丘の上の本屋さんのレビュー・感想・評価
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本好きが集まる
真面目な性格で本をこよなく愛する古書店経営者リベロが主人公。
イタリアののどかな風景の古風な石畳の街並みの一角に店を構える。
隣にカフェがありそこで働くギャルソンの
ニコラは明るく陽気で気のおけない人柄で、
時折店にやって来るキアラ目当てもあり、
しょっちゅう店に入って来る。
店には、毎日さまざまな人がやって来る。
ゴミ箱から拾った本を売りに来るボジャン。
見た目怖そうながら大変な本好きの男性。
革ジャン着てる風変わりな本を探す女性。
ブルキナファソ🇧🇫からの移民少年エシエン。
作家の先生。ふるーい本を売りに持ち込み、
自分の著書を探している。後に見つかる。
初版本大好きな男性。
発禁本コーナーを見る神父。
なぞなぞの本を探す男性。ヒクメット詩人?
フイとやって来たエシエンにマンガを貸す。
本好きエシエンに毎日本を貸すことになる。
📘『ピノッキオの冒険』
猫とキツネの話がおもしろかった、と。
感じの良さは人を騙す為の武器。コオロギ🦗も
📗『イソップ物語』
犬🐕の話。欲深さ
ライオン🦁の話。良いことをすれば返って来る
📕『星の王子様』
ヘビの話。宇宙飛行士が書いた。
📔『白鯨』
📒『密林の医師シュヴァイツアー』
📘『アンクル・トムの小屋』
📔『白い牙』
📗『ロビンソン•クルーソー』
📕『ドン•キホーテ』
📒『世界人権宣言』←贈り物🎁だよ、と。
本を読んで理解して考えを持ち深めていくよう
諭すリベロ。
エシエンとの本についての会話の合間に、
リベロは1957年3月ー5月?)の
日記を時折読む。
ミケーレという人の妻らしいが、誰?
ボジャロが未亡人の蔵書が競売にかけられる
らしいと伝えると、せっかく集めた本がバラバラになるのは心苦しいとリベロ。
リベロ何かの病気らしい。
検査結果を教えてくれない。
しんどそうな様子も窺える。
リベロが、キアラに忠告。
ニコラの気持ちは真面目だから、なぶらず
真剣に受け止めるように、と。
リベロ入院してしまった。
エシエンにリベロからの手紙を渡すニコラ。
誰にでもある、幸せになる権利❣️
エシエンを取り巻く環境を考えると、
知識をしっかりと身につけ、自身の確かな考えを持ち
正しい判断ができる目と頭を養って欲しいと願う
リベロの痛いほどの気持ちが伝わってくる。
許されるならば、エシエンがどのような青年に
成長するが見たかっただろう。
そして、たくさんの本についての話を
交わしたかっただろう、と思う。
(調べる必要あり)0
我が闘争、
風の影、からの引用、
マリトッツォ‥イタリアのパン楽天で販売してました。
なぞなぞ集1880年
発禁本
オルゴール1957/5/28
安心して観られるが、
本が好き、ヨーロッパのいなか好き、老人が登場する話好き、にはタイトルと予告編だけで間違いないと確信する1本。
予想どおり、むしろ予想以上に安全な展開。
こんな本屋さん、ある街に住みたいなあ、子供の時にこんな本屋さんが近くにあったらなあ、と素直にほっこりする反面、ちょっとラストは安直に、教科書的に型にはめ過ぎな気も。
ユニセフが共同制作と知り、なるほど。と納得。
ほのぼのとした作品
古本屋の店主とそこに通ってくる少年や隣のカフェで働く青年とのふれあいを描いた物語で、ほのぼのとしていて、心地よく観れる作品です。ただ、その反面これといった事が何も起きないので、物足りなさも感じるかも知れません。それから、演出なのかも知れませんが、少年役の子の演技が不自然なのが気になってしまい、その点が少し残念でした。また、序盤に出てくる、いかにも伏線というシーンからラストがおおよそ想像できてしまうので、最後はどうなるんだろうという期待感はなかったです。そこそこ良い作品だとは思いますが、あっさりし過ぎていて、穏やかな気持ちにはなれますが、感動できるような作品ではなかったです。
追記>
作中、ゴミ箱から拾ってきた誰の物とも分からない日記を読み進めるシーンが何度も出てくるのですが、何か特別な意味があったのか私には分かりませんでした。
そっち方面の人の作る映画はつまらない。
え?なに?そのラスト....
