劇場公開日 2009年8月8日

  • 予告編を見る

「目を逸らしたくなるような壮絶なラスト15分」縞模様のパジャマの少年 えすけんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0目を逸らしたくなるような壮絶なラスト15分

2023年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ナチス将校を父親にもつブルーノ少年はある日、父親の仕事の都合でベルリンから僻地に引っ越す。

周囲には何もなく、退屈な日々を送るブルーノ少年だったが、ある日、通行を禁じられていた裏庭の抜け道から、ある建物にたどり着き、有刺鉄線の向こう側に縞模様のパジャマを着た同い年の少年シュムールを発見する。しかしそこは、父親が所長を務めるユダヤ人の強制収容所だった。

筆舌に尽くしがたい物語。

父親に皮肉めいたことを言う祖母、引っ越してから塞ぎこむ母親、高圧的で無表情な父の部下たちなど、ブルーノは身近な環境から茫漠とした悪性を感じ取ってはいるものの、8歳ゆえの無垢さがそれを包み込み、有刺鉄線越しの友人との交歓へ突き進む。

母親役のヴェラ・ファーミガが好演。強制収容所で行われている凶行を知ってからというもの、一人の人間として精神的な崩壊が随所に見られるが、歯を食いしばって最後の一線で踏み止まる母としてのの使命感を見事に演じきっている。

目を逸らしたくなるような壮絶なラスト15分こそ、目を凝らして観るべき。

えすけん