瞳をとじて

劇場公開日:

瞳をとじて

解説

「ミツバチのささやき」などで知られるスペインの巨匠ビクトル・エリセが31年ぶりに長編映画のメガホンをとり、元映画監督と失踪した人気俳優の記憶をめぐって繰り広げられる物語を描いたヒューマンミステリー。

映画監督ミゲルがメガホンをとる映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナスが突然の失踪を遂げた。それから22年が過ぎたある日、ミゲルのもとに、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組から出演依頼が舞い込む。取材への協力を決めたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や自らの半生を追想していく。そして番組終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ……。

「コンペティション」のマノロ・ソロが映画監督ミゲル、「ロスト・ボディ」のホセ・コロナドが失踪した俳優フリオを演じ、「ミツバチのささやき」で当時5歳にして主演を務めたアナ・トレントがフリオの娘アナ役で出演。

2023年製作/169分/G/スペイン
原題:Cerrar los ojos
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年2月9日

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(C)2023 La Mirada del Adios A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.

映画レビュー

4.0寡作の巨匠の半生が投影された優美な大作

2024年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

ビクトル・エリセ監督の長編第2作「エル・スール」(1983)は、当初予定されていた後半の撮影が製作トラブルにより実現しなかったという。第1作「ミツバチのささやき」(1973)で主演に抜擢したアナ・トレントを本作で再び重要な役で登場させ、「ミツバチ~」と接点のある台詞を語らせたことも考え合わせると、この第4作「瞳をとじて」は寡作の巨匠が自らの映画人生を投影した作品であり、主人公ミゲルが元監督であることと映画内映画の存在によって本作が「映画についての映画」であることも強調されている。

映像は滋味深く、作中の時間がゆったりと流れ、ミゲルが親友のフリオ探しを通じて過去と記憶をたどる旅のストーリーもゆっくり進行する。本編2時間49分は、心身に余裕がないとあるいは冗長に感じられるかもしれない。体調などを整えた状態で鑑賞していただければと思う。

フリオの持ち物の中に、「三段峡ホテル」と印字されたマッチがあり気になったが、検索したところザ・シネマメンバーズというサイトの「ビクトル・エリセの31年ぶりの長編映画『瞳をとじて』に仕掛けられたものとは」と題されたシネフィル的な充実ぶりの記事にエリセ監督と三段峡ホテルが実在する広島との関わりなどが紹介されていた。ほかにも本作をより深く味わう鍵になるトピックが解説されているので、興味のある方はぜひ記事の題で検索してご覧いただきたい。

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高森 郁哉

4.0長い旅路のようで、一瞬のまばたきにも感じられる重厚なドラマ

2024年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

エリセの初長編『ミツバチのささやき』に、とある映画が効果的に登場したの同じく、31年ぶりとなる今回の新作長編でハッとさせられるのはやはり映画内映画という構造だ。20年前、主演俳優の失踪によって未完のままとなったらしいその映画。主人公の映画監督ミゲルは今、かつての記憶や証言を手繰り寄せながら、親友でもあった俳優フリオの消息を探し求めるーーー。169分の凪いだ海をゆっくりと漕ぎゆくかのように美しく丹念に紡がれていく本作。長らく新作を発表していないミゲルの状況はどこかエリセ自身と重なる。そして過去のエリセ作品が時を経てもなお登場人物のまなざしを透き通るほどの純真さで投射し続けるように、未完成の映画もまた、20年後の彼らに訴えかける。おそらくエリセにとって映画とは、観る者が自らを投じることで深く結実していくもの。ふと私の脳裏に『ミツバチ』のアナが瞳を閉じて純粋に思いを捧げようとする姿が蘇ってきた。

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牛津厚信

3.531年ぶり!

2024年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ビクトル・エリセ監督、31年ぶりの新作とあっては観ないわけにはいきません。「ミツバチのささやき」(73)のアナ・トレントの出演にも感慨深いものがありました。しかしながら、ストレートに腑に落ちる感じはなく、どこか遠い異国での手の届かない話のような印象を受けました。実は、初めて「ミツバチのささやき」や「エル・スール」(83)を観たときも捉えどころのない感触で、何度も観ているうちにかけがえのない世界観にすっかり魅了されてしまった経験があるので、今作も年数をかけて何度も観ないとその深淵に届かないのかなという感じがしています。

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赤ヒゲ

4.0引き込まれた

2024年4月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

映画監督のミケルが映画を撮影していた最中に、主演俳優フリオが突然失踪した。それから22年が過ぎたある日、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組からミケルに出演依頼が来て、出演した。番組の放送終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が番組に寄せられ、その情報を受けたミケルは施設を訪れ・・・さて、本人か?という話。

映画の中の映画が最初はよく分からず、真剣に観ていたら引き込まれて最後まで興味深く鑑賞できた。結論は出てないけど、記憶が戻ったと信じたい。面白かった。
「ミツバチのささやき」で当時5歳で主演を務めたアナ・トレントが50年経ってフリオの娘アナ役で出していだことに感激した。
それと、劇中劇で上海から連れて帰った富豪の娘役のベネシア・フランコが可愛かった。

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りあの
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