劇場公開日 2023年6月16日

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「雰囲気…である。」探偵マーロウ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5雰囲気…である。

2023年7月2日
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鑑賞方法:映画館

フィリップ・マーロウなのに、チャンドラーの小説が原作ではない。
しかも、時代設定を戦前(アメリカ参戦直前)の1939年に変更している。
なぜこの小説をこのタイトルで映画化したのだろう…。

ニール・ジョーダンのスタイリッシュな演出に粋な音楽が重なって、フィルムノワールの雰囲気を滲ませているのが堪らなく良い。

リーアム兄さん(爺さんか)の映画100本目だそうな。
少々年を取りすぎている感じはするが、背が高く格闘に強いマーロウのイメージには近いかもしれない(ボギーよりは…)。
…と、言うほど私はフィリップ・マーロウに詳しくない。
チャンドラーの小説は中・高校生の頃に2〜3冊読んだが、ほとんど内容を覚えていない。創元推理文庫やハヤカワミステリ文庫を何でもいいから読み漁っていた頃だ。ハードボイルドの文体と比喩だらけの台詞は、頭脳の弱い自分にはかなり辛かったと記憶している。
この映画を観て、やはり凝った台詞の意味を読み取ることがでかなかった。
40年以上経っても成長していない自分が情けない。

リーアム兄さんとダイアン・クルーガーの共演といえば『アンノウン』という傑作サスペンスを思い出す。リーアム兄さんのサスペンスアクションでは一番好きな作品だ。
このダイアン・クルーガーがマーロウを危険な事件に巻き込む謎の女を演じている。
そして、クルーガーの母親でもあるもう一人の謎の女がジェシカ・ラング。
この二人、本当の母娘のようにどこか似た感じがする。

ハードボイルド小説の探偵なので、推理を巡らして語るのではなく、自ら渦に飛び込んで真相を引っ張り出すのがマーロウなのだろう。
怪しい雰囲気に満ちた石造りの街に、黒光りするクラシックカーが映える。
画がカッコいい映画だ。…が、そこまでかな。やや残念。

露骨な尾行もなんのその。決して気づかれちゃあいないさ。
依頼人の色仕掛けにも耐えてみせたぜ。ちょっと勿体なかったがな。
後ろから殴られるなんて、俺もヤキが回ったか。

おら、ハードボイルドだど!(by内藤陳)

蛇足〜
マーロウは車で行った先から別の手段で(拉致されたりして)移動しても、またその車に乗っていたように見える。
後で車を取りに戻っているのか、あるいは何台も持っていたのだろうか。

kazz
pipiさんのコメント
2023年7月6日

あ、はい!

映画の方は「長いお別れ」はまるっきり関係ありませんが、
原作小説の方はめちゃくちゃ関係あるのできっちり思い出しておかないといけません。

ただ、長いお別れが好きであればあるほど「えー、ちょっとこの展開はどーよ?」となってしまうパスティーシュなので、お勧めしていいやら迷う作品ではあります。(汗)

pipi
pipiさんのコメント
2023年7月5日

中高生の頃に創元推理とハヤカワミステリですか♪
御同輩!

kazzさんと趣味が合うわけだーと納得です。嬉しいですねー。

本作はチャンドラー作品ではないという事で、監督も精神的にメスを入れやすかったのかもしれませんね。
後半、ホント全っ然違いますからー(笑)
ジェシカ・ラングの役なんてほんとにただのクソBBA(あ、いやいや失礼)
それをあそこまで魅せる役どころに昇華するとはジェシカも監督もお見事です。

でもね。前半はこれまた非常に「原作に忠実」なんですよ。
なんか、本作は映画として云々よりもリーアム兄さんとジョーダン監督の「フィリップ・マーロウ大好き♪」の圧にやられました(笑)
まぁ、機会があったら原作お手に取ってみて下さい。

pipi
グレシャムの法則さんのコメント
2023年7月4日

コメントありがとうございます。
デカイのに気づかれない😀

日本版?ハードボイルドといえなくもない三船敏郎のCMをイメージして、
〝男は黙ってサッポロビール🍺〟
してました。
二本目からはキリンのクラフトビールでちょっと贅沢しました🤣
だって父の日ですから❗️なんて言ってる時点でハードボイルドを語る資格はない?

グレシャムの法則