SISU シス 不死身の男のレビュー・感想・評価
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話は単純 見せ方が新しい
ランボーやジョン・ウィッグと話の骨格は同じ。
冒頭主人公のことを「殺しのスペシャリスト」と知らずに、よせばいいのに敵役がちょっかいを出して、主人公の逆鱗に触れやられてしまうお話。
とはいえ、見せ方は上記2作とは差別化を図っている。
ランボーは「泥臭い・悲壮感漂う重たい」イメージ
ジョン・ウィッグは「都会的でファッショナブル」なイメージ
それを踏まえて本作品は「泥臭いけど、ロックで弾けてる」イメージです。
主人公コルピは爺なんだけど、それ故に「見た目から漂う強さ」ではなく、「決して諦めない」不屈の闘志のにじみ出る様がとても良い。
そして強さだけではなく「異常さ」も素晴しい。一人きりで金の発掘を行う、軍が制御出来ずに「好きなようにロシアと闘え」と放置する(笑)、多少の傷など意に介さない、殺しに一切ためらい無し、など、あまりに諦めない異常さはむしろホラーテイストとなり、敵のドイツ軍人がコルピに対して恐れおののく様子まで描いているのが良い。
そして主人公なのに会話をしない。劇中はうめき声くらい。ようやっとラストシーンで台詞を話してエンディングという演出も、コルピのキャラクターを際立たせる素晴しい演出ですね。台詞の内容も含めロックなんだよなぁ♪
流れているハードロックサウンドのBGMがより一層興奮を掻立てる。
ロックなサウンドにのって、解像度の高い映像やカット割り、アングルなどが現代の映画として格好良さに拍車をかけている。
短いチャプター分割で物語が進んでいく演出もテンポが良い。
最後に物語の舞台設定が「戦時中のフィンランドの荒野」なので、警察や法律に全く縛られない実に巧妙な設定なので、余計な介入がなくコルピvsドイツ軍のバトルに集中出来るのだ。ランボーだと法律や軍規が皆殺しを抑止し、ジョン・ウィッグだとコンチネンタルのルールが良くも悪くも登場人物達にプレッシャーをかけているが、この映画の舞台では抑止力が皆無である。ひとつくらい突き抜けた設定があっても良いと思う。
ただ唯一個人的残念ポイントは「ドイツ軍にはドイツ語で会話させようよ」と。それだけがちょっと興ざめです。
が、頭空っぽにして爽快に悪い奴らをやっつけていくストーリーはいいですよぉ♪
無礼をお許し下さい。
多大な金塊を手にした老兵が、見渡す限り何もない平原で、ナチス・ドイツ軍とすれ違う時に、この老兵の悲劇が始まります。
いいえ、ナチス・ドイツ軍にとっての悲劇が始まります。ナチスは知らなかったのです。
「彼が、フィンランドに侵攻してきた何百人ものロシア兵を一人で殺した伝説の人物である事を。」
ナチスは1台の戦車と20名程の兵士からなる
一個小隊であり、初め、この老兵をナメテかかります。後に、彼がフィンランドの特殊部隊に所属していた”モンスター“である事を知らされますが、小隊の指揮官は金塊にこだわり、彼を追い続けます。
銃弾を浴びせられても、砲撃を受けても、首を吊られても….
この伝説の老兵は、自分の持っている、あらん限りの知識と技術を使い、ナチスを倒し、窮地を脱し、逆に小隊を追い詰めるのですが、ドイツ兵と捕虜にされた女性の会話が目を惹きます。
女性:中略、”You’ll see what happens when you thieve everything from him. He won’t give up. He’s just coming back “
独兵:”Do you believe he is immortal ?”
女性:” No,he just refuses to die. 中略、This is not about who is the strongest. This is about not giving up, and he won’t. Ever.”
そう、彼は不死身ではなく、生きる事を決して諦めない軍神だったのです。
金塊、不死身、戦闘脳力‼︎ 何処かで同じ様な言葉を聞いたことがありませんか?
