劇場公開日 2023年12月15日

枯れ葉のレビュー・感想・評価

全151件中、121~140件目を表示

3.0俄かに現れた「運命」を感じさせる異性

2023年12月24日
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鑑賞方法:映画館

フィンランド映画。Filmarksで「映画製作国」で検索してみると上位はほぼアキ・カウリスマキ監督作品。私自身も鑑賞済みはほぼ同監督作品です。とは言え、きちんと映画館で観たことがあるのは17年公開の『希望のかなた』だけ。当時の私は今ほど多くの映画を観ていなかったことと、その年も12月の公開で疲れも相まって、その地味な作品性に眠気との戦いながら観ていたことが思い出されます。そしてその後、コツコツと配信サービスなどでカウリスマキ監督作品を観進めていくうちに、作品を通して見えるフィンランド人の内に秘めた感情と、時折見せる味わい深いユーモアを感じ取れるようになりました。
本作『枯れ葉』についても映画館で予告編を見て気にはしていたものの、ここ最近の仕事の忙しさにかまけて「映画館じゃなくても…」と候補からは外していたのですが、全く無視することも出来ずに映画レビューサイトを確認すると思いのほか高評価。
昨日(23日・土曜)はうずうずとしながらも、朝、不意に入った海外からのチャット。先週後半に引っかかった案件に対する内容だし、月曜はクリスマスだし、ついつい返信したり関係者へ転送したりしているうちに午前中回に間に合わずで断念。したものの、さすがに本日日曜は予定がなかったので、意を決して(重い腰を上げて?)角川シネマ有楽町へ参戦です。公開館数の少なさもありますが、まぁまぁの客入りでした。
いつもの如く長い前置きになっていますが、
結論から言うと、悪くない、が観る人は選ぶかもしれません。若い方にはちょっと解りにくい「共感」こそがこの作品、ひいてはカウリスマキ監督作品の醍醐味なのかな、と。(わかった風なことを言っていますがw)
本作、81分と長編映画としては短い尺ですが、そもそも大きな展開はありません。「あるとき二人の男女が出会い、意識しあい、度々すれ違うようになってついに声をかけ、そして…」という、言ってしまえば在り来たりな話です。こう書いてしまうと「じゃぁ退屈なのか」と思われそうですが、いやいや、やはり味わい深い。
特に、50過ぎで独り身の私からしたら、これくらい微炭酸程度の刺激だからこそ心地よく、何気なく自分を重ねて顧みてしまいます。そしてまた、映画の中のミニマルな生活に「ないものねだり」とわかってながらも妙に惹かれてしまう感じもあります。低賃金でやりたくもない仕事を、ただただ生活のためと毎日通い、にもかかわらず理不尽を受ける。また、ラジオをつければ隣国ロシアによるウクライナ侵攻で多くの一般人の死を報じるニュースばかりが続く。くさくさするけど大した娯楽もないから飲みに行く。そんなとき、俄かに「運命」を感じさせる異性が現れたら、そりゃ歳相応にではあっても「浮つく気持ち」は痛いほど伝わってきます。
ただ、こんな風に書くと否定的に聞こえるかもしれませんが、私にとってはカウリスマキ監督作品はむしろ「配信」で観た方がしっくりくるのかもしれません。なんだか、家で一人でヘッドフォンして観ている方が、作品の登場人物たちに近づけてる気がするのです。お解りとは思いますが、あくまで個人的な意見。ただ、久しぶりに「こんな恋、素敵だな」と素直に感じたという「正直な感想」も書き添えて終わりします。

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TWDera

5.0海外版 小津安二郎かぁ〜

2023年12月24日
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鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

お国柄なシチュエーションに映像美、ハマります。判りやすい勘どころがイイ感じ。名曲に、この映像、時代に逆行か?其の国での平凡か?劇場での現地ツアーの勧誘チラシからして、憧れて訪れたい上手もいるのか?

