水は海に向かって流れるのレビュー・感想・評価
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素材は良いのに、もったいない
衣装から花からインテリア小物までカラフルでキラキラな映像コーディネートは、インスタ世代を意識した“ばえ”演出か、将来の配信でのスマホ視聴を見据えた作りなのか。
「子供はわかってあげない」に続き田島列島の漫画が実写映画化されるのは2作目。数多くのランキングで上位に入り手塚治虫文化賞新生賞の受賞理由にもなった原作は未読ながら、映画公式サイトに掲載された抜粋を見ると、素朴だが味わいのあるキャラクター造形、恋愛しないと宣言している榊さんや売れていない漫画家の茂道をはじめ服装はシンプルで地味目の印象だ。
榊さん役の広瀬すずと茂道役の高良健吾は人気・実力で世代トップクラスの演者だし、高校生の直達役の大西利空と同級生の楓役・當真あみも共に十代ながら多数の作品で目にする売れっ子。前田哲監督は、生年は非公表のようだがインタビューで岩井俊二監督(現在60歳)とほとんど一緒の年齢と語っていたし、1998年に監督デビューして以来メガホンをとった映画は20本以上あり、ベテランの部類に入るのだろう。
高評価された原作漫画に、メジャーなキャスト陣と、素材は良いのに活かしきれていないもったいなさ。これは、思春期や青春期を描いた漫画を人気俳優のキャストとベテラン監督の組み合わせで手堅く(冒険しないで)稼げる実写映画化作品を量産してきた、日本の商業映画の構造的な問題ではなかろうか。まず榊さんのキャラクターで考えると、広瀬すずが(派手ではないにせよ)きっちりメイクして衣装もおしゃれで、恋愛から距離を置いている榊さんにしては人目をひく美人すぎ。代わりに誰とはすぐに思いつかないものの、広瀬すずほどわかりやすい美人でなく、もっとあっさりした顔立ちだが見慣れると人柄の良さがにじみ出てくるような、なおかつ化粧っ気のない顔でカメラの前に立てる二十代半ばの女優をキャスティングできなかったか。高良健吾が演じる脱サラした漫画家も、年齢不相応のキャラクターニット帽にカラフルコーデで薄っぺらくてリアリティーに欠ける人物造形だ。
冒頭に出てくるポトラッチ丼になぞらえるなら、高級和牛を普通のめんつゆで手早く味付けた料理を振舞われるのに似て、味覚が発展途上の十代なら最高に思えても、年相応に食の経験を積んだ大人なら「適切に調理すれば素材の良さをもっと楽しめるのにもったいない」と感じるようなもの。沖田修一監督・上白石萌歌主演の「子供はわかってあげない」が素晴らしかったからなおのこと、この「水は海に向かって流れる」も逸品になり得たのではないかと。
「何もなかった」とは言いつつも…。
<映画のことば>
千紗ちゃんは、16歳のまんまで時間が止まっちゃってる。
自分でだって、動かした方がいいってことは、分かってるだろうけど。
「何もなかったことにして暮らしたい」とは言うものの、その内心は、「何もなかった」訳でもないし、あまつさえ「何もなかったこと」には、できないことも、千紗自身の中では百も承知、二百も合点。
しかし、雨として地表に降った雨は、川に集まって流れ下り、いつかは海へとたどり着く。
その万古不変の自然の摂理と同じように、千紗と母親との関係性においても、結局は「血は水よりも濃かった」ということだったのでしょう。
そんなこんなの、千紗と彼女の母親との関係性が、なんとも胸に痛い一本でした。評論子には。
かてて加えて、千紗を演じた広瀬すずの演技が圧巻の一本でもありました。
佳作であったと思います。
(追記)
それにしても、ピュアですねぇ。直達君は。
彼と千紗との「年齢の差」というものも、その一点に昇華していたのかも知れないと思いました。本作の場合では。評論子は。
今はもうすっかり、そういうピュアさ加減というものは、人生のどこかにまるまる置き忘れて来てしまったような評論子ですけれども。
思い返してみれば、直達君と同じような世代の、やおら半世紀も前に遡ってみれば、こんな感じとも、そう違(たが)わなかったような気も、しないでもありません。
思わせぶりな題名にダマされた私が馬鹿でした
