劇場公開日 2024年4月19日

異人たちのレビュー・感想・評価

全84件中、61~80件目を表示

5.0心の棘を収める自問自答の彷徨のレトリック

2024年4月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

 なにより最初に記したい事は、原作小説と映画化は全く別物であり、それぞれ独立した作品であると言う事。原作と比較しての論評は何の意味もありません。本作はあくまでも監督・脚本アンドリュー・ヘイの作品です。私自身は原作を読んではおりません、あくまでも映画作品としてのレビューとなります。

 本作の原題「All of Us Strangers」の Strangers は通常「見知らぬ人」と訳されるもので、転じて「よそ者」のニュアンスにもなる、にもかかわらず邦題が「異人たち」となってました。配給会社が敢えて異人と称した意図が判らないままの鑑賞でしたが鑑賞して初めて合点がゆきました。見事な意訳と言うべきでしょう。

 漆黒が支配する闇夜が徐々に白み、光が射し始める画面の左側にぼんやりと40代と思しき主人公アダムが、ガラスに反射して見えるファースト・シーン。写し絵のような反射する虚像のシーンは、本作では幾度となく画面に登場する。自らのアイデンティティに彷徨うように自問自答の旅が始まる。どうやら男はライターを生業としており、些かスランプに陥っている事を匂わす。ほぼ曇天のロンドンの市中にそびえる高層マンションがベースですが、その殆どが空家状態の静寂が支配する。流れる現代音楽の無機質な響きがそれを強調し、まるでソラリスの宇宙船のような虚無が支配する。こうして「異人」の登場に相応しいお膳立てに観客を導く導入部は完璧です。

 袋小路のアダム(アンドリュー・スコット)にコンタクトするのは彼の両親(父:ジェイミー・ベル、母:クレアフォイ)と同じマンションに住むハリー(ポール・メスカル)と言う男だけ。地下鉄と電車を乗り継ぎ郊外の実家へ行けば、両親が温かく迎えてくれる、ただしアダムの年齢よりむしろ若い容姿のままで。12歳で両親を交通事故で亡くしたアダムに、夢か現か定かでない異人との交流が始まる。

 40代の息子に30代の両親が気を遣う濃密な空間が拡がり、時空を超えて心の棘をひとつひとつ取り除く工程が展開される。極めて映画的で心に沁みるシーンが続く。少年のようにはにかむアダムに、あっけんからんと母親は心に正直に振る舞う設定がいいのです。ゲイであったことをカムアウトしないまま両親を亡くしたことを悔いているのではなく、むしろ天国から息子に伝えきれなかった両親の心残りを異人として伝えに来たと思われる。「恐ろしい病気は大丈夫なの?」と案ずる両親に逆に「もう今では危険ではないよ」と説得するのがアダムなのですから。

 ハリーに対してはむしろ逆で、最初の出会いで遠慮したのはアダムの方、しかし両親に再会した後で閉じた心も少し開いた結果、積極的にハリーを受け入れる。体を重ね、ゲイクラブにも出入りするアクティブな自分に驚く程。性の悦びがこんなにも希望に繋がるのを心に刻み、久しぶりのパートナーの出現と言う充実が身に沁みる。しかしこの関係を続けたいと思った矢先に悲痛な現実を知ってしまう。相変わらず孤独なままのアダムですが、夜空に輝く異人たちの煌めきに守られている事だけは確かなようです。

 監督アンドリュー・ヘイは自身がゲイであることを公言しており、本作も自身の納得行くシチュエーションに翻案した事で、見事に内省を映像で表現することが出来たと思います。本作では主演にその微妙な感覚を埋めてほしくてゲイをカムアウトしているアンドリュー・スコットを選任したとか。もちろんゲイの役を実際にゲイ役者に限定する必要はさらさらないのは確かな事。演技とは役者の生身とはかけ離れていても、それを真実らしく振る舞える事こそが醍醐味ですから。事実、相手役のポール・メスカルは前作「aftersun アフターサン」2022年 でもゲイの役でオスカーにノミネートもされましたが、ゲイではありません。

