劇場公開日 2023年3月3日

「この道20年の片想い業界のプロから観た片想い映画」なのに、千輝くんが甘すぎる。 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この道20年の片想い業界のプロから観た片想い映画

2023年5月4日
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鑑賞方法:映画館

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ずっと片想いしてきた男子への人生初の告白に玉砕した女子高生、真綾。
そんな真綾の前に現れたのは学校一のモテ男子の千輝くん。
千輝くんは真綾に“片想いごっこ”を提案する。
「失恋の記憶早く俺で上書きして」
彼は絶対に好きになっちゃいけない高嶺の存在。
同情で付き合ってくれているだけ。
それなのに、普段塩対応の千輝くんは真綾に対してなんだかものすごく甘くて……

普段気難しい映画とか胸糞ホラーとか観てるからたまには息抜きしないとってことで。
というか、普通にこの手の映画大好きなんですよね。
しかもヒロインは畑芽育!
これは観なくてはということで、渋谷のど真ん中までジャニーズファンに囲まれながら観てきました。

確かにベタだし、ありがちなシンデレララブストーリーっちゃあそうなんだけど、ちょっと普通の作品とは違う。
片想いがメインテーマってのがありそうでないのでまず好感。
片想いごっことかやってることが本当にバカバカしいんだけど、恋って盲目だから側から見ればバカバカしいことでも全体力かけてやってたりするんだよね。
途中から片想いごっこは完全に両想いごっこになるんだけど、「片想いって良いよね。それは両想いに越したことないけど、辛いことも楽しいこともあってなんだかんだで楽しいんだよね!」ってのが伝わってきて片想い業界の者としては本当に感謝でしかない。(何言ってんだ?)

普通の作品と違う点は他にもあって、明らかに現実的に変な展開にならなかったり、クセ強キャラが出てこなかったりするところとか、SNS描写とか(あれは個人的には孤独の中での人間不信、自信喪失のメタファーと捉えたい)、細かいけど水族館じゃなくてお寺デートとか、良い感じに気を衒っている印象があった。
でも、畑芽育に対してブスは流石に無理ある。
千輝くんファンの女子からの妬みとかだけじゃなく、山田くんとか一般人からも言われてた。美的感覚どうなっとん。

畑芽育はずっと追ってきたので、ようやくこういうヒロインを任せられるようになったんだと、ずっと親のような気持ちがで観てた。表情が良くて観ててこっちが元気になる。
存在は認知してたものの今回初めて知った千輝くん役の高橋くんは、丁度良い身近にいそうな感じのイケメンで(もちろん褒めてますよ)、今後も演技面でもっと活躍して欲しい。
それにしても箭内夢菜出さなすぎだろ。
恋愛映画に箭内夢菜出演させる以上、しっかり魅力を引き出せよ。
そこが唯一の難点かな。
あと、個人的にこういう話での主人公やヒロインとその家族の絡みみたいなのが好きだから、そういうのもっと観たかったなと。
いずれにせよ、千輝くんが物凄く罪な男だってことはよく分かりました。
ちょっとひどいよ、千輝くん。

唐揚げ