劇場公開日 2024年5月24日

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関心領域のレビュー・感想・評価

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3.5Infernal Audio Trip

2024年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

An eerie pitch black overture unwinds you into a diabolic abyss, tuning your ears for a score to ungodly torment. Nixing a substantial percentage of story from its source, the film sticks to the daily life of a family's dream home perched by Hell, of which the breadwinner is a senior manager. A well-staged historical reenactment with the sounds of machinery and suffering saturating the atmosphere.

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Dan Knighton

3.5音の圧倒的な存在感

Kさん
2024年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

耳に残る音と画面に映る色が恐怖感を煽ってきます。壁の向こう側は収容所。毎日行われている虐殺の直接的な表現は無く感情移入はなし。うめき声や銃声、焼却炉から出た煙、川に流れ着く人骨が静かに存在を示していました。慣れと当たり前が生んだ無関心こそが最も残酷。

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K

4.5誰もが知っている

2024年4月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

壁の向こうで24時間、何が起こり何をしているのか皆、知っている。壁の向こうからこちら側が何を搾取しているのかも知っている、感づいている、聞こえる。それをグレイザー監督は見せずに示した。映像を手中にしている映画監督が自分で自分の手を縛って見せないことを選んだ。

ザンドラ・ヒュラー演じるヘドウィグは5人の子どものお母さん。ガーデニングに精を出し「天国の庭」と呼ばれるほど、色とりどりの花が咲き乱れている。少し滑稽な大股歩きをいつもしていて、幸せなのかどうかよくわからない表情をしている。昼間は壁の向こうで熱心に働いているお父さんは、晩はこちら側に戻って子ども達にグリム童話を読んであげる。上機嫌な時は妻を「アウシュビッツの女王」と呼んだりする。

戦後、皆、「私は知らなかった」と言った、ドイツ人やオーストリア人やその他も。そんな状況は今も続いている。この映画は今の世界を描いている。

おまけ
特別先行上映で見ました。ナチ時代における女性史研究のスタートは遅かったが流れは早かったようです。当初は女性は被害者という見方、それが女性も主体的にナチに賛同し行動し利益を受けるなど共犯者でもあったことがここ数年の歴史研究で解明されてきたようです(井上茂子「ナチ時代のドイツ女性を再考する」所収『歴史評論』vol.889 /2024.5.より)
歴史研究を続ける、その果実を私達のような普通の人々も受け取ることができる、このような歴史関連の研究や記録へのアクセスを日本でももっと欲しい。

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talisman

4.5音を聴き逃してはならない

2024年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い怖い。
今まで観たどのアウシュビッツ映画より怖いかも。
特に音が怖い。

具体的な虐殺シーンも虐待シーンも何一つなく、その後ろにあることを断片的な情報と音で、観る人間の知識とイマジネーションに委ねる作品でした。

理想の豊かな地方都市暮らしを手に入れた主婦の幸せそうな姿と、真面目に仕事と子育てに勤しむパパの姿の裏に、「これの背景ではアレが進行している」という時間が延々と描かれておりました。

昔の黒澤明映画や、最近だとアニメ映画『この世界の片隅に』など、自然音、効果音ってすごい作品ってあったじゃないですか。
本作では、幸せそうな家族の背景の自然音が、定期的な銃声や悲鳴……
おまけに不穏な音楽がかぶさり……

劇場の音響でこそ、この怖さが伝わると思います。
全ての音を聴き逃さず、その意味を考えながら観るのが正解。

さらに言えば、パパ=アウシュビッツ所長ルドルフ・フェルディナント・ヘスの手記『アウシュヴィッツ収容所』には、「家族は重要所の中で何があったか知らない」「家庭では虐殺を思い出し、収容所では家庭を思い出していて良心に苛まれた」とか書いたことを知っていれば、さらに悍(おぞ)ましいことだとわかるように作ってありました。
いつどんな戦況で、どんな作戦が進行していたかとの答え合わせをすると、底なしの怖さを味わえます。
知識があれば、より恐ろしさが増す内容なのです。