「俺は不死身の杉本だ!」
戦場は違っていても、ゴールデン・カムイにインプレッションを受けた人なら同じレベルのスリルを味わえますよ。
アクション、ストーリー展開、その他….ジェットコースターに乗ったごとく一気に楽しめます。
いや、「楽しめます。」は、戦争・被害者の方に失礼な言葉でした。 すみません。
敬具
MADMAX meetsジョン・ウィック
とても面白かった。
台詞は少ないけど
顔の表情で怒りと悲しみが伝わって来る。
特に反撃する前に顔面にアップする演出とかは
「かませ!」と鳥肌が立ちました。
絶対無理だろ!って言う状況を作り、
そこを打破していく展開は興奮しました。
第二次世界大戦でマッドマックスとジョンウィックが
出会ったら、と言うストーリー展開は
スカッとするし嫌いな人はいないと思う。
強い女性たちも熱かった。
ボロボロになりながら不利な状況をあきらめない姿、
ツルハシを背負ったビジュアルは
とてもカッコよかった。
人生を愛しているからこその…
他にもそう思った方は多いようですが、サクッとまとめるならフィンランド版ランボー的な。第二次世界大戦終盤、フィンランドからノルウェーへ逃亡を計るナチスの残党と、フィンランド人の老人との金塊を巡っての死闘が繰り広げられる。そのフィンランド人はは愛犬と愛馬だけを連れに砂金採りをしている、ただの老人にしか見えないが、実はロシア軍からも恐れられた、特殊部隊の伝説と呼ばれたとんでもない男だったわけです。
ストーリーは単純で、主人公・アアタミの持つ金塊を奪おうとするナチスが彼を追い、アアタミの反撃で兵を失いながらも金塊を奪う。そして今度はアアタミが金塊奪還のためナチスを追う。アアタミの執念と強靭さ、サバイバル力、生命力というよりは絶対死なない力(笑)がまあ凄まじい。
アアタミもかなりな悲惨な目に遭うし、ナチスは彼に殺されまくるので暴力描写や痛み描写はけっこうなものだけど、どこかからっとしていてあまり陰惨には感じない。何より、アアタミが、戦争で家族を喪った辛い過去から復讐の鬼のような男だったらしいのに、それでも人生を捨ててないように見えるのがナイス。だって自暴自棄になっていたら金塊奪還に執着しなかろうし、愛馬や愛犬への細やかな愛情も持ちえなかったと思うから。この先もまだまだ生き続けて、辛かった人生から負債を取り立ててやるんだ!という気迫が感じられたのが良き。
ラップランドの、荒寥かつ美しい大地が映像的に好みだったし、ナチスの捕虜になっていたフィンランドのお姉さんたちの反撃も痛快で、楽しく観ました。
究極の根性論
アマプラで鑑賞。
第二次世界大戦末期、フィンランドの高原で金掘りの老人が遭遇したナチスの残党を皆殺しにするだけの映画。
ほぼ90分と近年ではかなり短い作品ながら、章立てで見せることでテンポ感よく、かつ、絶体絶命の状況から主人公どう生き残るかという一点だけで最後まで見せていく。
とはいえ「いやいや、そうはならんやろー」という斜め上の手段の数々に理屈はなく、ナイフで頭を貫通。地雷を投げつける。鍋を盾に銃撃を避ける。などなど、結局全て根性論で状況を打破していく爺さんの魅力に心が鷲掴みにされる。
個人的には、「映画ってこのくらいで十分なんだよな」と満足の一作だった。
見応え十分です
珍しいフィンランドの映画です。
不死身の男のタイトルどおり不死身です。
強い男はやっぱりカッコいいです。
ナチスなんて血祭りです。
寒々とした平原が舞台です。
結構グロいシーンもあるんです。
終盤は突拍子もないことを平気でやるんです。
91分と短めの映画ですが見応え十分です。
不死身すぎるて😅
寡黙過ぎる老人の男性が主役。
砂金を集めては、見つけて吠える🤣序盤から、ただモノではない人物がプンプンします。
戦争真っ只中で対ナチス。
たまたま道で、遭遇した事からアクション、バトルに突入します☠️
犬🐕襲われて、持っていた金塊を取られた事から、怒り💢のスイッチが発動するストーリー。
いや、絶対的に死ぬよねーって場面は多すぎますが、どんな感じで復讐していくのか?見応えは、ありましたね。
あまりにも何も無い世界観で、いや絶対にナチス側の兵士がヘボ過ぎて絶対にやれるでしょってツッコミどころ満載でしたが、ラストはなんか痛快に終わるので楽しかったですね👍
