【第93回アカデミー賞】「ノマドランド」フランシス・マクドーマンド、3度目の主演女優賞受賞！

2021年4月26日 12:12

第93回アカデミー賞の授賞式が4月25日（現地時間）、米ロサンゼルスで開催され、「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。自身3度目のノミネートとなる同賞で、3度目の栄光に輝いた。

自身にとって3つ目のオスカー像を手にしたマクドーマンドは、「ここにカラオケ・バーを設けるべきですね。おれは言葉では言わぬ、おれの声はすなわち剣（「マクベス」のマクダフのセリフから引用）、ということです。その剣とは仕事であり、私は仕事が好きなのです。それを理解してくださること、そしてこの賞を下さったことに感謝します」と長年のキャリアを感じさせる力強いスピーチを行った。

アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービー。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド　漂流する高齢労働者たち」を原作に、「ザ・ライダー」で高く評価された新鋭クロエ・ジャオがメガホンをとった。マクドーマンドは、リーマンショックによる企業倒産の影響で家を失い、“現代のノマド（遊牧民）”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送る女性ファーンを演じた。同作は第77回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、第45回トロント国際映画祭の観客賞、第78回ゴールデングローブ賞の作品賞と監督賞を獲得した。

米シカゴで生まれ、ピッツバーグで育ったマクドーマンドは、ベサニー・カレッジで演劇の学位、イェール大学で美術学修士号を取得し、卒業後に舞台女優として活動を始めた。1984年にコーエン兄弟の「ブラッド・シンプル」で映画デビュー。「ミシシッピー・バーニング」（1988）でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされ、コーエン兄弟の「ファーゴ」（96）でアカデミー主演女優賞を初受賞。「あの頃ペニー・レインと」（2000）、「スタンドアップ」（05）でも同助演女優賞にノミネートされ、「スリー・ビルボード」で再び同主演女優賞に輝いた。「ノマドランド」では、全米映画批評家協会賞、英国アカデミー（BAFTA）賞などを獲得。作品賞や監督賞を含む6部門ノミネートを果たした第93回アカデミー賞でオスカー像を手にし、有終の美を飾った。