自分だけの世界から、自分とは違う他人が存在することを知り、自分の思いとは無関係に動いていく現実を受け入れ折り合いをつけていくことが、成長するという事です。若い頃は、大人が大人であることがカッコよく見えたものです。時代は昭和でした。でも、今の青春は、自分が未熟であることに気付かず、成熟することをダサいと思っているのでしょうか。
二十代半ばの女性を演じる広瀬すずが可哀そうでした。妙な台本を演じるには、無理な演技にならざるを得ない。
でも、怒っている広瀬すずは魅力的でした。芯の強い女性、あの強さは広瀬すずでなくてはなかなか難しい。
原作が悪いのか、脚本、監督が悪いのか、映画会社に問題があるのか。邦画が奮起してくれることを期待をします。
ずっと怒りを抱えているのって無駄だと思う
叔父の家に住むことになった直達。
叔父はシェアハウスで暮らしていた。
そのシェアハウスに住んでいた榊さん。
榊さんは無愛想で、直達の父と面識があり過去に秘密があった。
過去にあった出来事とせいで榊は心を閉ざしていた。
直達は榊の過去のことを知り、けじめをつけようとして一緒に行動したという内容だった。
昔の出来事にとらわれていて、苦しんでいるのはとてもつらいことだと思います。
それだけ、その人にとっては大切な出来事だったんだなと思います。
相手に対して怒りを維持することはそれだけ相手に対してなんらかの繋がりが欲しいかなと個人的には思っているので榊さんの諦めている感じがよかったです。
直達くんのキャスティングが良かった
直達くん役、おそらく設定と同じ年齢であの雰囲気の子をキャスティングしたのが一番評価できる。
彼の瑞々しい感性と演技で映画の魅力がぐんと上がってた。
はじめの方は広瀬すずが綺麗すぎて普通のOLって設定は無理があるよな、、と思ったけどキッチンに立って心の苦しさを流すように黙々と無愛想に料理する後ろ姿に打たれました。すごく印象に残った。どこか孤独で、かわりに泣きたくなるような。
あとシェアハウスの家具や装飾品、ちょっとした生活に寄り添うもの、小道具とか、そういう美術が凝っていてすごい。
まぁまぁ重めのテーマを軽快かつポップに描く田島列島独特の雰囲気をちゃんと意識して実写化してたのも良かった。
久しぶりに良い映画を観ました。
歳の差恋愛ドラマじゃないよ
怒っていい。許さなくていい。
でも、幸せになろう。
幸せになっていいんだよ、幸せになるべきなんだから
過去の出来事で時が進められずにいる時
ちゃんとその想いと向き合うことで
時を動かそうと思える、やさしい作品
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楓ちゃんが
「好きな人」に「この、ハート泥棒!」って言うの
可愛くて好き。
いい話でした。
直達君の純粋無垢にやられました。
いい子すぎるでしょう。
あんなに冷たい榊さんは、最初はこじらせ女子だと思って見てたら、過去に親の不倫があって、その不倫を知った当時16歳の榊さんは、母親から
【好きな人ができたらわかるわよ】と言われても
分かりたくもないと、【私はこの先恋愛しない】と
言い放ち、そのあと母親は帰ってくることなく
会うこともなく、言葉の通り、榊さんは恋愛せず生きてきたようでした。
怒ったことを忘れないや、半分持ちますやら、
パワーワードです。純粋無垢から来るからこそ
本気で言ってくれてるのが伝わるし
大人の社交辞令とか、変ないやらしさとかなく
本気のあの時のあの子なりの人への言葉!を力強く感じる時間がよくありました。
10代だからこそ言える何にも染まってない強い言葉と
本気の気持ち。
結局、直達くんは、同級生の子と結ばれると思ってたら、しっかり榊さんにラストで告白してて、うぉぉーーい♡ってなりました。真っ直ぐってかっけぇす!笑
まんざらでもない榊さんもかわいいし、広瀬すずの演技すごいなぁって思う作品でした。
抜擢された無名の直達君役の彼もすごく自然体で
純粋度100が伝わってくる演技で素晴らしかったです。
恋愛模様はあるけどエロは一切ゼロで、
なんだかすごく見応えのある連続ドラマを毎週見てるみたいな気持ちになる長くいろんな感情を感じられあいうええる
テーマ❌すずちゃん
どうしても海街ダイヤリーを思い出してしまう、、
そして、まさかの恋愛。。。
あの家の家賃や食費、家事分担はどうなってるの?
