「わざわざ転んでみたけれど」青春ジャック 止められるか、俺たちを2 ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0わざわざ転んでみたけれど

2024年4月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

舞台は80年代なのだがテイストは70年代っぽく(画面奥でミニバンが走ってたりするけど)、久しぶりにストレートな昭和感のある青春映画を観た!という気分。

井浦新演じる若松孝二の発言や言動の統一感のなさ、パワハラっぷりがめちゃくちゃ笑えたのだが、本作のメインは、若松組に入ったものの自らの才能のなさに悩む井上淳一監督本人の話。劇中で「誰でも一生に1本は傑作を撮れる、それは自分を描くこと」と言ったという新藤兼人の言葉が引かれるが、監督としてパッとしなかった井上の自虐を思わせ、ちょっと泣けた。

河合塾がビリギャルみたいなプロモ映画を作っていたことに驚いたが、赤塚不二夫や休刊まで愛読したウワシンの岡留編集長らと交流もあったというのがおもしろい。芋生悠の在日設定は、社会派なネタ入れときました以上のものがなかったように思うけど、そーいや在日外国人の指紋押捺問題ってあったなーと当時を回顧。

やっぱ人間が人間をぶっ殺すような映画が観たいんだよね。

ジョンスペ