劇場公開日 2023年11月23日

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「「我々はゴケミドロだ」」ロスト・フライト レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「我々はゴケミドロだ」

2023年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

殺人犯を乗せた旅客機が危険な無法地帯に不時着して乗客が次々と襲われる。これはまさに松竹映画の誇る「吸血鬼ゴケミドロ」と同じプロットではないか。タランティーノをも魅了した傑作ジャパニーズSFホラーを本作の脚本家は参考にしたに違いない。確か、悪役のボスは「我々はゴケミドロだ、我々の目的は人類の皆殺しだ。」というようなことを言ってた気がする、言ってないかな。

作品自体は少々大味アクション映画という感じで相変わらずのバトラー通常運転というところ。

バトラー演ずる機長の飛行機が突如殺人犯の護送に使われることに。この殺人犯が本作のキーマンになるかと思いきや、ただビデオ撮るなと怒ってたくらいで普通にいい人だった。

最初は殺人犯ということで主人公とお互いに疑心暗鬼になりながらも窮地を脱するために協力し合ってやがて二人は無二のバディになってゆくという、そういうのを見せてくれるかと思いきや、初めから協力的で何の疑問もなく主人公とバディ関係に。
途中で自分の命欲しさに仲間を裏切ったりすることもない。いやいや、だったら殺人犯という設定必要だったのか。観客としては彼が裏切るか裏切らないかというサスペンスを期待したんだけど、結局最後までいい奴で終わってしまった。最後にちょっとお金くすねるくらいかわいいもんだよ。

結局、危険地帯に飛行機が不時着して、そこから何とか脱出するというだけの単純なお話。バトラー映画に多くを求めてはいけなかったか。

ちなみに雷によって電子機器がやられたと言ってたけど、飛行機は雷に会っても胴体に電気が流れて内部には電気が流れない耐雷性になってるし、放電装置もついてるから被雷によって墜落することはまずないらしい。

レント