劇場公開日 2024年2月9日

「等身大の女性を描いた佳作」レディ加賀 あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0等身大の女性を描いた佳作

2024年3月16日
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鑑賞方法:映画館

加賀温泉を盛り上げようと奮闘する地域の物語。と一般的には紹介されるのかな。
それよりも、タップダンサーとしての夢破れた主人公が、さてこれからどうやって生きていこうか、という等身大の物語、という方が正確でしょうか。

世の中そんなものだよね。明日を生きられないほどお金に困っているわけでもない。でも生活を考えれば仕事はしなくちゃいけない。
そんな中で、今まで見向きもしなかった家業に目を向けて後継ぎを考える。それはごく自然なことで、決して卑下するようなことではありません。
観光地を盛り上げようなんて崇高な目的でなくても、流れ上参加することになったイベントで自分の得意なタップダンスで周囲の役に立ちたい。そんな普通の善良だけどそれなりに怠惰な等身大の女性を小芝風花さんが演じています。
完全無欠の主人公でなくても良いじゃないですか。

森崎ウィンの展開には驚いた。松田るかさん、好きな若手女優なので、もっと活躍して欲しいですね。

そんなに重いテーマ性があるわけではありません。行政も参加している観光PR的な映画は結構多くて、どれもまぁこの程度の軽いテイストです。あまり重いテーマを扱うとイメージが良くならず観光PRにならないのでね。こういった映画にありがちなご都合主義的な展開も多いですが、まぁそれも含めて楽しめる軽く楽しい映画でした。

映画中、3度の危機という表現がありましたが、タイムリーにも今年は4度目の危機になってしまいました。陰ながら応援したい気持ちを込めて⭐︎4つとしました。

あいわた