STILL マイケル・J・フォックス　ストーリー

　自伝のようなものを３冊ほど執筆されているので生い立ちや病状、それにまつわるエピソード等は知っていましたが、この映画で改めて映像で観ると衝撃は相当なものでした。進行性で現時点では治療法の見つかっていないこの病気の症状も、正直、思っていた以上に進んでいました。
　何故、ここまで自分をさらけ出すことができるんでしょうか。あそこまで名声を得て頂点まで上り詰めた人なんだから、余生はのんびりと楽しむことだけに集中したらいいんじゃないかな、と弱い私なんかは思ってしまいます。病気を隠しもがき苦しみながら演じていた頃、お酒に逃避した頃もあったようですが、今はそれらを乗り越えて、現状を受け入れて、すべてをさらけ出して同じ病気の人たちの先頭に立って慈善活動を続けている。自分が成功したことに対する感謝の気持ちを全身全霊で世界に向けて恩返しをしているということでしょうか。真の人間の強さです。私の心の支えです。

ファンならずとも、おそらくはこのドキュメンタリーに魅了される。
彼の動きを切り取った編集と、傍で支えるスタッフと家族が素晴らしい。

順風満帆の人生だった彼がパーキンソン病になった事で感じた事を伝えたい一心でこのドキュメンタリーを撮ったのでしょう。
最初は痛々しく観ていましたが、真っ正直に語っているマイケルをすぐに受け入れ、ハリウッドスターの栄光と苦難をこれまで演じてきた映像を交えながら進んでいく流れは、このドキュメンタリーのためにこれまでの作品があったかのような編集で大変だったと察します。
ラストのコメントを自分にも言い聞かせ、これからの人生を歩もうと心に刻みます。