 さらに、同性愛と言っても愛する心は異性愛者と全く変わりません。愛し合うシーンが男×男でも女×女でも、男×女と全く同様にその描写が必要なら当然に作者は描きます。本作でも結びつきの一体感の熟成が必要だから描いたまでで。もし生理的に苦手でしたら軽く目を細めていただくだけで結構です。逆にごく一部の同性愛の方でも男×女の絡みでそうされるとも聞いたことがあります。そうしてスルーさえして頂ければ十分ではないでしょうか?にもかかわらず「気持ちの悪いものを見せられた」などと叩くことは、それにより傷つく方がいる事をお忘れなく。なによりLGBTQの方々は、好んでそうなったわけではなく先天的にそう生まれてしまっただけ、と言う事実を切にご理解して頂きたいものです。少数派を認めてこその多様性のはずですから。

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クニオ

3.0残念、全然合わなかった

2024年4月20日
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1988年公開の大林宣彦監督作品「異人たちとの夏」は大好きな作品で5回ぐらいは観ていて、本作はそのリメイクと聞けばいやがおうにも期待度が高まり観たのがいけなかったのかもしれませんが、これはダメ、全然、面白くないし根本的に自分には合わなかった

ゲイやクィアの方には申し訳ないですが、私はそうではないため、男性2人の愛し合う描写が長いし何度も出てくるのが気持ち悪くて辛かった
なぜこんな 同性愛が全面に出た作品に改変しなくてはいけなかったのか甚だ疑問

作品全般的に静かで暗くて冗長、ものすごく退屈だった
更に終始鳴り続ける不穏な音が気持ち悪かったのと、突然明るいポップスが流れるのも微妙、とにかく全体的にクラい雰囲気でつまらなかった

主人公が親と会い、通い始めるのが唐突で意味不明、いかに「異人たちとの夏」の演出と描写が素晴らしかったかが逆によくわかりました

と、完全に期待ハズレだった作品です

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Jett

3.0妄想と願望の狭間で

2024年4月20日
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 幻想と現実の区別がつかないというよりは、妄想と願望の世界をひたすら彷徨っている。
 ドラッグでトリップしたら、この話は台無しでしょ。混濁した意識の中で見た夢ってことにならない?

 なかなかハードな結末をFrankie Goes To Hollywoodの『The Power Of Love』で締めくくるモンだからんだから、それなりの作品観たぞって錯覚を覚える。この結末ありきでシナリオを書いたんじゃないかなぁ。

