悪役“トリオ”小沢仁志×山口祥行×本宮泰風が「ブラック・スキャンダル」悪の美学を語る

2016年1月22日 07:30


悪役俳優“三英傑”が集合!
悪役俳優“三英傑”が集合!

[映画.com ニュース] ジョニー・デップベネディクト・カンバーバッチジョエル・エドガートンの共演作「ブラック・スキャンダル」の特別試写会が1月21日、都内で行われ、様々な悪役を演じ分ける俳優の小沢仁志山口祥行本宮泰風が登壇し、映画の魅力や悪役の美学を語った。

映画は、米ボストンで活動していたギャングのバルジャー(デップ)が、幼なじみでFBI捜査官のジョン・コノリー(エドガートン)と秘密裏に協定を結び、裏社会でのし上がっていくさまを描く。米国を震かんさせた一大スキャンダルを題材にした“実録もの”とあって「実録といえば、俺たち(だろ)?」(小沢)と自信たっぷり。映画監督としても活躍する小沢は、「久々に骨太なギャング映画を見た。同じ役者として、こいつら気持ちいいだろうなと思ったね。ひりひりした芝居が緊張感を保っていて、心地よい。生っぽいアクションや銃撃は(自分の監督作にも)取り入れたい」とクリエイター目線で語った。

「ヒューマニズムが垣間見えるところが印象深い。ジョニー・デップ(の演技)が今までの役と違っていて、クールな怖さを感じる」と語ったのは、山口。そして、「寡黙なのに雰囲気がある。弟なのに、兄と線を引いている」とバルジャーの弟であり政治家のビリーを演じたカンバーバッチにひかれたと明かした。

犯罪王になりきったデップの狂気の演技が話題をさらっているが、小沢は「ジョニー・デップは悪役を演じているつもりはないと思う」と考察。「悪」と「悪役」の違いについて持論を展開し「1人のダークな人間を演じるのが“悪”で、“悪役”はエンタメ作品の敵役。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のスーパーマンみたいにね」と語った。そんな小沢は悪役の“美学”を「観客が嫌がることをどれだけやれるか。『早く死んでくれ』と思われると気持ちがいい」と語り、本宮らをうならせていた。

その出で立ちから“顔面凶器”の異名を持つ小沢は、「歌舞伎町を500メートル歩いたら職質される。税関にもよく引っかかるから、最近はクリスチャンのふりをしている。ロザリオをつけていると通してもらえる」と苦労話を披露。山口の犬の散歩を買って出たり、2人をディズニーランドに連れて行き自らポップコーンの列に並ぶなど、“いい人”エピソードは数多いが「2人で犬のえさを買いに行った時も、職質をかけられていた」(山口)、「撮影中に包丁を持った小沢さんのファンが現場に侵入した」(本宮)など、話題に事欠かなかった。

ブラック・スキャンダル」は、1月30日から全国公開。

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