劇場公開日 2023年9月22日

  • 予告編を見る

「リチャード三世の遺骨を発見した「主婦」によるドキュメンタリー」ロスト・キング 500年越しの運命 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0リチャード三世の遺骨を発見した「主婦」によるドキュメンタリー

2024年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

ロスト・キング 500年越しの運命
神戸新開地にあるパルシネマしんこうえんにて鑑賞 2024年1月22日

フィリッパ・ラングレーが2012年にリチャード三世の遺骨を発見した実際の出来事を基にしたヒューマンドラマ。

二人の息子の母であるフィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は職場で上司に理不尽な評価を受けているが、
別居中の夫ジョン(スティーヴ・クーガン)からは生活費のために仕事を続けるよう促され、苦悩の日々を過ごしていた。

ある日、息子の付き添いでシェイクスピアの『リチャード三世』を観劇したことで、彼女の人生は一変する。シェイクスピアの史劇により冷酷非情な王として名高いリチャード三世。しかし本当にそうなのかと疑問を抱くようになり、真の姿を明かそうと遺骨探しをやっていく。

フィリッパは「情報を集めようとしたとき、資料が散り散りになってしまっていると知ったわ。調べていくうちに、リチャード三世がレスターにある今は大聖堂となった聖マーティン教会の向かい側に埋葬されている可能性に辿り着いた。そこで私は直感的な体験をした。何かが足を伝って上がってくるような感じで、だんだんと強烈さを増して、気を失いそうになった。なぜかリチャード三世のお墓の上を歩いているような感覚になり、足元を見ると予約専用駐車スペースの舗装に英語の“R”の文字が目に入ってきたの」。

実際に発掘となるとお金がかかるが、クラウドファンディングで大成功となった。

リチャード三世の亡霊が現れて フィリッパと寄り添いながら話はすすんでいく。
このあたりにある「リチャード三世の亡霊」のやさしさが印象的でした。

実際に遺骨は発見された。検査の結果、2013年2月4日レスター大学によって「リチャード三世」であると特定された。

すばらしい作品で感動しました。

大岸弦