各界から絶賛の声! フランソワ・オゾン監督作「苦い涙」大島依提亜による新ポスター&新場面写真披露

2023年5月22日 19:00


大島依提亜氏による新ビジュアル
大島依提亜氏による新ビジュアル

フランソワ・オゾン監督の最新作「苦い涙」の新たなビジュアルと場面写真が披露された。ビジュアルは、オゾン監督の過去作5作品で宣伝デザインを担当したグラフィックデザイナーの大島依提亜氏が手掛けた。あわせて、劇作家・音楽家のケラリーノ・サンドロヴィッチや、歌手・エッセイストの野宮真貴ら各界著名人のコメントもお披露目された。

世界三大映画祭の常連で、「Summer of 85」「すべてうまくいきますように」などで知られるオゾン監督。本作は、ニュー・ジャーマン・シネマの伝説的な映画作家ライナー・ベルナー・ファスビンダーの名作「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(1972)を現代風にアレンジした愛の物語。オゾン監督が、ファスビンダーの戯曲を映画化するのは、「焼け石に水」以来20年ぶりとなる。

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物語の舞台は、70年代ドイツのアパルトマン。著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)は、恋人と別れて激しく落ち込んでいた。ピーターは助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。ある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニー(イザベル・アジャーニ)が青年アミール(ハリル・ガルビア)を連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが……。

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新ビジュアルは、フランスの人気俳優ドゥニ・メノーシェ扮する主人公ピーターと、フランス映画界の至宝イザベル・アジャーニ演じるシドニーを大きく配置。ピーターを翻弄する美青年アミールと、一言も言葉を発しないが雄弁な眼差しでピーターを観察する助手カールはモノクロのカットが両脇に添えられている。タイトルからは涙の粒が降り注ぎ、4人の登場人物が閉ざされた室内で繰り広げる人間模様が一層気になるデザインとなっている。

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本作を鑑賞した作家・音楽家のケラリーノ・サンドロヴィッチは「身構えて観たが、笑った。ユーモラスだからこそ悲しい」、歌手・エッセイストの野宮真貴は「悲劇なのか、喜劇なのか。純愛なのか、メロドラマなのか。美しいのか、グロテスクなのか。そんな思いに翻弄されながら『苦い涙』の持つ魅力にまんまとはまってしまった」とコメント。映画批評家の児玉美月も「なんて毒々しく、浮世離れした美しさなのだろう!」、俳優・画家の片岡鶴太郎も「主人公の哀しさを見事に体現して居る主演ドゥニ・メノーシェが圧倒的で素晴らしい!」と賛辞を送っている。

苦い涙」は6月2日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。各界著名人のコメント全文は以下の通り。


【コメント一覧】 (五十音順・敬称略)

圧倒的に、2022年最高の映画!!
――ジョン・ウォーターズ (映画監督)

愛が人間を愚かにするのか、それとも愛が人間の愚かさを露呈させるのか。そこにうごめく激情が自分からさほど遠くないことに失望しながらのめり込む、見事な室内劇だ。
――奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

エゴイスティックな愛に翻弄され、心を掻き乱され、己を傷つけていく主人公の哀しさを見事に体現して居る主演ドゥニ・メノーシェが圧倒的で素晴らしい!
――片岡鶴太郎(俳優・画家)

ファスビンダーを召喚したらアルモドヴァルやグリーナウェイまで付いてきてしまい、「重冷苦劇」と「軽暖喜劇」、リーベとアムールの逆転をしっかり見せる痛快作。
ひょっとしたらコレ、オゾンの最高傑作じゃないの?
――菊地成孔(音楽家・文筆家)

身構えて観たが、笑った。ユーモラスだからこそ悲しい。
オリジナルのファスビンダー監督作ってこんなに面白かったっけかと思い、『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』をDVDで観直してみたら、意外にも場所と性別と職業以外、さほどシナリオ上の改変は無くて喫驚した。
演出と俳優による見事な戯画化に拍手。
――ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家・音楽家)

なんて毒々しく、浮世離れした美しさなのだろう!
フランソワ・オゾンという映画作家に一生ついていくと、決意を新たにした。
――児玉美月(映画批評家)

まるで「舞台」を観ているような臨場感。単純な分あまりに濃厚な演出。
登場人物がお互いを罵倒し合う壮絶な会話劇は精神的バイオレンス。
中毒性ある 85 分間の刺激に、オゾン監督の凄さを見た。
――齋藤薫(エッセイスト)

美醜が入り乱れる世界で、寡黙な助手の雄弁な瞳に惹かれた。
薄い身体に溜められた、苦い熱。放出の瞬間は涙より哀しい。
――SYO(物書き)

支配と従属、関係性の逆転、そして絶望と恍惚。演劇的世界で繰り広げられる中年男の大仰な愛の物語は愚かしく滑稽で、フランソワ・オゾンの色彩に溢れている。
――津田健次郎(声優)

悲劇なのか、喜劇なのか。純愛なのか、メロドラマなのか。美しいのか、グロテスクなのか。
そんな思いに翻弄されながら、「苦い涙」の持つ魅力にまんまとはまってしまった。
――野宮真貴(歌手・エッセイスト)

眩しい肉体と果てしない野心を持ってやってきた若い男に翻弄される中年の監督、今絶好調の監督オゾンが放つ、優しく、過酷な大人の愛のドラマ、見逃せない一作。
――村上香住子(作家・ジャーナリスト)

翻弄されることの愚かさをどうしようもなく見つめてしまう。プライド、欲望、壁、鏡、そして窓に閉じ込められた哀しき男のメロドラマ。
――ゆっきゅん(DIVA)

軽快に豪速展開する、おごる中年色ボケ騒動記。
ピリ辛ファスビンダー版と別物でオゾンらしい味付け!
――よしひろまさみち(映画ライター)

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