A24にしては珍しく、「感じろ」だけでなく、「知って、考えて、さらに感じてくれ」って珍しいタイプでした。
もはやこれはホラーでしたね。

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コージィ日本犬

4.5深く考えさせられる作品

2024年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

上映後、こんなに静かな映画は初めて。
現在起こっていることと重ね合わせて、この一家を自分に重ねてしまうような作品。
アウシュヴィッツ所長家族の日常を描いていて、直接的に残虐なシーンはないのだけど、かなり精神にきた。だけど見てよかった。

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komako02

4.0感覚が・・・思考が・・・

2024年3月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

歴史上の出来事を大前提として─これを知らないなどあり得ないと言わんばかりに最低限の知識や感覚を求められる作品です。鑑賞する前は少しでいいから時代背景を復習しておくべきだったか─と強く思いました。とはいえ、まっさらな状態から見たとしても、恐らく、作品の意図するところは強烈に伝わってくるはずです。
難しいです。一生懸命に提示されている事柄を捉えつつ考えなければなりません。
フィックスで埋め尽くされた映像と複雑な音響と極力音楽をかき消しているその演出により、非常に冷たくて、全くもって楽しいものではありません。まわりからはいびきも聞こえてきました。ふざけんな!と思いたいところでがありましたが、正直、まぁそうなるわな、という─。
淡々とのっぺりとしているような印象の作品ですが、いろんな演出が細かくちりばめられていて、丁寧に拾うと見応えは十分です。ただその一つ一つをどういうことなのか考える必要があるので、考えが追いつかないところも・・・
始まりと終わりは歴史に残っているわけだから、物語は分かるはずなので、その過程で起こった事柄をしっかりと考え抜いてください、そのためにこの映画は存在するのです─と勝手に作品のメッセージを、自分なりに─。
ぶっちゃけてしまいますと、PERFECT DAYSの方が面白いし、パストライブスを見た方が・・・と思ってしまいます。つらくて、見るのは大変なんですが、ポテンシャルは計り知れない作品です。いろんな作品と並べられると、なかなか・・・

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SH

2.5関心領域 トーク付き先行イベント上映にて鑑賞。 アウシュビッツ収容...

2024年3月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

関心領域

トーク付き先行イベント上映にて鑑賞。
アウシュビッツ収容所の真横で暮らす所長の家族を描いた作品。
横ではあれほどの残忍な事が行われ銃撃音や悲鳴などが日常的に聞こえてくる中子供たちをはじめ普通に日常生活を送る狂気をリアルに描かれていて色々考えさせられる作品であった。
アウシュビッツ収容所内での悲劇は一切本作で描かれる事はない。音や所長と奥さんのセリフでその残忍さを描くのはうまかった。
まぁでも万人受けする様な作品ではなく、A24らしい、賞レース向けの作品だのというのが率直な感想。

個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 ARGYLLE/アーガイル 4.7
5 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
6 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
7 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
8 アクアマン/失われた王国 4.5
9 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
10 異人たち 3.7
11 ミツバチと私 3.6
12 コヴェナント/約束の救出 3.0
13 僕らの世界が交わるまで3.0
14 ストリートダンサー 3.0
15 カラーパープル 2.9
16 弟は僕のヒーロー 2.8
17 関心領域 2.6
18 ジャンプ、ダーリン 2.5
19 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
20 マダム・ウェブ 2.3
21 落下の解剖学 2.3
22 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
23 哀れなるものたち 2.3
24 DOGMAN ドッグマン 2.2
25 パスト ライブス/再会 2.2
26 ボーはおそれている 2.2
27 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
28 瞳をとじて 2.2
29 ゴースト・トロピック 2.2
30 葬送のカーネーション 2.2
31 Here ヒア 2.1
32 ハンテッド 狩られる夜 2.0
33 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
34 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
35 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
36 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
37 VESPER/ヴェスパー 1.5
38 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5

番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0

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ego