劇場公開日 2022年11月11日

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ペルシャン・レッスン 戦場の教室のレビュー・感想・評価

全23件中、1~20件目を表示

3.5Unorthodox Holocaust Survival Tale

2022年11月2日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

With Timur Bekmambetov in the production credits, you can't ignore his contribution to making this film throw in a new approach to experiencing the hardship of the Jewish Holocaust. It's the story of Gilles, a Jew whose appearance lets him dupe Nazis into thinking he is Persian. Based on a German short story, the Russian producer's knack for swimming against the current produces emotional results.

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Dan Knighton

4.5語学をツールに生き抜いたユダヤ人青年の話

2024年2月16日
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鑑賞方法:TV地上波

知的

語学をツールに生き抜いたユダヤ人青年の話だが、語学の教師として架空の語学をどう作り上げていくかに興味があったせいで、ストーリーとしてはあまり感激しなかった。アルゼンチンの役者で、主役ナウエル・ペレ・ビスカヤーの演技は抜群で、彼の表情から恐怖感を感じるが、強制収容所の生活を映画などで知りすぎちゃったのかもしれないせいか、恐怖感もスリル感もなかった。『Inspired by a true story』と字幕に出たのでこのフレーズに違和感があり、観賞後調べたら、ドイツの作家Wolfgang KohlhaaseのErfindung einer Sprache を元にして脚本家が脚本を書いていると。Erfindung einer Sprache に感動し、脚本を映画にしたわけだが、Erfindung einer Sprache が本当の話か検索したがみつからなかった。Inspired(感動)したわけであるが、本当の話を映画にしたとは書いてない。屁理屈を言うようだが、本当の話に感動して脚色もあると言うことだ。

1942年フランスでと字幕に。

この作品では、ユダヤ人の名前の一部分をとって、それをペルシャ語に変えているようだが、幸運にも誰もペルシャ語を知らないから、これらの言葉が本当にペルシャ語かどうかもわからない。これは、ジル(ナウエル・ペレ・ビスカヤー)が収容されたユダヤ人の姓名を記録として書き写す仕事をしていて、その帳面に、定規をまっすぐ置いたところから、この案が出てきた。それもナチスのコッホ大佐(ラース・アイディンガー)が完璧主義で一糸乱れずするジルの書き取りのスキルが気に入ったからだ。それに、また、コッホ大佐がジルに鉛筆を与えなかったから、記憶力が磨かれたのだ。完全にこのペルシャ語にかえるメカニズムを理解していないが、Youだとするとこの変換 なら ドイツ語名前のKlaus の AUをとってペルシャ語のAUの音にしている。これらの作業から、ユダヤ人の二千八百四十人の名前を覚えてしまったのである。最後のシーンで一人一人のユダヤ人の名前を記憶から蘇えさせ、発音していくシーンは心に響いたよ。スープを配るとき、一人一人の名前を尋ねるシーンとダブったね。アントワープ出身でドイツ語とフランス語、フレミッシュ語のできる、主人公のジルは記憶がいいねえ。記憶ばかりでなく、言語を変化させて新しい言語を生み出すアイデアと才能に長けている。ルドヴィコ・ザメンホフたちのエスペラント語の考案のようなものかもしれない。それに、おかしいところはコッホ大佐は四角四面で細かいようだけど、数のスキルがいまいち。一日4単語覚えて、一週間で24単語だと。日曜日は休むからこれでいいけど。ジルに40単語を訳せと言ったときに39しかないよとジルが答える。そして、その後、『本当』という単語を加えて40にする。こんな会話をしながら、コッホ大佐は最初、嘘をついていたら殺すという勢いだったけど、だんだん、『ジルが本当のことを言ってるかどうか、まだ、わからないねえ...』のような調子になり、囚人に缶詰をあげる時も、誰にあげるか念を押して聞かなかった。いいシーンだね。

圧巻はコッホ大佐が自分の身の上話(貧しく、夢にまで食べ物が出て、料理人になる道を選んだ)をジルにするところだ。これはジルに心を許し始めている証拠。じかし、逆に、ジルは自分も殺されると言う恐怖を超えて、自分一人が助かっていくが目に見えてわかるから、心が重くなっていく。スープを給仕してあげて名前を尋ねているがそれらのユダヤ人が一人一人消えていくのだから。そして収容所は空になって、また、他のユダヤ人が入ってくる。

圧巻の圧巻はジルがイタリアからの唖者の人にジャケットをあげ、ナチ強制収容所のバッジのあるジャケットをきて射殺されようとしその群衆の中に入っていくシーンから。コッホ大佐がジルを見つけつまみ出し...そこでの会話だ。ここではすでに、ジルはなんでも言える存在になっているより、殺される構えができている瞬間だ。だから下記の会話が存在する。この二人の関係を数字10で例えるなら、ジルの方が9くらいの力をもう持っている。コッホ大佐はジルとの会話(下記)で、1になっている。大佐の今までの権力も迫力よりもジルの方が優っている会話だ。『No. You just make sure that the murderers eat well.』がその意味をより明らかにしている。パワーのある言葉だ。

(会話を意訳した)

大佐:唖者を自分の命と引き換えにするのか?唖者のために、なもなき連中と(nameless Horde)一緒に死ぬのか?

