「MEN 同じ顔の男たち」監督が緊急来日 映画作りのこだわりを明かす「消化しやすい映画には興味がない」

2022年11月30日 19:00


アレックス・ガーランド監督
アレックス・ガーランド監督

エクス・マキナ」で知られるアレックス・ガーランド監督が来日し、11月29日に都内で行われた最新作「MEN 同じ顔の男たち」の舞台挨拶に登壇。プライベートでも来日経験のあるガーランド監督が、日本の印象や本作の魅力を語った。

夫の死を目の前で目撃してしまったハーパー(ジェシー・バックリー)は、心の傷を癒すため、イギリスの田舎街を訪れる。そこで待っていたのは、豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリー(ロリー・キニア)。ハーパーが街へ出かけると少年、牧師、そして警察官など出会う男たちが、管理人のジェフリーと全く同じ顔であることに気づく。

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上映後に登壇したガーランド監督は「非常に変な、奇妙な体験だったかと思いますが、耐え忍んでいただき誠にありがとうございます(笑)」と冗談交じりに挨拶し、会場の笑いを誘った。

MCから日本の好きなところを聞かれると「創造力溢れる日本の文化には目を見張るばかりで、唯一無二だと思っている。そして日本といえば連想するのは“匠”。絵画や陶芸、アニメーション、もちろん映画にしても匠を感じさせる国だなと思う」と話す。また、ガーランド監督の父親は漫画家で、自身は漫画本に囲まれて育ったと明かし、「日本の漫画は他の国にはない文化を有している、そしてある一定の質を担保しているユニークな国だなと思う」と印象を明かす。

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本作については「答えを全部与えてくれるような消化しやすい映画には興味がなく、いつも問いを投げかけるつもりで映画作りをしており、観客の皆さんにその謎解きに参加してもらいたい、という気持ちで制作している」と告白。「主人公は同じ顔の男に気がついている素振りをしないが、男はみんな同じで、気がついていないのか。あるいは男はみんな同じではないが、主人公から見ると同じ様に見えるのか。似ているようで実は全く異なるように、どういうアングルから問いをたてるかで全く変わってくる」と解説した。

ガーランド監督の大ファンという男性から、作品に必ず美しい自然を取り入れる理由を聞かれると「人が映画を作るときには2つのアプローチの仕方があり、例えば昔大好きだった作品の物語を繰り返し語っていくフィルムメーカー、そして一方は世の中で起こっていることにひたすら反応し、そのリアクションを映画作りに反映していく手法があり、僕は後者だ」とコメント。「単純に自然が大好きだし、生活の一部。それがたまたま作品に反映されている。僕の映画はシュールリアリズム的な側面があり、現実や生活に即していないと思うかもしれないが、実際は現実世界の方がどんなシュールリアリズム映画よりも奇妙。その奇妙さをベストに描きたいと思っている」と補足した。

MEN 同じ顔の男たち」は、12月9日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。R15+指定。

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