こじんまりとした古書店を、一人、また一人と客が訪れての会話劇。極右ネオナチ。移民の少年。アブノーマルな性癖を匂合わせる女性。落ちぶれた教授。舞台劇の建付けです。切れはありません。深くも無いです。言葉の美しさも無いし、会話の妙も無く。ありゃりゃな感じです。
古書店の主人は、移民の男が買い取りを求めて持ち込んだ、女性の日記を少しずつ読み進める。でですよ。1957年にアメリカに彼氏を一緒に移り住むと言う展開になったところで、思うわけです。永住権(グリーンカード)を得るために、彼はベトナムに行っちゃうんじゃないかと。が、そんな悲劇的な展開もなく。淡々とした会話劇は、淡々と終わります。
でも。最後のアレは、「イヤイヤ、それじゃないだろう」と。
完全に萎えました。世界人権宣言、そのものは崇高なんですけどね。近年、それを掲げる人達が好きじゃなくってw
だから、なんかの小説か詩集かにしてれば良いやんw
微妙な締め方
後味が悪い
爺様が子供に本を読ませ、感想を聞くというプロセスはシンプルに楽しい。
話は爺様の周辺に終始してあまり楽しくはないが、アリアのオルゴールなど、客に合わせた劇伴は小気味良い。
しかしエシエンの内面や境遇、生活環境がどのようなものかを全く掘り下げていないのに最後がアレだと消化不良。
途中に出てくるフィルムコミック批判も作家性と言えばそうなのだろうが、個人的には前時代的な意見に感じた。
丘の上にある本屋さんは出会いと別れの場。この本屋さんを舞台に、様々な人の人生のささやかな交流の一コマが描かれていきます。
ボスターの図柄がとても良い感じ。
古書店の爺さんと少年の交流を描いた作品…うん
なんか良さそうな雰囲気なので鑑賞です。
丘の上で本屋を営む友人=リベロ。
年齢経歴不詳。…お年寄りなのは間違いない。
営業開始と同時に店に駆け込んでくる男。
ごみの中から拾った本を買い取れ と言う。
男の言い値を値切りつつも買い取るリベロ。
店番のかたわら読み出す。
1957年頃から始まる、若い女性の日記らしい。
今の生活から抜け出したいと願う内容だ。
※そんな昔の日記がゴミに捨てられるとは思えないので
日記風の物語なのかもしれませんが、正体は不明です…
店番のかたわら、読み進めるリベロ。
繁盛しているようには見えないのだが
彼の店には色々な人がやってくる。
・隣のカフェの店員の男
⇒ 一人で店番をするリベロを気にかけ、頻繁に本屋にやってくる
のだが、その理由は他にもあるようだ。
カフェより本屋にいる時間の方が長い男。 (仕事しましょう)
古書店に現れる女性客が気になっているらしい…
・コミックを探している若い女性
⇒ 勤め先の奥さんに頼まれて「コミック」を探している。
ネットで探せば良さそうなものだが
自宅に届いたら「マズイ」 ものらしい。 何か 気になる…
・かつて自分が著した本を探す男
⇒ 他人に気前良くあげたり貸したりしていているうちに
気がつけば手元に一冊も残っていないという…あらま
買い戻すべく探しているというのだが…
・店先に現れた少年
⇒ アフリカ系の移民の少年。
読み書きはできるが本を買うお金は無いようだ。
そんな少年に、リベロは本を貸し与えるのだが…
で、この少年とリベロとの交流をメインに話は進む。
貸した本を読んでどう思ったか 毎回問うリベロ。
少年は感じたことを言葉にし、リベロが意見を添える。
そんな事を重ねていく毎日。
貸す本の内容も、徐々に難しい内容に変わるのだが
少年は苦にならないようで、きっちりと読破していく。
途中からリベロにとって、
何を貸そうかと考える事や少年との読後の会話が
生きがい・楽しみになっているようで
少年の来訪を心待ちにするリベロ。
ある日、リベロがいつもの時間より遅くやってくる。
病院に寄って検査の結果を聞いてきたためらしい。
「どうだったのか」と気にかけるカフェの男に
特に問題があったとは伝えないリベロなのだが
多分どこか悪いのでは? との予感が…。 あー
と、まあ
お話は全体的にゆるい展開で最後まで続きます。
登場人物の「探しもの」や「願い事」がどうなるのか
何よりもリベロと少年の交流の行き着く先はどうなのか