 睡魔とトリップ感を体感できる作品でございます。

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bion

4.0ずっと孤独だった

2024年4月20日
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…そこに名前がついただけ。"死"を寄せ付ける孤独感、喪失感、そして自分="クィア"【ゲイであること】を受け入れてもらえなかったことに傷つき苦しく、すごく寂しかったんだ。どうか、《しこり》を大きくしないで。だから、僕が君を死から遠ざけてやる。死神も近づけないほどに…。"静かすぎる"孤立したタワーマンションから、隠れた太陽からいずれ光となる。幾度となく出てくる窓ガラスに映る自分の顔=内面の崩壊や(アイデンティティークライシス的)自己探索。エスタブリッシング・ショットによるファーストカットが魔法みたいに素晴らしかったし、外に出たアダムがマンションを見上げるカットよかった。
孤独(や喪失)がいかに人を死に近づける・追いやるか?傷ついた魂が引かれ合う。人によっては冷酷な現実を突きつけられるような感覚にもなるかもしれないが少なくとも自分にとっては、本作中で描かれるような出逢いがなくても"僕"(=アンドリュー・ヘイ)がいるよと、だから生きることを諦めないでほしい。あるいは逆に、あなたが孤独や喪失=しこりを感じるとき、他にも同じように苦しんでいる人たちがいることを思い出してほしい。それらが巡り合い出会ったとき、誰かと分かち合えたとき、きっと一筋の光や希望に変わるから。ラストシーンは、死神が遠ざかっていくようにも、一緒に上がっていく(あるいは落ちていく?)ようにも見えた。それは両親にできなかったこと。誰もが"異人"な世界で、たくさんの独りぼっちに届いてほしい作品。
山田太一「異人たちとの夏」✕ アンドリュー・ヘイ監督 ✕ アンドリュー・スコット主演 = 大林宣彦監督版は見ていたけど、アンドリュー・ヘイらしい味付け・世界観とやさしくあたたかなタッチ・トーンで綴られるファンタジックなドラマは、時を超える魔法のようだった。よく書けた脚本と演出、そしてそれらに"身体"と魂を与える肝心の演技。"アンドリュー"コンビだけでなく大好きなポール・メスカルもまたとてもよかった、主演2人の力と確かな化学反応。ジェイミー・ベル、クレア・フォイ演じる両親役もいい。過去のトラウマや心残り・未練などが堰を切るようなどっと溢れ出しては、余韻が残る…。

勝手に関連作品『WEEKEND』『ロスト・イン・トランスレーション』

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とぽとぽ

4.0オリジナル未見

2024年4月20日
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泣ける

故 山田太一原作は未読📖´-
故 大林監督作品 異人たちとの夏 も未見
なので、比較はできませんがそれが
また良かったのかもしれません。

なんとも摩訶不思議なファンタジーですが
幼い頃に亡くした両親との再開や
自身の成長を喜んでくれる両親の言葉の数々に
嗚咽寸前でした😭

孤独に慣れたアダムが両親の愛を知り、
人を愛することを知る。
ラスト、あのシーンに吃驚し回想シーンでまた泣けた😭

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みき

3.0不思議なストーリー

2024年4月20日
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オリジナルを知らずで、いろんなコメンテーターの方々のレビューがすごく良かったのでかなり期待して観ました
ハードルが上がりすぎていたのか、思っていたようなストーリーじゃなくてちょっと残念な気もしました
親が子供を想う気持ちにとても感動のストーリーなのですが、そんなストーリーの中にドラックシーンがあって、それ必要なんかなと途中とても違和感だったけど、そこはラストでわかりました
ロンドンのマンションに1人で住む主人公のアダム、でもオシャレなロンドンという感じは全くなく、どこにでもありそうなロケーション
孤独な人生を送ってきたアダムが、同じマンションに住むハリーとの恋と、子供の頃からずっと一緒に過ごす時間がなかった両親とわかり合えていくというストーリー
当時のいじめについてのお父さんとの会話がすごく心にきました
そして親子3人でのレストランのシーン、涙がポロポロ止まりませんでした
親の願いは子供が幸せである事、本当にそうなのです
誰かを愛して、その誰かから愛されて、孤独じゃない人生を送る、それが本当に幸せな人生だと改めて思いました

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小町

4.0⭐️4

2024年4月20日
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泣ける

悲しい

⭐️4

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keisuke

4.0大林版との比較で観る「異人」のお話

2024年4月20日
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山田太一の小説「異人たちとの夏」を原作とした作品でした。原作小説は、1988年に大林宣彦監督が「異人たちとの夏」として映画化しており、本作の公開直前に大林版も鑑賞したので、同作との比較を通じてアンドリュー・ヘイ版の本作の感想を書いてみたいと思います。

まず大林版との大きな相違点は、1988年当時の東京を舞台にした大林版に対して、本作は現代のロンドンを舞台にしており、国の違い以上に時代状況の違いが作品にも反映されていました。また、主人公の中年男性が脚本家を生業としているところは共通していて、都会(東京とロンドン)のマンションに一人で住んでいるところも共通しているものの、大林版は妻と離婚した直後の状態だったのに対して、本作の主人公はゲイであることを隠して生きてきたという設定でした。ただ両者ともに都会で一人孤独に暮らしているという点は一致していて、これがこの作品群の重要な鍵であったと言っていいと思います。