ストイックな決意と粘り強さ
タイトルのsisuとはストイックな決意と粘り強さをあらわすフィンランドの概念──だそうだ。
1944年の9月から1945年の4月にかけてフィンランド、ドイツ間でラップランド戦争というのがあった。
映画の舞台はそこだが前線から離れたところで初老の男が愛馬とテリアを連れて金鉱脈をさがしている。
ラップランドは花崗岩などがごつごつした荒蕪な丘陵や平野で構成され、じっさいゴールドラッシュがあった場所だそうだ。
男は大金脈を掘り当てるが帰途でドイツ軍に遭ってしまう。
第二次大戦末期にやけになったナチスが小隊ごと無頼漢になって人品をかすめとったり婦女を暴行したという話があるがここに出てくるのもそういう落武者化した連中だった。
すでに前線に戻る気はなく慰み用に拐かした(かどわかした)女たちを連れてあてどなく徘徊していたところへ金塊をもったじいさんがまろび出てきたのでこいつはカモネギだとばかりにいただこうとする。
ところがそのじいさんはソ連軍に家族をころされ復讐鬼となりやがて敵からイモータルと呼ばれるようになった伝説の老兵コルピ(Jorma Tommila)であった。
コルピはヴァイオレットエヴァーガーデンばりにファンタジーな男で、なんしろ弾があたんない。地雷をふんでもしなない。水中でもだいじょうぶ。吊ってもしなない。墜落してもしなない。──という感じでドイツ軍の残党をことごとく翻弄する。
その戦闘描写が映画のメインになっており、ナチス愚連隊の卑劣さやごろつき感を強調しつつ、かれらを挫く一騎当千の活躍がランボーのようにピンチとチャンスを経由しながら活写されていく。
じっさいに監督のJalmari Helanderはインスピレーション元としてランボー(1982)とフィンランドに実在した伝説のスナイパー、シモ・ヘイヘを挙げていて、食い気味のアクション描写によってアドレナリンが分泌するし、全編英語も手伝って「フィンランド映画」という感じはなく、米韓のように完成されたエンタメに仕上がっていた。
ただしファンタジーエンタメとは言っても映画sisuにはドイツやソ連といった列強からつねに足蹴にされてきた小国フィンランドの遺恨がこもっていた。(ように思う。)
ドイツ軍を全員憎々しく、むさ苦しい外観の者たちで揃え、観衆の敵愾心を煽り、結果みなごろしが痛快さにつながっていた。
ゲーム的といえるこの昂揚には、メタルギアシリーズやデスストランディングのデザイナー小島秀夫が反応したそうだ。
『2023年8月1日、ゲームソフト「メタルギア」シリーズで知られる日本のゲームデザイナー、小島秀夫監督がツイッターにメッセージを投稿し「シス」を高く評価して「これはもはや戦争映画ではない。恐ろしくかっこいい男たちの戦いを描いたMADグラインドだ。不死身のおっさんのランボーを凌駕する戦いのアイデアの数々!」と絶賛した。なおメッセージの最後に、小島監督はこの映画の主人公のゲームを作ることに興味を示した。』
(wikipedia、sisu(film)より)
imdb6.9、RottenTomatoes94%と88%。
余談だが、このキャラクターのモデルになったシモ・ヘイヘは少なく見積もった公式カウントでさえ500人超の敵兵を殺害した狙撃兵だが、本作で主人公を演じたJorma Tommilaの屈強で苦み走った感じとは異なり、虫も殺さないような柔和な顔をしていた。
『ヘイヘは戦時中の功績を決して自慢しない控えめな人として知られていた。彼は戦争や自身の体験についてほとんど語らなかった。1998年にどうやってそんなに優れた狙撃兵になれたのかと尋ねられたとき、彼はただ「練習」と答えた。96歳の誕生日直前の2001年12月、ヘルシンギン・サノマット紙による独立記念日のインタビューで、ヘイヘは自身の戦争体験について語った。彼は、これほど多くの人を殺害したことを後悔しているかどうか尋ねられた。彼は「私はできる限り、言われたことをやりました。やらなければ、フィンランドは存在しなかったでしょう。」と答えました。』
(wikipedia、Simo Häyhäより)
辺境の地ラップランドに立つ孤高の戦士
2022年。フィンランド。
甘さのない戦士、それも年老いて皺だらけの痩せた爺さん。
ジジイの戦闘スキルは凄まじい。
死ぬもんか!!