ジル:ただ、名前がないだけだ。大佐は彼らの名前を知らないんだよ。彼らは大佐とおんなじなんだよ、(おんなじ人間)少なくても、殺し屋じゃないよ。

大佐:私は誰も殺してはいない。大佐は殺し屋たちを食べられるようにしているよ。No. You just make sure that the murderers eat well.

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Socialjustice

4.0名もなきユダヤ人たちへ

2024年1月2日
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このホロコースト映画は、おそらくラストのオチありきで組み立てられた作品だろう。ユダヤ人強制収容所でナチス親衛隊将校たちに美食を提供するコッホ大尉が、いくらペルシア語を学ぶためとはいえ、なぜあれほどまでにユダヤ人青年ジルを躍起になって守ろうとしたのだろう。テヘランに移住した兄と和解するためというのは口実で、当初からナチスドイツ戦局不利を予想していて、チャンスあらばテヘランにいつでも逃亡できる計画を予め立てていたからではないだろうか。

ユダヤ人収容者の名前と偽ペルシャ語の単語を結びつけ、2840語という途方もない架空単語を作り出し記憶したユダヤ人青年ジル。その言語能力の高さもさることながら、発話障害のあるイタリア系ユダヤ人の身代わりになろうとしたジルの精神的疲労が、相当のレベルに達していたことが伝わって来る映画なのである。偽ペルシャ語がいつバレるとも知れない恐怖にビクビクするよりも、いっそのこと“話すことができない”人間になってそのまま死んでしまった方がかえって楽になれるんじゃないのか。ユダヤ人青年にとっての収容所生活はそれほど地獄だったのだろう。

目をつけられた伍長に度重なる暴行を加えられ生死の境をさまようジル。その時ジルは無意識下で偽言語によるうわ言を繰り返すのである。「お母さんの家に帰りたい....」その言葉の意味はコッホ大尉にのみ通じる“暗号”となって、ジルの命をも奇跡的に救うことになるのである。一時は“ラージ”の記憶違いでコッホに疑われたジルではあったが、“スモール”所長の陰口が仇となって前線収容所に飛ばされる尻軽女班長とは対照的に、見事特権を回復するのである。

ナチスが退却する時に収容所のユダヤ人名簿を全て焼き捨てさせたのは有名な話だが、もし仮にペルシャ語教師兼名簿作成係に主人公が任命されさえすれば“その名”を思い出して、この現代に再び甦らせることができるのではないか。本作の原作者ヴォルフガング・コールハーゼは、ナチスに無惨にも殺されていった〈名もなきユダヤ人〉たちに“名前を与える”架空のシナリオによって、そこに鎮魂の意をこめたのだろう。

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かなり悪いオヤジ

4.0もう一人の主役、コッホ大尉

2023年12月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ナチスの虐殺から逃れる為に自らをペルシャ人と偽り、知りもしないペルシャ語の個人授業に励む主人公の苦悩を描く物語。

独創的で興味深い作品でした。
他のナチス物と比較して、収容所の描写が少し独特。残虐なシーンは勿論あるのですが、ドイツ人兵士達の生活や人間模様をしっかりと描いているのは興味深く感じました。

主人公の苦悩の描写も秀逸です。中盤迄は生き残る為にペルシャ人を、ペルシャ語をどうやって偽装するかを四苦八苦。後半は、虐殺される運命の同胞たちに対して、自らの待遇に対する自己嫌悪に悩む主人公を活写します。

この作品は、ペルシャ語の生徒役になるコッホ大尉をどのように描くか・・・が鍵だったように思います。不幸な生い立ち。意気軒高で威勢の良いナチスになんとなく入党し、そして大尉に迄昇進。ナチスを嫌悪した兄との別離を悔やみ、平和の詩を紡ぎ、人を殺していない・・・と叫ぶコッホ。
彼と主人公の友情を描くのか、或はあくまでナチス将校として憎悪の対象として描くのか・・・それが中途半端になってしまったように思います。
どちらかに寄せてもらえたら、よりカタルシスを得られたかもしれませんし、或は、よりを儚さを得られたかもしれません。
どちらにも寄せられなかったラストは、ある意味リアルではあるのでしょうが、映画としては少し損をしたように感じられました。