さらに題名も異なっていて、本作には「夏」という言葉がなくなっています。これは原作や大林版が夏の東京を舞台にしていたものの、本作では夏のロンドンを舞台にしなかった、というか、季節感を強調していなかったことによるものだと思われます。別の見方をすると、ランニング姿で涼をとる文化がイギリスにはなかったということに尽きるということなのでしょう。

以上相違点を列挙しましたが、映画としての出来栄えは甲乙付け難く、特にロンドンの夜景をはじめ、映像は非常に綺麗で、アンドリュー・スコット扮する主人公アダムの孤独感とのコントラストが印象に残りました。また、大林版で疑問だった2つの点も、本作ではいずれも解消されていて、アンドリュー・ヘイ監督が私の声なき声を聞いてくれたのかと思ったほどでした。

具体的には同じマンションに住む恋人が自殺した下りについて、大林版では早々に発見されていて、恐らくは警察の捜査もあったと思われるにも関わらず、風間杜夫扮する主人公の原田が全く知らなかったことが極めて不自然でした。しかし本作では、主人公と恋人の初対面の直後という同じタイミングで恋人のハリーが自殺していたものの、直ぐには発見されず、しばらく経ってアダムが発見しており、矛盾が解消されていました。

もう一つ、これは大林版への疑問というよりもガッカリした点ですが、主人公の原田が、この世の人ならぬ”異人”である両親や恋人と接触を重ねるに連れて体調を崩して行き、最終盤ではホラーかと思うような特殊メイクを施しました。ところがこのメイクがイマイチで、怖いと言うよりも苦笑してしまう感じで、それまでの映画の雰囲気を損なっていたように感じました。その点本作では、主人公アダムの体調不良が強調されておらず、畢竟アンドリュー・スコットも特殊メイクを施されることはありませんでした。原作未読のため、最終盤のシーンが大林版のオリジナルなのか、原作を忠実に再現したものなのかは分かりませんが、2本の映画を比較すると、この点においては明らかに本作の方が上々の出来栄えになっていました。

両者のラストシーンも異なっていましたが、これは両者とも味わいがありました。アダムも異人になってしまったのかしらと思わせる本作の締めくくりも良かったですが、個人的には”夏”=”お盆”=”あの世の人との邂逅”という日本ならではの雰囲気を醸し出していた大林版にやや軍配が上がりました。まあこの辺は、文化的、宗教的な基盤が異なる国で制作されたので、致し方のないところかなと感じたところです。

最後に役者ですが、主人公のアンドリュー・スコットは、イギリスBBCのドラマ「SHERLOCK シャーロック」で、ホームズの宿敵・モリアーティー教授を演じていました。その際の薄気味悪く、ねちっこくも、どこかお洒落な演技が余りにも印象的で、本作を観ていてもモリアーティーが演じているように観えてしまいました。同作がNHKで放映された際は、村治学が吹き替えを担当していましたが、本作の吹き替え版を創るとして、村治学の声だったら笑っちゃうなと、勝手に想像したところです。

そんな訳で、同じ原作を持つ2本の作品を連続して堪能することが出来ました。そんな本作の評価は★4とします。

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鶏

4.0アンドリュー・スコットで星一つおまけ

2024年4月20日
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日本版は遠い昔に鑑賞記憶あり
ラストのネタバレも知っていたことが鑑賞を少し妨げたかも
シックスセンス的な伏線が無いかと見ていたので

