52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
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最後に救いもある
原作は読んでませんが話題になっていた小説なので、映画化は楽しみにしていました。
主人公の家庭環境の酷さ、感情を殺して生きてる様が先日観た杉咲花さん主演の『市子』とかなりかぶってしまいます。あまりの不幸な生き方に途中、やるせなくなってしまう感情も全く同じ。どちらも友情には恵まれてるのも似ている。
でもラストは救いがあって良かったです。エンドロールの貴瑚と愛の海を眺める後ろ姿から、幸せな未来を予想して少し安堵してます。
それにしても愛を演じている子役君はデビュー作?すごく良い演技でした。あとやっぱり倍賞千恵子さん、最後の方に出てくるだけなのに印象が強烈なのは流石ですね!
ところで、、気になって52ヘルツにクジラを調べてみたら実在するのですね。そっちも切なかったです。泣き声のような歌、耳に残ります。
偽りの救済という形の団円
『町田そのこ』の小説は
既刊十一冊のうち七冊を読了。
自分にしては高比率も
一冊を除けばタイトルを見るだけで
「ああ、こ~ゆ~内容だったよね」と
想起が可能。
その唯一の例外が標題作。
ハードカバーで読んでいるにもかかわらず、
ほとんど記憶に残っていない体たらく。
ただ、
イマらしいイシューをよくまあこれだけ大量に詰め込んだよな、との印象と
なんでこれが「本屋大賞」なの?との疑問だけは強く残っている。
前者であればかなり手垢の付いた事象の数々だし、
後者なら〔博士の愛した数式〕のような斬新さも、
〔かがみの孤城〕のような仕掛けも無い。
とは言え原作と映像化された作品は別物。
料理の仕方によってとんでもない秀作に化けることはあり、
そこは〔八日目の蟬(2011年映画化/2008年本屋大賞の第6位)〕を世に出した
『成島出』の手腕に期待なのだが。
ある種、白紙の状態で鑑賞に臨むも
時として嘗て読んだ時の記憶がぱらぱらと甦ってしまうのは困りもの。
過去との往還はありつつも、
ストーリー自体はほぼ一本道なものだから
印象的な出来事ほどぱっと想起され
先の展開があっさりと読めてしまう
(いや、そうでなくとも、ミステリ的要素は弱めか)。
盛り込まれている問題のインパクトは強いものの、
一つ一つを見ればあまりにありがちで
新奇さはさらさらない。
とは言え、これだけの数の強烈なエピソードを盛り込み、
各パートを有機的に関連付け、
一つの物語りに纏め込む力業には驚嘆。
各種の受賞には
そうしたことが評価されたのか、と
今更ながら思わぬでもない。
映像化の「功」の力か。
主人公を進んで救う無私の人物が
タイミング良く次々と現れる展開には鼻白む。
また、不義理をされてもあっさり寛容するだけの魅力が
彼女に有るかと言えば甚だ疑問で
主体性の弱い造形にはあまり共感できぬ。
意志を強固に表わす結末の落着にしても、
子供が子供を育てるようにしか見えず、
彼女と彼の将来に幸あれとは思うものの、果たして?
との不安を強く抱かせるもの。
『三島貴瑚(杉咲花)』の声なき声を掬い上げた『岡田安吾(志尊淳)』も
実際は52Hzの声を上げており、
『貴瑚』がそれに感応できなかったのはあまりに悲しい。
結末は、単にその贖罪に見えてしまう。
搾取は愛じゃない 家族が重くなったら逃げていい テーマは重めだけれ...
搾取は愛じゃない
家族が重くなったら逃げていい
テーマは重めだけれど、映画構成が上手く伝わり易かった。場面毎すすり泣きが聞こえ私も涙したが、見終わってみると時事トピ盛なメルヘンタッチで纏めだったと感じた。リアリティが薄いの
自己犠牲で生き方を見失ったキコが生き直し同じ傷ある子供愛を救い出すギフトの循環は素敵だ。生きる意味に力が注がれており問われるが、自分に価値を与え愛を持って生きよう なのだと思う。見て良かった
切ないけど前を向いて生きる
杉咲花の熱演に圧倒される。それに引っ張られるかのように、男性陣がやや過剰演技になってはいたが、それに対してベテランの倍賞美津子や余貴美子が深みを加えてくれていた。
あまり詳しく中身を書くより観て欲しい映画だ。
一人一人が本当に一生懸命生きて、優しさと切なさを持っているのだ。クジラの声を聞くだけでも泣けてきた。
安吾の母が骨壷を抱えて貴湖に語る言葉がとても心に沁みた。どうしてそのままのあなたでいいと言ってあげなかったんだろうと。それ、あるよねとグッときた。
最後にこの土地に根ざして生きていくことに希望が見えて温かい気持ちになれたのも良かった。
毒親、毒親、クソ専務
不幸な人生を歩んできた女性が周囲の人に助けられて人生の希望を見出す話。
主人公の貴瑚と貴瑚を救いたいアンさんとの恋物語の一面も。
出てくる人物が毒親、毒親、クソ専務とクズのオンパレード。
西野七瀬も宮沢氷魚も上手いからよけいに腹が立ちます!
