“篤姫”宮崎あおい、タイでも虫に愛される!「闇の子供たち」初日

2008年8月4日 12:00


重いテーマだが、目を背けないで
重いテーマだが、目を背けないで

[映画.com ニュース] 「KT」「亡国のイージス」の阪本順治監督が、「血と骨」「月はどっちに出ている」などの原作者である梁石日の同名小説を原作に、タイの闇社会に横行する幼児売買春や人身売買の実態を描いた衝撃作「闇の子供たち」が、8月2日に初日を迎え、東京・渋谷のシネマライズにて、主演の江口洋介をはじめ、宮崎あおい佐藤浩市阪本順治監督が舞台挨拶を行った。

本作は、臓器密売について取材を開始したタイ駐在の新聞記者・南部(江口)が、NGO職員の音羽(宮崎)やフリーカメラマンの与田(妻夫木聡)と調査を進めるうちに、タイの子供たちが晒されている悲惨な現実を突きつけられるという社会派ストーリー。

映画のショッキングな内容を受けて見終えたばかりの観客たちに重たいムードが漂うなか登場した江口は、「映画を見た皆さんの心境と同じように、僕も最初に原作を読んだ時は思わずテーブルの上に引き離しておきたくなりました。2、3回読み返してやっと監督に会ってみようと思えて、その瞬間から“もう(この作品から)逃げられないな”と思いました」と出演を決意するまでのいきさつを話した。

また、阪本監督は「テーマのままに重苦しい空気の現場で、宮崎さんが立ったり座ったりするたびに『よいしょ』と言うのですが、スタッフや他のキャスト陣に対してのかけ声のように聞こえて救われました」と宮崎の無意識の行動に癒されたことを明かした。一方の宮崎は「(ボランティアの役で)タイの子供たちと一緒に絵を描いたり、日本語を教えたりタイ語を教わったりして楽しい撮影でした」と撮影時を振り返ったが、最も苦労したのはホテルや現場で、虫が異様に多かったことだったようだ。「撮影が終えてホテルの部屋に戻ると必ず虫が待っていたんです! 撮影中もタイ語のセリフを喋っていると、(私の)横で虫がゴソゴソ動いているのが見えて……滅多にない体験をさせてもらいました(笑)」

最後に阪本監督は「贅沢なキャストが揃っていますが、昨今の日本映画の流行に乗った映画ではないので、気に入っていただけたら応援してほしい」と観客に呼びかけて挨拶をしめくくった。

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