罰を与えてナチスは皆殺し!!
その殺意はブレない。
殺して殺して殺しまくる。
決して自分は死なない。
不死身。
荒涼としたラップランドの地。
金塊を掘り当てたアアタミは馬に乗り犬をお供に両替所に向かう。
金塊を狙うナチスの兵士たち。
どれ程の砲弾を浴びせられようとも、爺さんは対抗する手段を持つ。
地雷には地雷で!!
素手には素手で。
驚くことに戦いは「陸」「海」「空」と続くのだ。
たかがジジイひとりにナチス兵100人。
ランボーの精神の後継者。
ランボーは一人軍隊。
ジジイも一人軍隊。
不死身のジジイに、
犬のウッコが可愛いかった。
決めたら最強!
決めたら死なない、とはいいつつケガはするし痛そうだけど、地雷原で馬が爆発しても吊るされても飛行機が泥沼に落ちても、俺は決めたから死なないんじゃー!の復活がもはや爽快。
敵もレディースも強くて良かった。
あと犬死ななくてよかったね。
ヤツは何故死なないのか!?それは死なないと決めたからさ!自分もそうありたいものです。
最強オヤジ!気合いだ!!
病み上がりに観たせいかオヤジの孤軍奮闘ぶりに元気をもらいました。
敵役の描き方がイマイチ。もう少し人となりが分かるようなエピソードを入れてもよかったのでは?でもどうせ皆殺しにされてしまうのでヘンに感情移入しなくて良かったのかも?
ワンちゃんや女性の捕虜もいいアジ出していました。
続編として前日譚の対ソ連編も是非製作希望!
公式HPで、RRRに対するフィンランドからの回答、というコピーがあったけど、それとはまた違うでしょ、と思いました。
特殊な部分はあるが推すことは可能な作品。
今年398本目(合計1,048本目/今月(2023年11月度)30本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
10月末の作品でしたが実は拾い忘れで今日見てきました。
フィンランドが舞台の映画というのも珍しい気がします。フィンランドどころか、スウェーデンやノルウェーが舞台の映画も珍しい気がします(広く見ても「ロスバンド」くらいしか思い浮かばない)。
多くの方が書かれている通りやや特殊なストーリーの映画で、主人公にせよ敵にせよのセリフが極端に少なく(あるいは出るとしても「やってしまえ」とかそんなセリフしかない)、字幕の出ないバグ映画なのか?とすら思えてしまう点はあろうかなというところです。またそういった事情からストーリー展開もかなりわかりやすく(巻き戻し処理等はほぼ存在しない)、一応推せるかなといった感じではあるものの、この「セリフのなさ」は結構特徴的で(もっとも仮に出てきたとしてもフィンランド語なので字幕翻訳も苦労しそうですが…)、「この点で」人を選ぶのかな、といったところです。
ただそのことは「あまり考えることもなく映像「だけ」を見ていればストーリーが理解できる」ことも意味しますので、同時に利点でも欠点でもあるということもでき、極端には引けないだろう、といったところです。
現地フィンランドやノルウェーほかのこの手の国はこういった映画がある意味流行りなのかな…と思ったくらいです(当然こういう事情なのでパンフ等まるで存在しない一方、同じ北欧系の映画の「ロスバンド」は音楽バンド映画でセリフ量は結構多かったので、何が相場かはわかりにくい)。
積極的な減点幅まで見出しにくいのでフルスコアにしています。
ただ何にせよ「ある程度人を選ぶかな」というのは重ねて書いておきます(ジャンルがわりかし何なのかもよくわからないのも…。まぁしいていえばアクション?)。
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