小野花梨さんも最近よく見ますね。ハケンアニメから活躍を期待していたのでうれしい。
貴瑚の幸せだけを願うアンさんについては早めに謎が分かるけど、気持ちを考えると辛すぎて泣けます。
市子に続いて杉咲花は不幸な女性を演じてるけど、同世代で右に出る人はいないぐらいの女優の風格。
信じてっていう奴は信じちゃダメな奴。
DVとかに耐性があるならオススメ。
52ヘルツのクジラ達
誰かて52ヘルツの呪文の三つや四つ持って生きてる。
老人過疎地に逃げても長くは支えにならない。
ホエールウォッチングなら沖縄がいいそうです。
ほな、サイナラ、サイナラ、サイナラ…
( ´∀`)
52ヘルツのクジラたち
2021年本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、杉咲花主演で映画化したヒューマンドラマ。
自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚。
ある痛みを抱えて東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、
そこで母親から「ムシ」と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。
貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんとの日々を思い起こしていく。
杉咲が演じる貴瑚を救おうとするアンさんこと岡田安吾を志尊淳、
貴瑚の初めての恋人となる上司・新名主税を宮沢氷魚、
貴瑚の親友・牧岡美晴を小野花梨、
「ムシ」と呼ばれる少年を映画初出演の桑名桃李が演じる。
「八日目の蝉」「銀河鉄道の父」の成島出監督がメガホンをとり、「四月は君の嘘」「ロストケア」の龍居由佳里が脚本を担当。
タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く、世界で1頭だけの孤独なクジラのこと。
涙と鼻水は花粉のせい?!
今日は朝早くから強風にあおられ花粉が大量に飛散してるのか、まだ始まってまもなく少年(桑名桃李くん)が貴瑚(杉咲花さん)にボロビニール傘を差しかけた時点で鼻水と涙が出てきました。なにせヒロインは杉咲花さんですものね!スギ花粉いっぱい飛びそうです。(失礼!)
本屋大賞の原作、くらいの下情報だけでなんの先入観もなしに鑑賞しましたがやはり初回上映回のまばらな観客中で嗚咽する音を聞かれないよう最大限の努力をしながらの鑑賞。時折メガネをあげて眼を擦る姿、近くのご夫婦には気づかれたんでしょうね!
杉咲花さん『青くて痛くて脆い』で不思議な違和感(魅力?)を感じた女優さんだなぁって思ってました。それまでは一緒に回鍋肉を食べてる友達に「なくなるよ!」って忠告したり、食パンを美味しそうに食べる女の子のイメージだけでしたが今回改めて素敵なそしてすごい女優さんだって実感しました。
その美しい顔立ちと、もうずいぶん前になりますがNHKドラマ『女子的生活』でまさにトランスジェンダーの役を演じられて「キレイなお兄さん(お姉さん?)だなぁ」って思ってた志尊淳さん、なかなか主役での活躍は少なかったですが今回のアンさんはよかったです。ネタバレになりますがこの映画の中ではとても残念な結末でした。
『島唄』のお父さんを持つ宮沢氷魚さん、今回は珍しく悪役でしたね。結構好きだった黒島結菜さんとの(これから生まれてくる)お子さんには優しくしてあげてください。(だから役柄ですって!)でも本物かって思わせる悪人ぶりは若干オーバー演技気味ではありますが憎たらしかったので合格です。西野七瀬のクズぶりも圧巻です。
あといつもながら脇を締める倍賞美津子さん、余貴美子さん、安定の域ですね。
先週の『夜明けのすべて』に続き様々な社会問題をこれでもかって散りばめたストーリーは途中とめどなく落ち込む内容にはまりがちでしたが、エンディングはなんとなく光が見える形でホッとしました。桑名桃李くんの笑顔に救われました。
花粉症を抜きにしても今年一番泣いたかも。色々考えさせていただきましたがやはりたくさんの皆さんに観て考えていただきたいと思う作品でした。よかったです。
