劇場公開日 2023年6月9日

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「歳を重ねても、不安と向き合う日々」逃げきれた夢 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0歳を重ねても、不安と向き合う日々

2023年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「不惑」の40代を経て、人間として「完成」しているはずの定年を迎える60才
「完成」どころか、様々な後悔・不安と向き合わなくてはならない  健康状態はもちろんであるが、自分が築いてきたと思ってきた家族・職場(後輩・部下)に自分が必要とされず、あるいはその存在がなかったかのような「現実」に直面したとき、自分の存在が否定されたような気持ちになる  SNSで「いいね」がつくことの承認欲求をあざ笑っていたであろう中年のオヤジが、娘との会話、妻とのスキンシップ、「限定のプリン」に、自分の行き詰まり感を打破して承認してもらおうとする様は、主人公光石研さんと同年代のオヤジである私も見ていて辛い場面であった
公開中の「波紋」「彼女の人生は間違いじゃない」のダメ親父も、「メタモルフォーゼの縁側」の100%善意の親父も、「恋人たち」の薬物中毒の犯罪者役も、ごくごくどこにでもいる根は弱弱しい普通の人であり、だからこそ普通の市民である私たちは光石さんの役柄に共感し、その存在にひかれていくのでしょう
もう一人の主役、吉本実憂さんはアイドルを思わせる華麗さを備えていて、8年前の「罪の余白」ではとても印象的な役をされていましたが、同じ8年前高校の合唱部を扱ったテレビドラマで共演していた、芳根京子さん、葵わかなさん、萩原みのりさん、森川葵さんらと比べると、活躍の場が限られてしまっているような気がしていました  本作でも当時共演していた杏花(柴田杏花)さんとも共演されていますが、吉本さんにとっても代表する作品となったのでしょうね  (6月22日 シネリーブル梅田にて鑑賞)

chikuhou
Mさんのコメント
2023年8月27日

光石研さんは好きな役者さんなんですが、この映画ではあまりにしゃべりすぎて、今一つに感じる映画でした。
平賀さん役の吉本さんは初めて見ましたが、とてもよかったです。

M