そんな事を想いながら暖かく見届ける内容です。
私には、色々と心に沁みてくる作品でした。
まあ、観て良かった。
◇あれこれ
■リベロが少年に貸した本
・まんが ※ディズニーの作品
・イソップ物語 ※肉をくわえた犬の話
・ピノキオ ※子供向けの本では読んだかなぁ
・白鯨 ※挫折した記憶のみ…
・星の王子様 ※プチプランス( TVアニメ)は観た かも
・伝記(シュバイツァー) ※偉人全集とかに出てくる人
・発禁本 ※まだ早いとダメ出ししてました…。 気になる
※他にもあった気がしますが…。
■原題
「 Il diritto alla felicità 」を訳すと (グーグル先生 ^-^)
「幸福への権利」 との結果でした。
リベロが最後に少年に贈った本のタイトルが
「世界人権宣言」 だったのですが、
その理由がなんとなく分かったような気がします。
※リベロが少年に貸した本は、少年向けが多い中
最後の1冊だけが浮いている気がしたのです。
「君には幸せになる権利がある」
こう伝えたかったということなのでしょうか。 はて
■ルイーダの酒場
は、ドラゴンクエストの世界の話ですが
この古書店みたいに沢山の人が集まっては去っていく姿に
「出会いと別れの酒場」 という言葉が浮かびました。
(この映画では、酒場ではなく 「古書店」 ですが…)
■人生の交差点
人と人とが出会い、行き過ぎていく場所。
この本屋は、色々な人にとっての交差点のような場所で
そこで起きる、何気ない人生の1ページを描いた作品かも。
…そんな事を考えていたら
「人間交差点」(作:弘兼憲史) という80年代の漫画作品が
頭に浮かんできました。
読んだ当時、とても印象に残った作品です。
※と、書いてはみたものの。。
良く考えると「丘の上の-」 と比べる作品では無いかなぁ… ・_・
◇最後に
この作品、派手なイベントも演出も無いので、
観る人によっては退屈に感じる気もします。
(ワタシも少し眠くなったりは…ごにょごにょ)
ただ、リベロが他者(特に少年)に向ける
「眼差しの優しさ」に共感できるのであれば
鑑賞後にじんわりと暖かな気持ちになれる作品なのかも
そんな風に思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
自由
丘の上にある本屋を営むお爺さんと、周りの人々との日常を描いたハートフルな作品。観る予定はありませんでしたが、時間の兼ね合いで鑑賞。スクリーンとスクリーンの間を小走りで移動しました。
ほっこりした作品に仕上がっていました。大きな衝撃こそありませんが、短い上映時間で訪ねてくるお客さんとの会話を客観的に楽しめる作品になっています。
少年と店主がマンガから小説で繋がっていくというストーリーは年齢の壁を超えた友情が感じられてとても良かったです。最初はミッキーマウスのマンガから、そしてメジャーな児童作品、やがては辞書サイズの大長編を渡すなど、店主が少年の純粋さに動かされ、たくさんの知識を受け渡すのはさながら実の爺と孫にも見えました。
終盤で、店主が亡くなった後に残した本が人権宣言だったり、ユニセフにうんたらとかはよく分かりませんでした。映画を作る際に団体に出費してもらったのかなとは思いましたが、なんだかそんなオチはやめてくれ〜って感じでした。
鑑賞日 3/7
鑑賞時間 15:55〜17:30
座席 I-10
やさしくあたたかな物語
⚫︎とてもネタバレですので鑑賞前の方はご注意を。
アパートの重い扉を閉め、小さな歩幅でゆるゆると続く丘の坂道を少し上ると自身が経営する小さな古本屋に着く。いくつかのポッケに手を突っ込み探り出した鍵で錠を開ける。
丘のてっぺんで店主のいつもの1日がゆっくり始まる。
狭い間口の店の奥にあるリベロの椅子からは、さんさんと太陽を浴びる明るい色の石畳みが真正面にみえ、向こうの山手の樹々の緑がその奥に映える。
イタリア中部のからりとした風が吹き抜けると揺れる葉枝は、青く澄んだ開放的な空へと手を伸ばしているようだ。そんな景色がいつもそこにある小高い丘の道には歴史の味わいを感じさせる古いアパートや小さな店が静かに並ぶ。