都会で孤独に暮らす男が、子供の頃になくした両親に出会い、心を取り戻していく物語

いくつかのドラマなどで注目していたアンドリュー・スコットが期待通りの演技、そこは満足

だけど同性であろうと異性であろうと濃厚すぎるラブシーンがちょっとノイズになってしまう・・・

監督的には必要だったのだろうけど

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フラレオン

3.5残念ながら…

2024年4月20日
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いい話なのかなぁ〜…
なによりも、愛情に飢えていたとはいえ何十年も一人で生きてきて、両親の幽霊に会ったらあんな風にいきなり甘えちゃうもんなんだろうか、ってのが一番飲み込めない。両親の気持ちも考えず、ゲイの恋人連れてってさ…
そりゃあね、何十年もの愛情の空白を埋めて、自分のことを性的指向も含めて認めてほしい、って気持ちは分かるよ。でもさ、親なんて生きてたって分かり変えないことの方が多いんだと思うよ。そんなもんだよ、悪いけど…
そういう甘ったれた感じが、どうしても理解できなかった。残念ながら…

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ぱんちょ

1.52世帯マンション

2024年4月20日
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悲しい

幸せ

ロンドンで独り暮らしをする脚本家の男が、12歳になる前に交通事故で亡くなった両親と再開するファンタジー…?

オリジナルを知らずに観賞したけれど、情報後出しで進んでいくから、あらすじ紹介を読んでいないと、誰?夢?どういうこと?となる序盤。

そしてあらすじ紹介を読んだ情報だけで観賞したけれど、同性愛者にしてメンヘラな主人公の恋愛物語がメイン…というか殆どそればっか。

一応両親に言えなかった自分のこととか思いとかそんなものもあったけれど、自分の苦手なヤツだった。

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Bacchus

3.5ものすごく悲しいファンタジー

2024年4月19日
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山田太一の原作や邦画版には触れずに本作を鑑賞しました。

アンドリュー・スコット演じる主人公アダムの何とも切なく悲しいファンタジー作品。

アダムの両親はどうやらアダムが12歳のときに事故で亡くなっているらしいのですが、
その割には両親は生きているじゃないか!?という見せ方。
でも、物語が進むに連れ、やはり亡くなっているのだということがわかります。
ただ、アダムが両親にゲイであることをカミングアウトし、受け入れてもらえるまでに相当の時間がかかったりと
亡くなった両親と過ごしながら、子どもの頃に突然訪れた別れ〜現在に至るまでの時間を
愛情で埋めていくような、そんな描き方をしています。
その両親との別れのシーン(ファンタジーですが)が実にグッときます。

そしてアダムの彼氏であるポール・メスカル演じるハリー。
すごく仲良くなってお互い欠かすことのできない存在になっていくな〜と思って観ていたら
なんとハリーも亡くなっていたということがわかります。
それがわかっても、亡くなったハリーとのコミュニケーションがとれるアダムとの
最後のシーンが実に心に沁みます。

なんて悲しい・寂しい主人公なんだ!!と思いながらも、
実に心に沁み入る作品で、私は何とも言えない温かい気持ちになれました。

冒頭の夜景〜朝焼けになっていくシーンが実に美しいです。

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ひでちゃぴん

4.0親の願いはただ子どもが幸せであってくれること。

2024年4月19日
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暗い。ただただ暗い。

主人公がゲイの設定になってるのはなるほど頷けるけど、まさかゲイのおじさんたちのセックス見せられるとは思ってなかった。
息子にゲイであることを告げられた時の母親の反応が正直なところなんだろうな。

相手が男でなく母親役のクレア・フォイみたいなきれいな女の人だったら、また面白かっただろう。

風間杜夫は華があったんだな。

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大吉

2.5ゲイが題材

2024年4月19日
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BLってよりゲイを前面にテーマ。加えて家族と妄想。まとめるとキーワードはこんな感じ。もう少し面白いと思っていたから残念。観てはいられるけど、わざわざ観に行かなくてもいいレベルです。

