劇場公開日 2023年6月9日

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「もう少し続きをみたく(想像したく)なる映画」逃げきれた夢 marphanepalさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5もう少し続きをみたく(想像したく)なる映画

2023年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公の光石研を取り巻く状況、家族、仕事、親の介護、自分の病気、これは団塊の世代共通の事象。幼なじみである松重豊と北九州弁を使い、飲んで言い合い「おまえは自分勝手じゃ」といわれるシーン。これもこの世代特有で、仕事人であればあるほど体裁を気にして友人や家族を後回しにする。

どうやって生きていくかを模索する若い女性、どのように仕事人生を終えようとするか考える主人公。
吉本実憂が海外に住みたいというが、お金がなくていけない。やはり現実に生きるしかない日本を表しているのか。
前半の主人公はよく語るが、後半は次第に寡黙になり、沈黙による表現となる。
最後のシーンは、あれ、これで終わり?もう一つ展開はないの?というモヤモヤは残る。

「逃げ切れた夢」というタイトルは、主人公も女性も最後は自分の生き方に一つの答えを見つけることができたという暗示か。

光石研の地元という意味もあるだろうが、退職間近の主人公と寂れつつある北九州市の風景とがマッチしていいと思った。

marphanepal