劇場公開日 2023年6月2日

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ウーマン・トーキング 私たちの選択のレビュー・感想・評価

全128件中、121~128件目を表示

5.0言葉にできない。女性たちの苦しくも希望を捨てない強さに涙。

2023年6月2日
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泣ける

悲しい

知的

初めて映画のレビューをする。
この映画はレビューを書かないではいられなかったのだ。
今まで観た映画の中で、心の1番奥深くに刺さった映画だった。
女性たちが話し合っているシーンがこの映画の大半を占めるわけだが、一瞬たりとも集中が途切れずずっとスクリーンを凝視して観てしまった。
すごく強い映画だ。
このテーマは、時代や地域、宗教のいかんに関わらず、男と女がいる限りなくならない問題だと思う。
男性という人間の在り方が問われていると感じた。
本作は是非男性に観てほしい。

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うゆか

4.5重厚で奥深い作品。デイ・ドリーム・ビリーバーが流れるシーンでゾワゾ...

2023年6月2日
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鑑賞方法:映画館

重厚で奥深い作品。デイ・ドリーム・ビリーバーが流れるシーンでゾワゾワと立つ鳥肌。これは特殊なコミュニティーの中のお話しととらえて良いのだろうか? 鑑賞中、感動とはまた違った類の涙が・・傑作。

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こち

4.0今日的な問題を扱いながら、同時に時代を超越する「みんなの物語」

2023年6月2日
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鑑賞方法:試写会

激しい暴力シーンや泣き叫ぶシーンは一切出てこない。しかし彩度を抑えた静謐な画面からは、女性たちのひそかな怯えや抑圧された怒りがひたひたと伝わってくる。

このコミュニティは一体どこなのか。時代は遠い過去か、あるいは近未来か。全てを曖昧にしたまま(映画の中盤で時代は明かされるが)、映画は濃密な「討論劇」へと足早に私たちを引き連れてゆく。

どうやらこの村の男たちによって、女性たちは長らく世俗から隔離され、読み書きを学ぶ機会を奪われてきたようだ。信心深く、聖書のことばや賛美歌は諳んじることができても、地図上で自らの所在を確認することすらままならない。そんな彼女らが干し草が山積みされた納屋にこもって、男たちの不在中に投票と激論を繰り広げる……。

本作は、あえて時代や場所を曖昧にして普遍化を図る。「事件設定がきわめて特異である」「今の日本社会の現実からかけ離れている」とか、「男である自分には関係ない」「信仰心が薄い/性被害経験がないので想像がつかない」といった理由をつけて、本作を意識の片隅に押しやってしまっては勿体ない。この作品は、世の中が決して「自分の知っているようなもの」ではない、とそっと突きつけてくるのだ。自分の価値観とのズレを意識し再考するきっかけが間違いなくここに在る。

閉じられた空間で進行するスリリングな討論劇というと、真っ先に映画『十二人の怒れる男』が思い浮かぶ。だが、あの陪審員たちはヘンリー・フォンダも含めて全員が「自分たちの正義を信じてやまない」「男たち」だった。本作の討論者はみんな「被害者」で「女性」だ。むしろ「女性を取り巻く、古びない問題を扱う」という点ではジョセフ・ロージーの遺作『スチームバス/女たちの夢』の方がやや近いかもしれない。また全編にわたる静謐な空気感はどこかケリー・ライカート作品を思わせる。さらに賛美歌を歌うシーンでは幾つかのジョン・フォード作品も思い出した。

多くのシーンは納屋の薄暗い室内で進行するが、時折、広大に拡がる畑地と青空、“外の世界”へと繋がるあぜ道が、大きく開け放たれた引き戸から覗く。いま暮らすコミュニティが世界の全てではないこと、“外の世界”への憧れと開放感、また“そこ”も決して安全ではないこと―――それらすべてが一目で見て取れる、きわめて印象的なシーンだ。