や、外食にかかる費用は。。。?など余計な事がチラつく、、、。
ニャンコも「捨てられた」同じ境遇なだけで
榊さんが世話したり可愛がる様子はなく、、、
ストーリーにほぼ無関係。
榊さんのキャラクターが
始終やな奴、って感じで
ずっとムスッとしてるし、喋り方も仕草も目線も全部可愛げない、、、
バリキャリ女子とかなら分かるけど、
そんな雰囲気もなく。。。
波瑠ちゃんとか、大人女子じゃないと、、、
すずちゃんの幼顔に全然合ってない。
榊さんの母親も何言ってるの?コイツ?状態で
ぶん殴りたくなった。
中学生の男の子、幼さ満載、
ザ•中学生!の顔
なんだけど、申し訳ないけど、
恋愛要素にするなら、ドラマ「中学聖日記」の
岡田くんが最高でした。。。ごめんなさい。。。
顔は幼いけど、やる事が中学生みがなくて
人生つまんなそうな中学生と、
何故か始終機嫌の悪い榊さんと
ずっと不倫した親の子供同士の会話、、、
ずーーっとジメジメしたいやな空気、、、
映画自体、
面白みも何もなく、不倫って良くないよね?
親同士が解決してても、子供はずっと辛いよね?
っていうのがテーマ?なんだろうけど、、
誰に向けた映画なんだろう、、
不倫中の男女???
恋愛要素、ほんま要らん。
すずちゃん、本当にすごい可愛いんだけど、
私には合わないようで、顔が可愛いと、妹役は年齢的に厳しくて、お姉さん役は合わないし、ギャグも出来ないとなると難しい、、、。頑張って欲しいけど、、、もう主演は見ないかな、、、。
そしてバトン〜の人か。。。!ある意味納得、、
この映画、唯一、茂道おじさんだけが生きてた。
初キャラ?
広瀬すずにとっては挑戦に近い役だったのかな。影があるミステリアスな女性の役所にしては、やっぱり可愛すぎる。。そこでブレる。。可愛すぎるのもなんですね。要所で出てくる料理はどれもうまそうだったなぁ。最後は恋は叶わないで欲しい。。個人的な意見笑
原作の雰囲気が失われた
原作には軽妙な感じがあって、それがすごく良かったのだが、映画になってその雰囲気が消えてしまったのが残念だった。広瀬すずの演技は悪くはなかったが、カッチリ化粧され美人すぎて、もっとラフで雰囲気のあるナチュラルな感じの女優さんのほうがよかった。千紗が一歩を踏み出した原作の最後部分が映画では描かれていなかったことが残念。
11-062
広瀬すずの存在感
2時間以上ある内容の割には物語終了まであと25分といったところで漸く引き込まれる部分が出てきました。それは終盤の広瀬すずさんの悲しみを押し殺すお芝居と実の母に怒りをぶつけるお芝居の素晴らしさによるものですが、これがあってこの作品は持ち堪えたように思えます。
元々ベースが明るくはないので淡々とした雰囲気が続き、人間関係の複雑さを抉り出したような作品です。
個人的には広瀬すずさん以外のキャストを知らずに鑑賞したため、想像以上に豪華なキャスティングだなーと思いながら観終えました。
あとこれは観た方によって捉え方が変わるためネタバレになるかならないかの判断が曖昧なところですが、広瀬すずさんと大西利空さんの関係性はいっそ恋愛っぽい要素は無しの絶妙な関係性のほうがオチとしては気持ちよかったかなーと思いました。
事あるごとに供される食べ物が気になります。
JALの機内上映で鑑賞。隣に座った男のコロンがキツくて辛かったよ。
それはさておき、海外の多様な民芸品が溢れる日本家屋に広瀬すずがいると「夕暮れに、手を繋ぐ」かよ?と思っちゃいますね。
それもさておき、普段ロードショーで観る映画は主なキャストとか把握しちゃってますけど、前情報なしで鑑賞するのも面白いですね。特に直達の父と榊さんの母は誰が演じるのかとワクワクしました。両キャストとも良かったです。
坂井さんは男に引きずられちゃいそうな風情もあるし、広瀬すずと並んでも違和感のない母娘像。北村さんは、お父さんホントに昔モテたんですか?とは思いましたけど、嫌な奴には成り切らないコミカルな落とし所は流石だと思いました。
高良健吾は脇役の方が光りますね。ニゲミチ先生役、セリフが少なくて良かったです。
他の方のレビュー見てると、広瀬すずが綺麗すぎるとか、演技力がザルだとかの意見が目立ちますが、私は良かったのではと思いました。高校生の恋愛をからかう余裕と、高校生と変わらない精神性が同居してましたし、何より、あれくらい綺麗でないと10も年下の高校生はよろめきません。
ポトラッチ丼、バーベキュー、生卵入りカレー食べたくなります。
あと男子高校生。好きな女性と旅館に泊まったら、どうせ何も出来ないだろうけど、何かしろ!
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