【第46回日本アカデミー賞】総合司会の羽鳥慎一、初司会に挑む有村架純に丸投げ宣言?「お任せします」と全幅の信頼

2023年2月18日 12:00


取材に応じた有村架純(右)と羽鳥慎一氏
取材に応じた有村架純(右)と羽鳥慎一氏

第46回日本アカデミー賞授賞式が、3月10日に開催される。総合司会を務めるのは、2020年から4年連続となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一と、22年に「花束みたいな恋をした」で最優秀主演女優賞を受賞し、初の司会に挑む有村架純。授賞式を前に、司会への意気込み、これまでの授賞式での忘れられない瞬間などについて、話を聞いた。

――今回、有村さんとコンビを組んで司会をご担当することになりました。

羽鳥:毎年のことですが、もうお任せします(笑)。と言うのも、やはり俳優さんが、俳優さんに質問するのは、我々のような立場の人間とは全然違うんですよ。同じ目線とでも言うのでしょうか。ですから、受賞者の皆さんへのインタビューはお任せして、こちらは“外側”をやりますので。有村さんはバラエティ力もありますし、当日は有村さん頼みですよ。

――早速「有村さん頼みです」という全幅の信頼を寄せる言葉が飛び出しましたが、有村さんご本人はどんなお気持ちですか?

有村:えっ、そんな(笑)。確かに司会を務めさせていただくことは1年前から決まってはいましたけど、当時は漠然とした思いで。ちょうど秋くらいから、映画賞が始まるじゃないですか。だんだん「あ~、日本アカデミー賞が近づいているんだな」と思うようになって。

羽鳥:やらなきゃいけないって気持ちですか?

有村:いえいえ、やらせていただくという気持ちです!

――近年、コロナ禍の影響で授賞式にもさまざまな影響がありましたが、今年はついに客席を100%稼働させた式典になる予定です。

羽鳥:初めて司会を務めた2020年(第43回)は急遽無観客になりましたし、その後も状況に合わせたスタイルで授賞式が行われてきました。そう思うと「通常の授賞式に、戻ってきたんだな」と思いますね。日本テレビのアナウンサー時代に、客席のインタビューを担当したことがあり、あの雰囲気も思い出しますね。一言でいうと「吐くくらい緊張する」ので(笑)。司会としてお客様が100%入った状態は初めてですから、ちょっと怖いかもしれません。

有村:私も先ほど100%のお話を聞いて、怖いなって。私がしゃべれば、皆さんの視線が向けられるわけです。慣れないですよ。

羽鳥:去年、あの長澤さん(第45回日本アカデミー賞授賞式の司会を務めた長澤まさみ)がかみまくって「どうしよう」って言ってましたからね。緊張しない方法? そんなのないです(笑)。画面から伝わっていないだけで、まあまあ緊張していますから。ですから、私の緊張で有村さんが引っ張られないようにしないといけないですね。

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――有村さんが出演した「月の満ち欠け」が優秀作品賞、優秀監督賞(廣木隆一監督)、優秀主演男優賞(大泉洋)、優秀助演男優賞(目黒蓮)をはじめ、9部門を受賞し、有村さんご本人も優秀助演女優賞に輝きました。

有村:廣木さんには「育てていただいた」感覚があります。(俳優業について)何もわからなかった20代前半の頃からご一緒していて、今回は(「ストロボ・エッジ」「夏美のホタル」に続き)3度目のお仕事。ずっと成長を見守ってくださった監督、それに大泉さんや目黒さんと晴れやかな場で、時間を共有できるのが何よりうれしいです。大泉さんは年々、ぼやきが増えている気がしますけど(笑)。

――主演男優賞には大泉さんをはじめ、阿部サダヲさん(「死刑にいたる病」)、妻夫木聡さん(「ある男」)、二宮和也さん(「ラーゲリより愛を込めて」)、松坂桃李さん(「流浪の月」)という個性あふれる実力派が勢ぞろいしています。

羽鳥:楽しくなりそうですよね。大泉さんに阿部さん、それにニノもいるし、妻夫木さんと桃李さんですから、ここは有村さんを巻き込んで楽しいクロストークに期待しています。俳優さん同士の一体感は、そばで見ていても最高ですから。

――改めて、有村さんにとって、昨年の最優秀主演女優賞受賞はどのような出来事になりましたか?

有村:もちろん、賞のためにお芝居をしているわけではないですし、作品に臨む気持ちに変わりはありませんが、それでも「あの作品、良かったよ」って言われると、作品が誰かの心に届いたんだなと思えて、モチベーションになるのは確かなので、そういう意味では(受賞に)背中を押され、改めて感謝した1年でした。

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――羽鳥さんは、受賞者の喜びを間近で体感しているわけですね。

羽鳥:はい。日本アカデミー賞は1年を締めくくる映画業界の“お祭り”ではあるんですが、やはり、受賞者の皆さんが重みのスピーチをなさるので、そのたびグッときています。

有村;去年は菅田くん(「花束みたいな恋をした」の菅田将暉)、太賀くん(「すばらしき世界」の仲野太賀)、磯村くん(「ヤクザと家族 The Family」「劇場版 きのう何食べた?」の磯村勇斗)が一緒だったので、それも思い出深いです。みんな同い年ですし、菅田くん、太賀くんとはドラマ「コントが始まる」、磯村くんとは朝ドラで一緒でした。そういう仲間たちに見守られながら「おめでとう」「自分もうれしい」と喜んでもらえたことが幸せでしたね。

――最後に授賞式当日への意気込みとともに、何か準備なさっていることがあれば、教えてください。

羽鳥:先ほども言いましたけど、もう有村さんにお任せです。アドバイスですか? ないです! でも、お願いはあって、同じ俳優目線で自由に盛り上げてもらえると。私自身は、優秀賞を受賞した作品はそれぞれ4~5回は見るようにしているんです。そうしないと皆さんの感覚に追いつけないですからね。

有村:時間が限られた中なので、質問したいことは事前に箇条書きして用意したいと思っています。カンペじゃないですけど、やはり司会は不慣れですから。それに性格上、“ちゃきちゃき”進行できる自信がないので、穏やかに会場を柔らかくできればいいなと思っています。

羽鳥:穏やかに柔らかく……。それはもう、確実にそうなると思いますよ! 個人的には優秀外国作品賞の「トップガン マーヴェリック」にも注目しています。ちょうど突き刺さる世代なので。

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