52ヘルツを聞く者もいる、或いは聞こえなくとも伝わり届く。
トランスジェンダーであることのアンの苦悩、そして第3者からキナコと母親に明かされてしまった悲しみと絶望が伝わってきた。
最後にタイトル『~クジラたち』と出て、 「ああ、複数形なんだ」と思った。
キノコ、アン、イトシ、3人の聞こえない叫びは互いに聞こえていたと思った。
(追記 アンの52ヘルツはキナコに聞こえなかったと思われる)
貴瑚と愛が隠れて暮らせば愛は無国籍になってしまう。くしくも無国籍者の市子を演じた杉咲選手が、愛がそうならないよう尽力するのもオモシロイ
あらすじ知らずがおすすめ、感動
いい映画だった。
たぶん、あらすじや原作知ってても十分楽しめると思いますが、あらすじを知らない方楽しめると思います。
私は予告は見ていたので、虐待と介護というキーワードだけを知っていましたが、もっともっと奥が深い切ないストーリーでした。
予告を作った方にも感謝。
杉咲花と志尊淳のおふたりはさすがの一言。こんな優しい気持ちで幸せな気持ちになる映画も珍しい。
また、宮沢氷魚と西野七瀬も良かった。最近は悪役?も多いけど、恐らくこの4人は入れ替わっても映画として成り立ちそう。良かったです。
ネタバレしたくないので、ストーリーには触れませんが、前半、というか冒頭から、切なくて涙。キャラが分かっていないのに、単純に感動してしまった。
あと、無音部分も良い。
あの映画館での無音で 「シーン」と聞こえるような環境で観ると良いと思います。
映画好き以外の友人にも勧めたい映画でした。
他者を愛することは自己愛につながる
自己愛を持てない人がいる。
他者を愛することは自己愛につながるのではということを感じさせてくれる作品だった。
回想シーンへの繋がりが唐突、ファンタジー要素への繋がりが強引だと少し感じてしまった。
原作未読だが、小説なら適切な構成でも、映画になると、映画に適切な構成があるのではないかと少し感じてしまった。
ただ役者の演技にはしっかりと心を動かされた。
私にとって、市子以来の杉咲花さんだったこともあり、彼女がただ笑うだけで、必要以上に幸せな気持ちになってしまう。
52Hzの声は他のクジラも聞き取れる...だからこそもっとキツイ
杉咲花を愛でる映画としては見処満載。御曹司の本性やアンさんの苦しみに気づけず、毒母から救ってくれた恩人の自死を防げない展開は切ない。
ただ、どうしても指摘したい点が2つあり、以下に詳細を記す。
1. 悪役が典型的過ぎ問題
2. 52Hzの声は他のクジラも聞こえる問題
🐋
1. 悪役が典型的過ぎ問題
ヒロインは、21歳頃までは毒母、就職後に独りよがりな御曹司、大分移住後は少年をネグレクトする毒母に遭遇。悪役の頻出でヒロインの人生は起伏に富む。ただ悪役の描写が、MCUのヴィラン並みに典型的過ぎないか? 一方で味方は、アンさんも幼馴染もヒロインに一途に尽くす。ヒロイン自身も被害者としてのみ描かれ、彼女や味方については邪悪さは描かれない。アンさんに拠る実家へのタレコミはやり過ぎにも感じるが、御曹司のヒロインに対する暴力で、アンさんの先見性が際立たされる。
善良なヒロインが巷の悪人に苦しめられる噺は、勧善懲悪の時代劇的で分かり易い。ただ自身を含め、どんな人間も多かれ少なかれ、清さと邪悪さが混在している。毒母自身も幼少期にネグレクトを経験しているとか、元アイドルも夫に筆舌に尽くし難い仕打ちを受けた等の描写があった方が、人間描写に深みを感じたかもしれない。
🐳
2. 52Hzの声は他のクジラも聞こえる問題
本作の主題は52Hzで鳴くクジラ。シロナガスクジラ(blue whale)は一般的に10-39Hz鳴くので、52Hzはかなり高めの声であり、鳴き声の主は「52 blue」と呼称される。視認こそされてはいないが、音声の追跡から他の個体とは独立に行動していると類推され、最も孤独な個体とも呼ばれる。ただその原因が、他のクジラに「52 blue」の声が聞こえていないというのは、科学的には考えにくい。クジラの可聴範囲は様々な方法で推定されているが、シロナガスクジラは200Hzまで普通に聞こえると考えられる。