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ノブ様

3.0山田太一さん原作の「日本版」との違いにとても戸惑いました。

2024年4月19日
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ラストに“異人たちとの夏より“の字幕スーパーが出ました。
鑑賞後の気持ちに戸惑うばかりでした。
この映画を一言で言えば、
《ゲイに生まれた悩みを、死んだ両親に会って、カミングアウトして
慰めて貰う》
というのはちょっとキツイ言い方ですね。
ただ山田太一さんの、美しくも儚く、
《亡くなった両親との再び訪れる奇跡の邂逅を、
《至福の喜びと切なさで描いた「異人たちとの夏」》
…………この違い!!
「異人たち」は、アンドリュー・ヘイ監督の
実体験を色濃く滲ませた作品との事ですが、
そこにはホモセクシャルに生まれた男性の、
苦悩を描かれた作品でした。
例えば、日本映画の「エゴイスト」では、
鈴木亮平の役もゲイに生まれた自分の葛藤と父親への自責に
深く傷つき苦しむ役でしたが、
死んだ宮沢氷魚の母親にその愛を置き換えて、ありったけに尽くす、
その心根の美しさが胸を打ったのです。
アンドリュー・ヘイ監督には、
広い視野で自己を見つめる視点がもうほんの少し少し
あっても良かった、
そんな気がしました。

私は女性ですし、ノーマルなセクシャリティの人間なので、
だからゲイに生まれた苦しみ、孤独、切なさ、寂しさに、対して
鈍感で思いやりが薄いのかも知れません。

まぁ正直に言えば、あまり若くも美しくもない男性2人の
ラブシーンに、ちょっと引いてしまった、のも本心です。

大好きなジェミー・ベルも見せ場のない役で勿体なかったです。
お母さん役のクレア・フォイは息子のホモセクシャルを告白されて
戸惑う母親を等身大で演じて、良かったと思います。

オリジナルを知らずに見たほうが、
きっとこの映画の真価が分かるのでは・・・
と心から思いました。

追記
あるレビュアーの方より、ゲイであることへの理解が足りないのでは、
とのご指摘がありました。
山田太一さんは生前に本作品をご覧になって、
「温かく受け入れていただきました」との教えも頂きました。
ゲイの方への失礼を深くお詫びします。

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琥珀糖

4.0余分な意味をもたせた結果、原作で意図されている「異界」を表現することが十分ではない。

2024年4月19日
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大林宣彦の映画は未見。私が観たことのある山田太一原作の「異人たちの夏」は舞台である。2009年シアタークリエ。主役は椎名桔平だった。
まず、PROライターのレビューの中に「日本の夏の情緒が失われている」という内容の指摘があったがこれは的はずれ。そもそも原作小説自体が都市生活者の怪奇譚でありあまり日本的情緒は関係ない。原作の季節は確かに夏だが夏以外でもこの話は成立する。「父と暮せば」あたりと印象が混同されているのではないか。2009年舞台も都市的スタイルの現代劇のニュアンスであったと記憶している。
ロンドンに舞台を置き換えた本作の流れは自然であり原作をかなり忠実になぞっていると感じた。
ただ如何せん両親との出会いや、ハリーと愛し合うことに、アダムにとっての意味をもたせすぎていないか?日本公開にあたっての宣伝惹句は「現代人の孤独、家族の絆、そして全てを乗り越える愛」というものである。これはいくらなんでも酷いが、映画自体もかなりその方向に引っ張られている。つまり父母にしても、ハリーにしても、アダムの孤独を癒やすために登場していると役割が固定されているのである。
理由がよく分からないままに、異時間・異空間の者どもが生々しく現れる。この話は本来、そういった異界と接触してしまう男の物語である。本作では主人公が異人たちに愛着をもつ一方で同時に感じているであろう恐れや違和感といったものがうまく描けていない。異界がうまく表現できていないのである。
「違」は「異」に通じる。原作でのポイントの一つに両親の年齢がある。異人である彼らは30歳代である。12歳で両親をなくした主人公は今や48歳であり両親よりはるかに年上という奇妙な現象が起きている。映画では主役のアンドリュー・スコットの見た目が若すぎるためこの違和感が表現できていない。
また、原作では映画のハリーにあたる登場人物はケイという女性になるのだが、彼女は胸にケロイドがあり執拗に隠そうとする。ここに強烈な違和感があるのだが映画では全くカットされている。このためハリーは現界(うつつ)の人間として全く疑いもなく登場する。だから最後のシーンの意味が通らない。
映画としてはまあまあ良く出来てはいると思うけどね。