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たかなな

5.0ゾンビ

2023年12月23日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

警官があんなゾンビの大群に勝てるわけないじゃない、というところは思いっきり笑ってしまった。

色使いがすごいきれい。
入れてる曲が、歌詞がストーリーや心情に合っているのをチョイスしているので、音楽もまた作品に良い彩りを与えている。

こういうほっこりなハッピーエンドは、気分が上がる。

20231223 角川シネマ有楽町

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デビット・ボーイ

4.5

2023年12月23日
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鑑賞方法:映画館

アキ・カウリスマキ最新作

地味ながら所々笑える作りのカウリスマキ作品

前作「希望のかなた」は不本意ながら寝落ちしてしまったので(決してつまらなかった訳ではなく)今回は体調バッチリで💨

途中から出てくる犬が可愛い❤

暮れのこの時期に観るのにベストな、こんな俺たちだけど幸せになりたい映画❗

最後にカウリスマキを最近までカウリマスキと勘違いしていたことも追記しておこう オワリ!

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うんこたれぞう

3.0チャイコフスキーの悲愴と画面がリンク

2023年12月23日
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鑑賞方法:映画館

フィンランドの名も財産も名誉もない独身の中年男女がひょんなことから出会い、色々なトラブルに巻き込まれながらも最後はまあよかったんじゃないのかなで終わる。ウクライナ紛争のラジオニュース(テレビじゃない)が流れるから2022~23年が舞台なのだが、色合いがまるで1980年代だ。病院のシーンも70年代の病室かと思うくらい。所々で劇場内に笑いが起こっていたが、笑い声をあげるほどでもないなあと思った。

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M.Ooi

5.0アキ・カウリスマキ監督、最高のラブストーリー

2023年12月23日
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鑑賞方法:映画館

渋谷ユーロスペースにて鑑賞🎥

アキ・カウリスマキ監督が引退宣言撤回して作った本作、さえない男とさびしい女を通して描いた最高のラブストーリー✨

ヘルシンキのスーパーで働いていた女性アンサは理不尽な理由でクビになり、ホラッパという男は酒を飲みながら現場で働いていたが飲酒事故により解雇。
そんな二人がカラオケで出会って互いに惹かれ合う感覚だったが、お互いの事を何も知らないまま別れる。アンサがホラッパに渡した唯一の情報(電話番号)はホラッパが紛失…(^^;

そんな二人が、出会って別れての紆余曲折を経てどうなるか?……をサラリサラリと描いていくカウリスマキ監督、さすがである🎥🌟

ベタベタすることなく、アッサリとした恋愛映画の究極的なかたちが本作のような映画だと思う。

引退宣言を撤回したのは、本作の冒頭や途中でラジオから流れる「ロシアのウクライナ侵攻」に対して「自分が何をできるか?」と考えたカウリスマキ監督が「映画を作るしかない!」と思って行動に移したのではなかろうか?

「これからも引き続き、カウリスマキ監督には映画を作り続けて欲しい」……そう思わせられる傑作✨

<映倫No.49948>

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たいちぃ

4.0ブタに乾杯

2023年12月22日
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鑑賞方法:映画館

うらぶれてます。人も、街も。それが愛おしい。カラオケでは懐メロばかり。昔の話かと思えば、ウクライナ戦争やワールドカップの話題が持ち上がり、現代の話だと気付かされます。SNS隆盛の時代に、なかなか会えない2人。ヤキモキしますが、それが尊い。たまに笑ったり、たまに晴れたり。ちょっとしたことで幸せを噛み締めたくなる。そんな素敵な作品です。

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ハチ

4.5カラオケシーンがすごく好き

2023年12月22日
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鑑賞方法:映画館

陰惨な戦争報道がBGMのように流れる中で、新自由主義的に生活が追い詰められていく主人公たちの冴えなくも愛おしい人間模様。
現在性に基づいた陰鬱さと、人の営みの普遍的な可笑しさ。
「オンリー・ゴッド」や「シャンチー」、「みんなのヴァカンス」「悪いやつら」とか外国映画の中のカラオケシーンって本当に好きだな。

