 ~ポール・アンダーソン監督 インタビュー(2)
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