穏やかな人の往来やカフェのテラス席でくつろぐ姿が田舎ののんびりした心地よい空気を漂わせている。
年配のリベロを気にかけて時々様子を見に来たり、すすんで重いものを運んだりしてくれる隣りのカフェの店員ニコラとの会話から、リベロが商売的な儲けよりも本を介して人とのコミュニケーションを大事にしていることがわかる。
もちろんリベロの本への愛情は熱々で、尋ねてきた客にはそれぞれにあわせて丁寧に対応し、何かを伝える使命を感じているようにみえる。
そんなリベロの店の先、反対側からの石の坂をすたすたと軽い足取りで登りながら移民の少年エシエンがやってくる。
リベロに借りた本を返し、会話をし、また違う本を貸してもらいに。
エシエンには本を買えるお金はない。
以前、興味深そうに店頭の本を眺めていたところをリベロに声をかけられ、一冊貸してもらったのがその始まりだった。
エシエンにとって本を貸してもらえることは、自分の世界がひろがる今までにない楽しみだっただろう。
リベロはある時は孫に、ある時は息子に接するようにエシエンに本を勧める。
そして、返却の都度感想を尋ね、お返しにちいさなヒントを与える。
そんな交流を経て、やがて彼らは大きな歳の差の友達になっていく。
エシエンが読書に夢中になるにつれ目に輝きが出て足取りも快活になり、リベロと話すことで表情が豊かになり自分に自信をつけていく様子は微笑ましく嬉しく感じた。
リベロもまたこの小さなお客さんとの会話や次の本を選ぶことを小さな生きがいにして楽しんでいるようにみえた。
いつものように大事そうに本をかかえ店に向かうエシエン。
しかし、たのしい時間が突然に終わったことを知る。
ドアの前で、愕然とするエシエンを抱き寄せたニコラはリベロから預かっていた別れの手紙を現実の前に立ち尽くす彼の小さな手にそっと渡すのだ。
エシエンにとって辛い別れだったが、丘の上の本屋さんとの出会いは、まちがいなく豊かな経験だった。
本にはたくさんの魅力があり、その考え方を教えてくれたリベロと過ごした日々が記憶に残ったのだから。
観客の私たちは、未知のドアを開けながらすすむわくわく感を初めて知ったエシエンの気持ちを味わう。
そして、誰かを支える力が本にあることを信じるリベロが、古本屋の主人としての最後の役割をエシエンに向けた気持ちを受け止め自分の胸の深いところにそっと置く。
これから成長していくエシエンに大切なものを教え続け、彼には悟っていた命の陰をみせることなく遺言に託すことを済ませていたリベロ。
エシエンを心から応援していたリベロのチャーミングでダンディな人柄はあの店がある丘の陽だまりときっと同じあたたかい匂いがしたような気がする。
そんなリベロをさりげなく見守っていたニヒルでちょっとキザなイタリア男・ニコラもまた、心優しく真面目でよき信頼でリベロと結ばれていたことがわかる人物だった。
本作には、彼ら主要人物の暮らしぶりや本屋にやってくる様々な客たちの背景は描かれておらず、全て想像に委ねられている点が魅力のひとつなのだと思う。
少しずつみえるものに私たちが思い描いたものをプラスして観ていいのだ。
それはまるで説明の最小限な絵本を手にとったときと似ている。
リベロの名のように自由な発想でつくりあげる醍醐味をそのままに…。
凹凸すら趣きになる石畳みの感触、青い空、樹々を渡る風を感じながら丘の上の本屋さんにたどりついたら、きっとあの奥の席でリベロの話をエシエンが生き生きとした目で聞いているのが見える気がする。
そして私の自由な発想は、おもむろに顔を上げたリベロがやさしく出迎えてくれるんじゃないかと思ってしまう。
どーんとくる最後だけは、もうすこしオブラートに包みたかったので、そこだけ薄目をあけてみるくらいがいいかも^^;
修正済み
【エンディングが…好きじゃないやつ】
読後の感想を教えるのを条件に無償で売り物の本を貸してあげる老店主とどんどん読書に没入していく好奇心旺盛な少年との遣り取りは、風光明媚な丘陵地帯の絵面とカンツォーネも相まって『ニュー・シネマ・パラダイス』のアルフレードとトトの姿がふと浮かんだ。