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jinmin

4.0帰って来たカウリスマキ。

2023年12月21日
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鑑賞方法:映画館

 やれ北欧家具がおしゃれとか、国民が政府を信頼してる福祉大国とか、とかく昨今我が国では持ち上げられがちな「北欧」の片隅で、地味にスタイリッシュで、有体にいえばお金のない若くもない市井の人を見事に描き切ってくれた。
ジム・ジャームッシュへのオマージュもボーナスカットでした。
おもしろうて、やがて哀しき哉、でも希望の灯をありがとう。
そういえば、途中、主人公の女友達が「男なんてみんな同じ型からできた鋳物みたいなもの」みたいなセリフが。ちょっと アップデイトされたカウリスマキを見た気分。
こういう映画を見た後は、電車の車内でもレジのお姉さんに対しても、みんなそれぞれの人生をぼちぼち生きてるんだよね、っていう人類愛を自ら感じてしまいます。
ウクライナのラジオ放送、実に佳き伴奏者だったと思います。
音楽の使い方が秀逸。
フィンランドのKARAOKKE、マダムのMC付きで、店中の人の前でのど自慢なんて、なんて素敵!笑。

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Kumiko21

4.0ザンドラ・フラー/希望の灯り似???

2023年12月21日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

萌える

観始めてすぐに、アンサ(アルマ・ポウスティ)の働くスーパーマーケットの場面で、2019年にBunkamura ル・シネマで観たドイツ映画「希望の灯り」を思い出していた。
既視感ってやつである。
アルマ・ポウスティの2020年のTOVE/トーベは見逃している。残念!
女優さんもちょっと似た雰囲気のような気がした。サンドラ・フラーとアルマ・ポウスティ。全然似てないとも言えないような。だって、どっちにせよ実際の彼女らに会ったわけではないのだから。所詮、私の脳内妄想の世界なのだから。
アキ・カウリスマキ作品名には希望のかなた(2017)、街のあかり(2006)があるから題名も余計にまぎらわしい。

竹田の子守唄が二番目の劇伴に流れた。
アキ・カウリスマキ監督は小津安二郎などの日本映画好きらしい。鋳物工場はキューポラのある街か。第15回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された浦山桐郎作品も当然観ているだろう。

ウイスキーボトルをいつも上着の裏ポケットに忍ばせ、ビールをチェイサーにウオッカをカパカパ呑むホラッパ。
ユッシ・バタネンの老けメイク。
ちょっとトニー・レオン似のいい感じだった。
おいらもすっかり"枯れ葉"になっちまった。(すっかり酔ってる)
このどうしようもないせつない感じは若い奴らにはわかるまい。
(完全に酔ってる)
禁酒しよう。キセキはおこる。

第76回カンヌ国際映画祭の審査員特別賞作品。
パルムドールはアナトミー・オブ・ア・フォール。
来年2月日本公開。
主演女優はなんとザンドラ・フラー。
グランプリはゾーン・オブ・インタレスト。
主演女優はこちらもザンドラ・フラー。
私の既視感(脳内妄想)もなかなかすごいかも。
これはキセキといってもいいだろう。
恐ろしいぐらいだ。
ガラス玉を買って、インチキ占い師でもはじめようかな。

第76回カンヌ国際映画祭男優賞の役所広司のパーフェクトデイズは明日から公開。
(番宣してどうするんだよ)

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カールⅢ世

3.0期待の新作に平凡さが滲む。

2023年12月21日
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鑑賞方法:映画館

アキのもつ独特のペーシングに支配されながら、出演者の微かな表情、沈鬱な舞台、作品全体に滲む閉塞感などなど、どれも影を薄め、気持ち作品のペースも早く、ウクライナ情勢を伝える露骨なラジオ放送、色を感じるシーンなど、どこか俗っぽく、平べったい印象で残念に感じた。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

