劇場公開日 2023年12月1日

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「日本に高い関心と好意を寄せる国、キルギス!」父は憶えている 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日本に高い関心と好意を寄せる国、キルギス!

2024年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

聞いてはいたけれど、何と言っても驚いたことは、キルギスの人たちが日本人および朝鮮民族と驚くほど似ていること。それも男性が女性より似ている気がする。思い出されるのは、80年代に大阪医大の松本先生という方がGm遺伝子を研究し、シベリアのバイカル湖畔に北方系モンゴロイドのオリジンがあり、日本人のルーツでもあることを明らかにされていたことだ。当然、ウイグルやキルギスはバイカル湖に近いので、日本人と似ていてもおかしくはない。今日では、この研究は、ほぼ忘れられていたのだが、近年、金沢大学を含む国際研究チームが、これまでの常識を覆す研究成果を公表し、いわゆる弥生時代には北方系のモンゴロイドが、古墳時代には南方系のモンゴロイドが、それぞれ日本列島に移ってきたとのデータを発表された。これから解明がさらに進められる必要があるが、いずれも、キルギスの人たちと私たちが似ていることを支持する結果だ。おそらくそれを反映してのことだろう。映画の中で出てきた小型トラックは韓国のH社製、乗用車は、かの日本の誇るLブランド。キルギスから日本に寄せる高い関心と好意が感じられてならなかった。
もう一つ気になったことは、アクタン・アリム・クバト監督自身が演じた主人公ザールクは、おそらく外傷による脳器質性精神障害(高次脳機能障害)を患っているらしいことだ。それも多分、交通事故後の。髪を長く伸ばしていたことも、それを裏書きしている。エピソード記憶(身体で覚えた記憶)を反映して、ロシアでもともと、あるいは事故後の訓練で、ごみの片付けをしていたのだろう。もしかすると、木の根元を白く塗装していたことも(虫よけ?)それだろう。長男のお嫁さんは、正しい知識を持っているようだった。
それにしても、高速道路や鉄道はもちろん、多くの人が(私よりも)スマホを使いこなし、コロナの知識も十分持っているように見えた。
もう一つの大事なポイントはイスラム教だろうけれど、日本にとっての仏教と同じくらいの歴史があるだろうから、今度、キルギス映画を観るときのために、とっておこうと思う。

詠み人知らず