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あんちゃん

5.0エンディングはいろいろと衝撃的。

2024年4月19日
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今年155本目(合計1,247本目/今月(2024年4月度)29本目)。
(前の作品 「映画 きかんしゃトーマス 大冒険!ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル」→この作品「異人たち」→次の作品「メメント」)

 原作小説(映画)があるらしい、ということは知っている程度です。
といっても、舞台も色々違うし考え方もいろいろ違うので、特にエンディングにかけての一連の流れについては「今2024年にありそうなできごと」になっている点については賛否両論ありましょうが、個人的には良かったかな、といったところです。

 タイトルの「異人たち」の「たち」は複数いることが想定できますが、個々の登場人物の描写を見ると、程度の差はあっても若干「ずれた」発言をしている方ばかりで、「その意味で」「異人「たち」」なのではないのかな、といったところが私の意見です。

 本作品のみで見ても楽しめますが、原作小説・映画を知っていると(ネットフリックスほかで見られるのかな?)その差を知ることができるのでしょうから、その点でもおすすめです。もちろん前述した通り、本作品「のみ」でも十分に作品として成り立っています。

 日本の古い作品をイギリスと舞台をかえて(許可はもらっているはず)今風の問題提起も盛り込んでまた「別の」作品とした点はとても良かったです。

 採点にあたっては特に気になる点まで見出せなかったのでフルスコアにしています。

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yukispica

3.5満たすことが出来なかった思い

2024年4月19日
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異人たちとの夏の両親とお別れするところまでがとても好きで、特に秋吉久美子さんの「おまえをね、自慢に思ってるよ」と言いながら箸袋をキュッと結び、その時に私の心もキュッとして胸がいっぱいになる。
なのに、その後の展開に置いて行かれてしまってモヤモヤしていた。
先日YouTube期間限定公開で再見した時に、うん、やっぱり今見ても置いて行かれるな!アハハ笑と納得出来てむしろスッキリして
tiff?かなんかの関連動画がおすすめに出てきたので見たら、秋吉久美子さんのあのシーンの見解聞いて吹いてしまった。
あの頃あんな感じのSFが流行っててやりたかったんだと思います!って。
実際は違うらしいけど、私は秋吉久美子さんの気持ちに納得してしまった。
そんなわけでヘイ監督はどんなふうに表現するのかなと興味津々でみた。
これはこれでとても良かった。
人を愛したことがないから愛がわからないと言っていたアダムだけど、死神から君を守りたいと思う気持ちは間違いなく愛。生死を超えた愛

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m m

2.0FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD

Mさん
2024年4月19日
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「Relax」しか知らなかったので、今度聞いてみよう、と少し思った。

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M

3.5どう受け止めたらいいのかわからない

2024年4月19日
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原作を知らないので結末に衝撃を受けた。主人公の気持ちを考えると心のやり場に困る、あれをどう受け取ったらいいのか、しばらく考え込んでしまう。同時にこの結末に違和感を覚えることもなく、むしろこれが正解だったのではないか、とすら思えるのは監督が作り出した世界観にどっぷり浸っていたからだと思う。とても繊細な映像と音楽、セリフは少ないけどきちんと感情が伝わってくる。好きな人は好きな映画だと思う。

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hihin