5.0机に残されたゼリーの画がなんかすごく好き。

2023年12月20日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

キュートなウインクがあれば
言葉はいらないのね。

はじめからおわりまで
湖の水面のように静かなのに、
不必要なほど様々な波が寄せては返す
今の恋愛ドラマよりもかなりぐっときた。

すれ違いって
視点を変えたらこんなにも愛おしいんだ。

引退とは言わずに
日々を楽しむことを第一に、
好きなペースでいいからこれからも
作ってほしいな。

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ユリ

4.5しみじみ

2023年12月20日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

萌える

年末にふさわしくとてもしみじみとして良かったです。猫派なのですが、出てくる犬がとてもかわいい。

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ひぐらし2(ひぐらしから引継ぎ)

3.5リベンジ✨しました

2023年12月20日
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鑑賞方法:映画館

【12.19✩⃛初回観賞】 評価:-
【12.24✩⃛2度目観賞】 評価:3.5

玄関開けたら2分でラジオ📻
今時ラジオ?でもそれがアンサっぽくてなんか良い✨
フィンランドのカラオケは司会のおばちゃん付き🎶なんならもっとノセてくれたらいいのにw

恋する気持ちに浮かれる人と、ラジオから聞こえてくる哀しいニュース。
愛する人が意識不明の病院から帰る電車内の後方座席でイチャつくカップル。
世の中ってそんな陰と陽の絶妙なバランスで成り立ってる🌞

『キートス』ってフィン語の『ありがとう』なんだね💜マウステテュトットの作中歌も可愛い❤ ❤ ❤

°====°=====°=====°=====°====°

ごめんなさい!
気付けば9割方寝ちゃってました!!
でも決して映画がつまらないから、ということではなく睡眠不足に起因するものです!!!

作品に罪はないのと、レビュアーさん達の評価が高いのでやっぱり気になるのと、観ていた1割でもとにかくワンコが可愛かったので、今回は星無し無評価として近々もう一度リベンジ試みます🙏

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らまんば

4.0年の瀬にほっこりさせられる佳作でした🙂

2023年12月19日
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鑑賞方法:映画館

萌える

フィンランド映画って初めてかも💛
人間は頑張ればきっと変わる事が出来る。そして素敵な出会いがきっと身近にある。年の瀬にほっこりさせられる佳作でした🙂

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タモン

4.0選曲の妙を楽しむ異色のラブコメディ

2023年12月19日
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鑑賞方法:映画館

本作はフィンランド映画でした。フィンランド映画と言うと、今年3月に観た「コンパートメント NO.6」がありましたが、あちらはフィンランド人がロシアに留学した際のお話であり、舞台がロシアだった上、時代設定もソビエト崩壊直後の1990年代だったのに対して、こちらの舞台は現代のフィンランドでした。そういう意味では、現代のフィンランドを舞台にした映画としては初めて観た作品となりました。ただ画面の感じが現代調ではなく、いかにも1970年代と言った創りになっていた上、登場人物たちの自宅や職場、酒場の様子が前時代的な雰囲気でした。唯一本作が現代を舞台にしていることが認識できたのは、旧式のラジオから流れるニュースで、ロシアのウクライナ侵攻を伝えていたことと、スマートフォンを使っていたことくらいでしょうか。

そんな現代フィンランドを舞台にした作品でしたが、序盤から中盤にかけて、登場人物たちがとにかく無表情で、喋り方も平板な感じであり、とにかく無機質な創りになっていてちょっと驚きました。主人公のアンサは、最低賃金でスーパーマーケットで働いており、もう一人の主人公であるホラッパも金属工場で働いていて、言ってみれば低所得者の2人。しかも交友関係も限られている感じで、非常に暗い雰囲気で滅入ってしまう内容だったのですが、登場人物同士のやり取りや行動が実は結構滑稽で、本作がコメディ要素たっぷりのラブストーリーだったんだと気付いてからは、笑えるようになりました。