私的評価は4にしました。

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よし

3.5ナチスの普通の人間模様

2023年11月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

怖い

知的

 ナチスに処刑されるところだったジルは、自分はペルシャ人と偽り難を逃れる。しかしナチスのコッホ大尉に、ペルシャ語を教えることになってしまう。ジルは偽のペルシャ語を作り教えて、自分も必死で記憶する。マックス兵長は彼を疑い。
 収容者の名前をもじって、単語を作り出していたジル。それがラストの感動につながりました。いくつかハッとするシーンがあり、ハラハラするところは幾多のホロコースト映画と同様。しかしナチス内部の、普通の人間模様が描かれていたのが特異でした。

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sironabe

4.0ナチスとユダヤ人虐殺の新たなドラマ

2023年10月31日
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 実話を元にした映画。もう、ドイツのユダヤ人虐殺だけでもまた新たなドラマが。悲惨な時代のひとつの場所でもいろんなドラマが次から次へと。全ての戦争を思えばまだまだ知られていない事実は山のようにあるんだろうな。
 今作は生き延びるために咄嗟についた嘘、自分はペルシャ人だと。ペルシャ語を話せるようになりたい大尉に教えることになり、悪戦苦闘する話。
 ジル、焦っただろうなあ。バレたら即殺されるだろうし、でも適当に言葉を作るなんて、至難の技。えんぴつもないから適当につくった言葉を書き留める事もできないし、毎日生きた心地しなかっただろう。そこで考えたのが、囚人の名前をペルシャ語の名詞に置き換えて言葉を作った。後にラストでそれが役にたって、ユダヤ人の名簿の作成に協力できた。大勢の名前を語るジルに驚く軍人たち。とてもラストへの持って行き方が上手い。

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アンディぴっと

3.5ナチスに射殺される寸前、自分はペルシャ人であると偽り、ナチスの将校...

2023年10月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ナチスに射殺される寸前、自分はペルシャ人であると偽り、ナチスの将校にペルシャ語を教えることで必死に生き延びようとする男。
でたらめなペルシャ語を創作し、教え、しかもその一語一語を自分自身が記憶しておかなければならない。
なんともスリリングな毎日だ。
ありもしない言語を教えられた将校は時間の無駄だったが、収容されている人たちの名前をヒントに言葉を創作し、結果的に2840人の名前を覚えていたというくだりはなかなかの感動だった。

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省二

3.5強制収容所に配属されたどこか人間味のあるナチスドイツ

2023年10月11日
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鑑賞方法:映画館

あらすじを読むとむしろミスタービーンズのようで面白おかしい感じがする。特にペルシャ語を教える将校や、そこで働いているドイツ人達は血の通った人間で、完璧でないが故に主人公は危機を逃れて命が助かったり。

でもやっぱり彼らは強制収容所で働けるし、大量殺戮を行なっていくのだ。むしろその事が怖かったりする。

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mikyo

4.0ショーシャンクの空にを彷彿させる

2023年8月2日
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2022年劇場鑑賞94本目 優秀作 73点

数少ない劇場の上映前予告で気になり劇場で鑑賞した洋画作品

結論、世間の評価通り凄く満足いく映画体験でした

冒頭の国籍で無差別に殺すのに林に運ばれる箱の中で偶然本と食料の交換をし、これが運命を変えるポイントになり、その後の生き延びるきっかけになる。今作のテーマが母国語以外の不自由な言語を使いもがいて光を見つけるみたいな感じなので、冒頭のそのシーンはその後を円滑に進めるのに必要な設定だけど、まあ取ってつけた感はあるし、他にアイデアをパッと浮かばないけど、何か無かったのかな〜

主人公がまるで自分のことのように等身大で、偽造した単語の暗記や毎日二十個だか三十個教えなきゃいけなかったり、日にちが経つにつれてボロが出ない様にしないといけなかったりと、ハラハラが止まらない

構造としてはまさしくショーシャンクの空なので良い比較になると思います

2023年7月末現在配信され始めたので気になる方は

是非

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サスペンス西島

4.5生き延びるために紡いだものは?