”読書は人生を豊かにしてくれる“とサラッとしたメッセージで終われば本作そのものが一冊読み終えたような達成感だったものを、国際人権章典?だのUNICEF⁇だのプロパガンダ要素が出てきて俄かに興醒め、エンディングで★が1つ減ってしまった。
少年と古書店
石で覆われた店並み石畳
そこから見下ろす景色はすばらしい
隣はカフェでくつろぐ人たち
おしゃれな雰囲気が心地いい
少年がこれから
たくさんの本を読んで知識を得て
将来に繋げて欲しい
おじいさんの願い
古本屋さんの
日常を描いているので
劇的なことは何も起こらない
のんびりと日記を読んで
一日を終える
お客さんとの会話もどこか優しい
音楽が眠気を誘うかも~
【「世界人権宣言」本から得た知識と正しき思想は一生の宝物なのである。今作は、心優しき年老いた自由を愛する古書店主とアフリカら来た移民少年の交流を軸に、本の大切さを描いた作品なのである。】
ー 古書店主ののリベロ(イタリア語で自由)の店には、様々な客が来る。-
・冒頭表れたのは、ナチス思想に被れた男である。彼は「我が闘争」を求めるが、リベロは無いと言い、代わりにその男に分厚い本を渡し、”この本にはあらゆる人物の事が書かれていますよ。”と言う。あの本は、愚かしきナチスの所業を描いた歴史書であろうと、勝手に推測する。
・ある日、リベロの家に有色人の少年エシエンがやって来て、店先の漫画本を眺めている。リベロは”どれでも、持っていって良いよ。””お金が有りません。””貸すだけだから、お金は要らないよ”と会話を交わし、少年は嬉しそうに本を抱えて走り去る。
・そして、3度目からはリベロは少年に「ピノッキオを大冒険」や「イソップ童話」「星の王子様」「白い牙」「白鯨」などを順番に貸し、返しに来た少年に感想を嬉しそうに聴くのである。
■リベロの店には、初版本の収集家や、自分が出版した本を探す教授、発禁本(政治的な理由で)に興味を示した牧師など、様々な人がやって来る。
神父には、”発禁本だから売れません。但し、読んだら又持って来てください。多くの人に読んで欲しいので‥。”と言ったりする。
リベロの店の隣のカフェを営む青年も、毎日やって来る。体調の悪いリベロを気遣う優しい青年であり、好きな女性の気を引こうと頑張る青年である。
<ある日、リベロはエシエンに青い薄い本を貸し出す。
だが、エシエンがその本を返しに来た時には、店の戸は締められている。
店の戸には”喪中につき・・。”と記されている。
そして、隣の青年がエシエンに渡したリベロからの手紙。
エシエンの手には青い薄い本「世界人権宣言」が握られているのである。
今作は、本好きには堪らない佳品だと思います。>
本を読むのが好きな人には刺さる
試写会にて視聴。
上映後のパンフレットに寄稿した作家と翻訳家の対談は退屈を極め、余韻を汚す悲惨なモノであった。
マイナス評価終了。
以下つらつらと。
石造りの街並みがとても綺麗。
日本人的に住みたいとは思わないけれど、歩いてみたい、そんな街。
主人公のリベロ爺を中心とした登場人物の繋がり、掛け合いに生きた血が通っている様で、素敵。
特に毎日のニコラとの掛け合いは羨ましいを通り越して尊い。
エシエン君、始めは女の子かと思った。
漫画読みから白鯨を読めるようになるのは中々素質が高い。
本好きならこんな子、育成したくなる気持ちも良く解る。
薦める本のラインナップが渋い。
日本の今の子供だと多分うまく行かない。
多分ピノキオで読まなくなる(悲)
シュバイツァと星の王子さまを薦めるのは、思わず唸るほど共感できる。
総評:本屋さんではなく古本屋さん。
それが凄く大事。
追記:京極夏彦の「書楼弔堂」シリーズと三上延の「ビブリオ古書堂」シリーズ好きの身にはイタリア版のそれに思えて終始多幸感に包まれて観ていた。
古書は渡り歩いた持ち主によって育ち続ける。
本とかつての持ち主との物語を読み解くのが古書の醍醐味の一つであり、その意味でもリベロ爺のエシエン君への無料レンタルや禁書本は販売ではなく進呈と言うスタイルはしびれる程カッコイイのだ。
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