また、ラジオだったりカラオケだったりバンドの演奏だったりと、場面場面に挿入される多彩な音楽が、主人公たちの心情を見事に表した曲で、その点も感心させられました。何せ「竹田の子守唄」からチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」まで、洋の東西を問わない選曲は見事。特に本作の主題歌と言っていい「Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin(悲しみに生まれ、失望を身にまとう)」は出色の出来。フィンランド語なので今聞いても内容はさっぱりですが(映画ではちゃんと字幕が出てました)、悲しい感じでありながらもアップテンポで未来に希望が繋がる感じの曲で、まさに本作に嵌る唄でした。

最終盤になり、無表情だったアンサの顔にも笑みが見られるようになり、とっても幸せな感じで映画館を後にすることが出来る作品でした。

そんな訳で本作の評価は★4とします。

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鶏

2.5映画通向?穢れた私には遠かった

2023年12月19日
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鑑賞方法:映画館

いいストーリー、羨ましくもある。セリフが少なく、劇中歌が心情を表すためくどくない。こうなりたい!と片隅に思う愛情。
しかしかなり退屈です。
設定や愛するまでの心情変化も読み取りにくい。
現代の話しと思うが、カラオケや救急病院のつくりなど、いつの時代?
病室に犬連れで入る→お国の違いなら良ですが。
映画評には名匠復帰と必ず入るのですが、週刊誌評に釣られた私は知りませんm(__)m
分かる方には分かる、そんな作品かなと思いました。

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JAG

5.0堀越好みの逸品。

2023年12月18日
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アキ・カウリスマキの5年ぶりの復活作品だという。
ユーロスペースが提供&配給というだけに、なんとも登場人物の佇まいまでもポンヌフの香がする。北欧のポンヌフだね。堀越謙三さんの「でしょ?」というセリフさえも聞こえそう。さまざまな映画のポスター、デートで観るジム・ジャームッシュのゾンビコメディ。映画へのリスペクトも深く、心の底から「微笑ましい」作品だった。
とはいえ、ラストカットはアイリスアウトであって欲しかった。絶対に。

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t2law

4.5愛がなくちゃね

2023年12月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

初めてのデートはジャームッシュのゾンビ映画「デッド・ドント・ダイ」。「ゴダールの『はなればなれ』みたい」だと感想を述べると本当に離ればなれになる2人。だけど、そんな2人を再びつなぎ止めるのは映画館。保護した犬につける名前はチャップリン。

しばらく映画から離れていたカウリスマキの映画愛が、ぎゅうぎゅうに詰め込まれている。胸が高ぶって早歩きのアンサとチャップリンを、松葉杖をついたホラッパが必死について行くラストカットが本当に美しい。誰にでもお勧めできる恋愛映画。

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あげ玉

4.0素朴だけど味わい深い

2023年12月17日
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なぜ北欧ってこう無愛想で、冷めていて、テキトーで、面白いことなんて何もないみたいな世界なのか分からないけれど、そんな無機質な世界にも愛は素朴に生まれて、誰かと誰かをなんとなく結んでゆくのだという風景がしっかり描かれたステキな映画。

登場人物が言葉少なで寡黙な分、ヘルシンキの情景が雄弁であり、色彩豊かに人物の心情描写を助けてくれているように見える。

音楽がほぼ全編鳴りっぱなしで、ある種音楽映画の趣きがある。選曲はどれもレトロで、少し感傷的だけど好き。人によっては痛々しい使い方にも見られるだろうけど、演技が抑えてあるのでそんなに気にならない。

電話のメモのところとか、2023年の物語とは思えないくらい焦れったい展開だけれど、一方でウクライナ戦争のニュースは日々流れ続けている。その時代錯誤的な感覚が、日本人からすると新鮮でありつつもゾッとする部分で、フィンランドには住みたくない感が否が応でも増す。

ただ、映画としてはそんなシュールな雰囲気がたまらなく魅力的であり、男女の粗野な関係性も本当に愛おしくなる。誰もが日常に耐えているという、当たり前のバックグラウンドがごく自然に描かれていて、ものすごく好印象。もっとも、アル中がそんな簡単に治るはずがないので、そこは違和感あったけれども…。

なんにせよ美しくて、詩的で、人生を肯定しようと戦う人たちの映画。今日見た中では一番良かった。

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klopstock