2023年1月26日
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鑑賞方法:映画館

見事な物語です。それはそれは見事なラストに結実していく素晴らしいドラマでした。
イタリア人兄弟捕虜が絡むエピソードだけはちょっと首を捻ってしまいましたが、それ以外には文句のつけようがなかったですね。

ホロコーストを題材にした作品は多くありますが、その中でもかなり異色な作品ではないでしょうか?短編小説に着想し作られ、「実話に基づく」とクレジットされていますが、実話部分をパッチワーク的に使っているんじゃないかなぁ?って思います、あくまで想像ですが。お話はなかなかの奇抜さを見せてくれます。奇抜ではあるものの、「あぁ、あるかもなぁ」って気分になってどんどん引き込まれていくんです、不思議ですが。
「嘘だろう!」って言いたくなるような物語なんですが、ホロコーストの日常、ナチスドイツ軍の日常が妙に人間臭く、リアリティがあることとサスペンスタッチで展開することが相まって引き込まれちゃったのかもしれません。綿密な取材も重ねたようですしね。

主人公はもちろん余裕がありませんから自分が生き抜くために必死です。死に物狂いで生を見出します。ですが、彼が最終的に行き着いた心情が一体なんだったのか?彼が生き抜くために紡いできたものはなんだったのか?そして「紡いできたそれら」が最後にもたらすものはなんだったのか?ラストを見て、そこに大きな大きな制作側のメッセージがあるように思えてしかたないのです。

人が居たから、生きていたからこそ歴史は作られ、紡がれ、継がれていくのだと。決して無かったことにもできないのです。背負っていくものなのです。爽やかな感じもありつつ、重い、それは重い問いかけをしてくれる作品だと思います。

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バリカタ

4.0緊張感ハンパない

2023年1月11日
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鑑賞方法:映画館

ここまで緊張してみた映画は久しぶりというかそうそうない。
あまりに息を詰めていて、鑑賞中に何度かハァーと息を吐いた。それぐらい主人公と緊張を共にした。
事実を基にしたというよりは着想を得たという話のようです。ナチス収容所モノは何本観ても辛い憎らしい事実なのですが、1人でも生き延びた人の話は一筋の光。

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TK

4.5観れてよかった

2023年1月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

偽りの語学レッスン、偽りの師弟、偽りの友人、偽りの救出。そして……二人の分岐点。
ラストにもたらされたジルの役割りに、身が引き絞られるような嘆きと贖罪を感じました。数あるホロコーストを題材とする戦争映画の中でも、私はこちらを一番に推していきたい。

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ふたり映画

3.0結末は、だいたい予想ついた。

2022年12月31日
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鑑賞方法:映画館

まわりに、マナー悪い奴(ガサツな年寄り)が、いたのもあり、

イライラと気が散って、あまり感動できなかった…

結末は、だいたい予想ついて、思ってたのと近かった。

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RAIN DOG

4.0人種を偽り生き延びるということ

2022年12月24日
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鑑賞方法:映画館

これまで何十本と観てきたホロコーストものにカテゴライズされる一本。実話がベースとのこと。

ペルシャ人と偽り生き延びた一人のユダヤ人。ペルシャ語を学びたいという強制収容所の将校にデタラメなペルシャ語を教えた。それは新たに一つの言語を作る作業に等しかった。

一人の男の稀有な運命を描きながら、彼の周りを通り過ぎた何万人ものユダヤ人が殺されていったことをもきっちり認識させる秀作でありました。

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エロくそチキン2

4.0素晴らしい映画

2022年12月19日
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鑑賞方法:映画館

最初から最後までハラハラしてみていた。
また、最後の伏線回収も素晴らしい。
こんな凄い物語が、本当に実話であったのだろうか。
若干の虐殺シーンなどもあったが、若い方にも観てもらいたい。

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hanataro2

4.0息をのむ緊張感

2022年12月11日
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死と背中合わせの毎日、単語を覚えるのも大変だろうに。

彼は確実に生かされている。
なにかの力が、彼を守っている。

媚びずに、多くを語らずに、自分のできることを淡々と。

大尉は、なぜ彼を守ったのだろう。

どこかで疑いながら。

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ミツバチば~や

3.5生き残りたい、その想いは架空の言語さえも生み出す

2022年12月4日
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鑑賞方法:試写会

ナチス占領下でユダヤ人の青年がペルシャ人になりすまし、
ナチス将校に架空のペルシャ語を教えることで生き延びようと試みる。

フィクションなんだけど、都合の良いストーリーでは終わらせず、
戦争の残酷さ、ナチスの非道さが描かれていて、
予告編で観た印象よりも重かった。
予告はけっこう将校とユダヤ人青年の関係にフォーカスしていたけど、
そこから期待できるような展開にはならず、
あくまでも戦争とはこうも残酷なんだと伝えているように感じた。

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スクラ

5.0本年度ベスト1はこれ!