登場人物は、討論メンバーはもとより脇役に至るまできっちり描き込まれ、一人ひとりが忘れ難い。なかでも、「男たちを赦す」選択を採るフランシス・マクドーマンドは、出番こそ少ないが圧倒的な存在感を放っている。深い傷痕と皺が刻まれた彼女の無言の表情からは、彼女独りの人生にとどまらない「過去すべての女たちの歴史」が推し量られ、胸張り裂けそうだった。もうひとり、討論の書記を務めるベン・ウィショーは、「純真さと教養をもった良き理解者」「愛する人を見守る者」といった“顔”だけでなく、実はもっと複雑な思いを秘めた人物像を体現していて、最後まで一挙手一投足に目が離せなかった。

もうひとこと。本作の挿入曲として、モンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」(‼)と讃美歌320番「主よ 御許に近づかん」の2曲が実に効果的に使われる。特に前者については、劇中で不意に聴こえてくるインパクトとともに、ラストで再度流れる際にその歌詞内容(「青い鳥の羽に隠れる/目覚ましが鳴らない/白馬の騎士/夢見心地の男/学園祭の女王」…)から、現実への深い失望、それでも諦めない未来への希望のような両義性が汲み取れて、強烈に印象に残った。

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ドミトリー・グーロフ

4.5エンドロール最後まで観て、しみじみ素晴らしかったと噛みしめる作品。

2023年6月1日
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鑑賞直後、悲しみや感動とは単純に言えない涙が溢れてしまったのを、よく覚えています。

違う意見を持った者同士が、争わず否定し合わず、
互いの幸せ、安全のためにどうすべきかひたすら話し合う。

"赦しとは?"

あってはならない暴力を前に、冷静さを失わないよう懸命に対話する姿は、ものすごく凛々しくて。
人々の違う考えがぶつかり合い、時に傷つけ合うこの今の世の中に当てはめて観ることもできる一作となっています。
人として取るべき行動は?

エンドロール最後まで観て、しみじみ素晴らしかったと噛みしめる作品でした。

ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー…違う主張を持った女性それぞれの逞しさ、美しさを演じ上げています。
そして、出番は少ないながらフランシス・マクドーマンドの存在感はさすが…この役どころか…と思わず唸りました。(心の中で)
今回は、ブラッドピッド率いるプランBと共に、プロデュースも務めています👏

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山田あゆみ

4.0「泣ける映画」にしてはいけない

2023年5月27日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

試写会にて。
目を背けたくなる様なシーンなどはなく、あくまで彼女達の2日間の話し合いをメインにした会話劇
その言葉に含まれる彼女達の気持ちを想像して、女として不意に感情が溢れて涙すること数回
これが2010年に起きている事件であることが恐ろしい

赦すか、闘うか、去るか…

未来への対話とその結論は「感動」という言葉ではまとめてはいけない

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なごん

5.0南十字星に向かって拳を突き上げろ!

2023年5月27日
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鑑賞方法:試写会

原作は2005〜2009年にかけて起きた事件を元にしているそうです。「めっちゃ最近じゃん!怖っ!」と思いましたが、
実際に映画を見て「違う!これはどこかで起きた事件ではなくて、今現在の私の事だ!」と感じました。

恐ろしいことに、自分自身の固定概念/常識/普通の中にも間違いが潜んでいる。
何をもって間違いだと判断して、どう向き合うのか?
その答えの導き方がこの会話劇に詰まっていました。

キリスト教の宗教感で語られる部分が多いですが、ろくな教育を受けられず読み書きも出来ない女性たちの話し合いのなかに、
インドのマハトマ・ガンジーの精神を見る衝撃!
置かれている立場や国や宗教が違っても、南十字星のように不動の判断基準があることを確信しました。
ゴールが遠過ぎて見えなくても、迷った時は南十字星を確認すれば良い。
恐れずに一歩を踏み出す勇気が胸を打ちます。