そもそも、発声器官(喉など)と聴覚器官(耳など)は別物なので、出せるから聞こえるとか、聞こえないから出せない訳じゃない。無論、種内コミニュケーション(会話など)に用いる声は、出せるし聞こえないと役に立たない。ただ、天敵が発する音を聞き取れれば、捕食を避けられる。実際、一部の蛾は会話には用いないので超音波を発生できないが、捕食を防ぐ為にコウモリの超音波は聞き取れる。天敵以外も、餌生物が出す音が聞こえれば採餌に役立つし、天変地異の音が聞こえれば防災に役立つ。なので、52Hzで歌わないクジラが、52Hzの歌を聞き取れても何の不思議もない。MISAのホイッスルボイスを真似できない人間が大半だが、彼女のホイッスルボイスは問題なく聞き取れるのと同じである。
なので「52 blue」が実際に孤独な個体ならば、それは他の個体に声が聞こえないからではなく、聞き取った上で無視されているからかもしれない。正直、聞こえないよりも無視しハブられている方がキツイ。
誰にも聞こえる事の無い52ヘルツで叫ぶ人達の苦悩を描いた作品。 本年度ベスト。
杉咲花さんがメインの作品と思いきや、色んな人達が悩んでいる姿を表現していた作品だった。
親の介護に疲れ命を断とうとしたキナ子。
そのキナ子を救った志尊淳さん演じるアン。
この二人を軸にしたストーリーに加え、色んな人が悩んでいる姿を表現していたけど、愛情が連鎖して行く感じが素晴らしかった。
杉咲花さん演じるキナ子が泣くシーンが多め。
場面毎の泣き方の違いで、その時の感情を表している感じに引き込まれる。
本当に素晴らしい役者さん。
西野七瀬さんも登場。
今まで見たことも無いキャラクターで迫真の演技が凄かった。
最近、話題の人となった宮沢氷魚さん。
最低なキャラクターの設定なんだけど、役にハマっていた感じ(笑)
キナ子に親身になって救おうとしたアンが優しすぎるけど、彼も心の中で52ヘルツで叫んでいた事に泣ける。
人間って、ひとりでは生きていけない事を表現していた感じの素晴らしい作品だった印象。
観賞後、磯丸水産に行きたくなったのは自分だけではないバズ( ´∀`)
軽々しく「見に行って!」とは言えない。
苦しい、悲しい、でもそれ以上に得たものは大きいです。
たとえちゃんと聴こえなくても聴こうとすること、理解できなくても寄り添おうとすること、すごく大事なことを教えてもらいました。
賛否両論はきっとある。でも何もしないで通りすぎるよりはきっとその先の景色は美しい。
孤独との闘いの行方ですが・・・。
この映画の主役は、私は安吾さん”あんさん”です。原作を読んだ時から安さんです。
もちろん、キコ、キナコも素晴らしいですが、志尊淳さんが演じた安さん、安吾さんが
最高でした。久々に号泣しました。愛する人と出会った時、自分はどの路を選ぶのか?
安さん・・・その道だけは選んで欲しく無かったです。でもあなたの優しさが、皆に伝道しています。52メガヘルツの悲しい声が伝道しているのですよ。安さん♪
🐳たちのたちは?
海の52ヘルツのクジラはひとりぼっち🐋?
さて本作の🐳は?
志尊淳くんのひげは?
魂のパートナーって?
是非ご覧いただき解明してください。
この作品は最近活躍がめざましい杉咲花ちゃんの渾身の演技力が光る代表作となる事でしょう👏難しい役柄を演じた志尊淳くんのある写真が登場しますがある意味注目です。私的には悪女を好演した西野七瀬ちゃんも萌えポイントでした🐣
是非映画館で🎦
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原作の再現度がかなり高い!
杉咲花さんはじめキャストの演技が素晴らしかったです。原作が好きで映画も楽しみにしていましたが、よく2時間にまとめられたなぁと思うと同時に、映像の色合いや雰囲気がかなり解釈と一致していました。難しい問題を取り扱うからこそ、制作陣が様々な努力をしたことが伝わってきました。今後の作品も一般的な取り組みになることを祈ります。
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