2022年12月1日
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本年度のベスト1決まり! 残り1ヶ月でいい作品に出会っても、この映画をベスト1にする。
全編ハラハラし通しの面白さ。権力むき出しのドイツ将校の人間性がやがて見えて来て、所長や兵長らの人間的卑小さも描かれ、ビクビクしていた主人公が人間として将校らを凌駕していく中盤以降、物語は深みを増す。
ラストの2つのシークエンスも良い。特に、この映画が語る戦争の記憶というテーマが理解できれば、最後のシーンで深く感動するだろう。ドイツ・ロシア・ベラルーシ合作でこういう映画を作ったということも、歴史的に感慨深いし、ベラルーシという国のイメージも変わって見えてくるようだ。
東京では、立川のキノシネマ1館だけの上映では、あまりにも、惜しい佳作だ。

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ごまめ堂

4.02840の名前

2022年11月26日
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悲しい

怖い

ナチスによるユダヤ人強制移送の中、自身をペルシャ人だと偽りテヘランに店を出すことを夢見る元料理人の大尉の管理下となる男の物語。

その場しのぎの嘘が功を奏し、銃殺を逃れたジル。だが、それで大尉に授業をする羽目になり、ありもしない単語を次々とペルシャ語としてでっち上げていく。

終始、生きることに執念を燃やす男の姿に心を掴まれる展開。

目に留まる物モノすべてに、ルト、バラ、ガンク、そしてラージ・・・等々、適当な呼び名を充てて、あたかもそれが本当のペルシャ語かのように大尉に教えていく。

しかしそれは当然、自分自身も同じように作り出した言葉を覚えていかなければならないことを意味し・・・過酷だ。嘘だとバレたら・・・考えるだけでも恐ろしいですね。

そんなヒヤヒヤ展開が繰り返される中で様々な問題が巻き起こる。
イタリア人兄弟の流れはやるせない。まぁでも、一番の被害者は英国空軍の彼かな。理不尽すぎる・・・。やはりナチスと収容所関係の映画は何作品観ても辛いですね。

殺されてしまったユダヤ人の方々は勿論の事。あとは、ナチスに同情の余地はないが、それは置いておいて勉強熱心なコッホも流石に不憫・・・というか、哀れという言葉の方が合うかな。

事実を基にした作品とのことで、どこまでが実際にあったことなのかはわかりませんが、何千もの嘘の単語をどうやって覚えておくんだよ、と思ったら・・・ほほう。これでもやや無理があるような気もしますが、それをラストに繋いで行く流れには心がググっと握りしめられるような感覚を覚えた。

そして途中いきなり、「大きい」「小さい」の話が出てきてかなり戸惑ったw作品イメージが・・・。
コッホもよく所長に直に言えたもんだw・・・ってゆうか、このあたりのくだりってストーリーに必要だったかな。。

総じて良作でした。思うのだけれど、キノシネマさん、願わくば新宿渋谷あたりにも出来てくれないかな。。ホント良作揃いなのですが、立川やみなとみらいはちょっと遠いよ~><。

勿論ワタクシ、銃を突き付けられたような経験は無いわけですが、仮に同じような展開になったとして、そこまでして生きようと必死になれるかな・・・。

ほぼ死ぬに決まった運命に抗う人間の、限りなき生への渇望に圧倒された作品だった。

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MAR

3.0パンの木はなんていうんだろうね。

2022年11月14日
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楽しい

怖い

単純

自信をペルシャ人と偽り、ナチス親衛隊大尉を欺いてペルシャ語を教えて収容所で生き抜いたユダヤ人の話。

フランスで捕縛され連行されるトラックの中で、サンドイッチと引き換えに手に入れたペルシャ語の本を証拠とし、読み書きは出来ないが家ではペルシャ語を話していたと宣って、創作した嘘のペルシャ語を教えていくストーリー。

一部の看守に疑われつつも収容所に入れられて、即席で単語をつくり、覚え、教え、大尉との親交も深めていく様を繰り返しみせつつ、何故か看守達のドロドロ恋愛模様も織り込んでいたり。

イタリア人兄弟の件なんかは、これいるのかと思っていたら、超イタリア人らし過ぎる?エピソードに繫げたり。
事実を題材にしたフィクションとのことだけど、本当にあったエピソードはどれでしょうw

やっていることはふざけたことだし、卓越した記憶力があったから出来たことだろうけれど、生きる為の執念をみせる様が面白かった。

ただ、やはり同じことの繰り返し二なりがちで、もう20~30分短くて良かったのかなと。

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Bacchus