同じ体験をしても、個人個人で受け止め方も違えば、反応も違う。
関わる年代や立場でも違う。
女性を取り巻く様々な問題が語られ、考えさせられることが沢山ありました。
なかでも私が強く感じたのは子供への教育の大切さ!
教育とは知識の取得だけではなく、未来そのものなのだと感じました。
このテーマを描く切ない愛が、また泣けます。
子供は親の所有物ではないから強制は出来ないけど、どこから子供の判断を優先させるべき?親の庇護下における線引きは?など、この先の不安材料も残しつつ…
でもまた何か問題が起きたとしても、きっと彼女たちなら話し合うことで解決を導き出せるはず。

全ては対話することから始まる。
南十字星に向かって拳を突き上げろ!
日本からは見えないけど。笑

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shiron

4.0人里離れた場所で外界を避けて暮らす オールドコロニー キリスト教の...

2023年5月14日
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鑑賞方法:試写会

人里離れた場所で外界を避けて暮らす
オールドコロニー
キリスト教の一派である"メノナイト"
(歴史は古く非暴力·平和主義をとなえる)
に属する信徒たち
("メノナイト"を知らなかったの)
(自給自足で男性に従って生活している)
(女性たちは読み書きすら出来ない)
いつの時代の話かと思いながら観ていたら…

ある事件をきっかけに
信仰や魂の赦しについて議論を交わす
自分たち
子供たちを守るために
前へ進む

2005~2009年に
南アメリカ ボリビアで実際に起きていながら
女の妄想と切り捨てられていた事件
ミリアム·トゥズの小説
「Women Talking」が原作で
ベン·ウィショー演じる
オーガスト目線で描かれている作品

悔い改めるなら赦す
彼らを赦し神の御手に委ねる
赦さなければ神に許してもらえない
被害者は忘れ許すしかない
そう考える人が今もそこにいる

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lily

4.0初めてのお願いがこれなのか。。

2023年5月9日
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なんか凄いの観てしまった。
映画も実際の事件もあらすじだけ追ってからの鑑賞だったけど、何が一番びっくりだったかというと、犯人たちが全く出てこないのに彼らに対しての女性達の恐れ、怒り、居なくなった時の不安がひしひしと伝わってきて、まるで自分もその男性陣をみてきたように存在を感じたこと。彼らがどんな奴らなのか、どれだけ女性達を人扱いしていなかったかが会話の隙間からとめどなく漏れ出して、怒りがおさまらなかった。

このコミュニティの女性達には意見を述べるという、人として当たり前の権利すらなかった。非道な問題が起こって初めて、女性達だけで問題解決に向けて話し合いを重ねて、自分たちで決めた結論で行動をした、というのが大きなテーマなんだと思うのだけど。

とにかく学ぶ権利を奪われているのがしんどい。女性が賢く知恵をつけることに対しての男性の恐怖心なのか、閉鎖的な環境の中で普通の教育を受けられず、その普通を知らないことによる歪みがこの問題を大きくしてしまったように思う。
非道な暴力は女性達を人扱いしていない延長線で、なぜ人扱いしないかというと、そういう教育をコミュニティの中で受けたから。それは今の世で村の外にいたら逆に絶対やってはいけないこととして教えられる事を、これが正しい考えだと教えられていたからだ。教育は洗脳。学びの大切さを改めて感じた。

女性達が初めて男性達に意見したことが、言葉ではなく行動だったことに色々考えさせられる。
閉鎖的な環境で同じ価値観を共有し、同じ言語を持っていたはずなのに、男女の間では通じる言葉を持たなかったんだなと思う。
事件があまりにも非道なのはもちろんだけど、それ以上にこの問題を作り出した環境について考える必要があると思った。

ほいでテーマ曲だけど。
私、この歌大好きだったのね。
大好きでカバー曲も原曲も大好きだった、のだけど。
もうこの曲聞くたびに村のことを思い出すわきっと。

えっと長くなりましたが、直接的な表現はされないので、娘にもみせられるなと思いました。(観たがったけど、暴力的なシーンに弱いから今回は夫と観ました。)
老若男女を問わず観て欲しい作品でした。

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icco