配信開始日 2023年12月22日

「スターウォーズにケレン味を加え、デューンのカウンターカルチャー感を抜いた感じの」REBEL MOON パート1 炎の子 Nightmare?さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スターウォーズにケレン味を加え、デューンのカウンターカルチャー感を抜いた感じの

2023年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

「スペースオペラ」とジャンル分けしても良いのだろう。監督ザック・スナイダーがほぼ完全コントロールしているようで、まさに彼の好きな方向全開。世界観が神話的、アクション表現がとにかく大仰、筋肉ムキムキに悪者はいない、という明快さ。そこが「作り物」っぽくて好きじゃない人もいるかもしれないが、どうせ虚構の世界だ、やれるところまでやったれ! スペオペでは特撮部分の出来が重要になってくるが、文句なく素晴らしい。特にキャラクターのCGは人間より本物っぽくて、逆に「人間が雑だな」と感じたりして(この感覚、実はヤバイ状態になってるかもしれない)。一方、『2001年:宇宙の旅』以降、宇宙船は汚し加工がされているのがリアルなのだが、本作では(見落としがあったかもしれないが)あまりこの加工がなく、ちょっと「よくできた模型」ぽく見えた場面があった。
ただ、『七人の侍』オマージュはいくらなんでも今さら感があって、前編ではそれぞれの紹介に留まる程度のため、話は「侍」集めの過程を繋いで行くのが中心になっているのだが、それぞれのエピソードが取り立てて面白いわけではないのが不満。言葉の壁もあるのだろうが、なんであの人仲間になったんだっけ? と思い出せない。
(好意的に解釈すれば)おそらく、前編は後編のためのセットアップ的な存在なのだろう。確かにこれで物語に関わる人が確定したし、各人が持つ得意技もわかった。後編でいよいよ、『スターウォーズ』のように父殺しのストーリーになって行くのだと思われる。つまり、前編を見た以上、後編を観なければ意味がない形式になっている。うーむ、案外策士だのう、ザック。

Nightmare?