そばかすのレビュー・感想・評価
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駆け出したくなる
最近は観た後に駆け出したくなるような映画が少なかったけど、駆け出したくなるってこういうことだ。
美辞麗句で褒められるよりも、認められることの方が嬉しい。
新しい古いじゃなくっていろんな考え方や価値観があっていい。押し付けず否定せず。
(アバターのジェームス・キャメロンの価値観だって、認めなきゃ、古いけど。)
主人公のそばかすをはじめ、結婚しない娘にやきもきして婚活しだすお母さん、鬱で休職中の救命士のお父さん、旦那に浮気されてる妊婦の妹、バツ三のおばあちゃん、脱サラしてラーメン屋してる見合い相手、合コン好きの同僚、ゲイゆえに教職を辞して保育士をしている同級生、そして元AV女優の同級生。みんなそれぞれが主役の映画作って欲しいと思うほどしっかりと描かれていて魅力的で、脚本と演出が優れているんだろう。もちろん演者も。(お父さん良かったなぁ。)
坂井真紀はすっかりお母さん女優になったし、田島令子はおばあちゃん役が板についてきた。(バイオニック・ジェミーだったのに。あ、オスカルか。)
デジタル紙芝居のシンデレラ最後まで見たかった。
世永真帆のAV作品も見てみたいな、無理か。
三浦透子が主役で主題歌まで歌ってる。もっとお金かけて宣伝すればヒットするだろうに。
前田敦子や北村匠海も出てるんだよ。(二人ともいい役だったな。)
みんなが好きになる、そして時代にも必要とされる良い作品なのにもったいないな。
とてもとても面白かったです。
現代病と言うか至って普通が良い
良くも悪くもない作品
だから良いかと思います
しかし良くわからない部分もあります
もう少し長くても良いので具体的にして欲しかったし取り上げて欲しかったチェロの話
少しおくりびとを思い出しました
トムクルーズの宇宙戦争見たくなる方がいるかもですね
気になる方は観てください
凄く良い!
なんだろうこのご近所さんち覗かせてもらってますみたいな親近感湧く感覚。
役者さん達もホントに自然体の演技。
展開だってそんなにテンポ速く無いが全然集中出来ちゃう、不思議。
前田あっちゃんもこんなに演技上手いのねびっくりしました。
上手く伝えられませんが観てほしいです!
互いに想いあって
誰もがみんなそれぞれの生き辛さを抱えていて、それでもお互いに想いあっている。それが時には軋轢を呼ぶし、傷付け合うことにもなるが、それでも支えあって生きている。
主人公の抱えるアセクシュアル・アロマンティックというのはなかでも理解され辛いが、それを伝え理解し合うために歩み寄る。
なんというか、優しくてクスリと楽しくて、なんとも良い映画だったな〜。
ただ最後の北村匠海は、監督も「ご褒美みたいなもの」って言ってたが、蛇足に思えた。そういう「自分と同じ」相手がいなくても、互いに想いあって生きていける、そういうことなんじゃないかと思う。
しかし、前田敦子が良いな!
そんなシンデレラ
恋愛関係も友達関係もそうであるが、そこから距離を取りたいという価値観はあってよいと思う。家庭を築くか否かは生き方の問題なので、選択肢はあってよいが、これはこれで別の話。なぜ前田敦子は結婚を選んだのか。掘り下げて欲しかったところ。
フリップネタのごとく、元の話を下敷きにして、それ自体が新しい話を紡いでいない。いずれにしても、それは幼稚園でやれない。
これはもはやファンタジー?
恋愛感情を持たないマイノリティの女性を演じた三浦透子さん、素敵でした。
そう、我々マイノリティに優しい作品だった。マイノリティであり続けることに勇気をもらった。
ただし優し過ぎたのかも。
なんか矛盾
共感できず。
田舎あるある、よーくわかるよ。
じゃあ、なんで、生きづらい実家に、いつまでもいるの???
とっとと、家出たらええやん。
って、思ってしまった。
ゲイの子も都会の方が生きやすいんちゃう???
なんか矛盾。
さらに、友だちとして好きという感情があるなら、まだエエやん。
それと、恋愛と分けているのはなぜ?
性的興味?
なくてエエやん。
ないのに引け目を感じているの?
それを気にしているのって、意識し過ぎじゃない?
性的行為に重きを置きすぎじゃないの?
好きな友達とカラオケ行くのと一緒のことでええんちゃうん?
って違うか?!
こんなふうに、思ってしまう私の方がへんなのか?!笑
自分は自分、ヒトはヒト、自分らしく生きましょう
女性にとって厳しい環境を強いる日本という国において、極力男女差を無くすべく行動するよう心がけているつもりです。とはいえ、基本恋愛体質男子である私にとって、非恋愛体質女子が主人公の本作は気付かされる部分がたくさんありました。
"一般常識"という偏見に迎合する事を無理強いされているマイノリティに対し、「好きに生きてイイんだよ」と背中を押してくれる気持ちの良い映画でした。
価値観。
主人公が勤める保育園でシンデレラの紙芝居をする件が面白かった。確かに私の子供の頃は夢が花嫁さんになることとか、いつか白馬の王子様が迎えに来てくれるとか、平気で言ってる女の子が多かった。
女性にとって結婚が人生の一番の幸せという思い込みは、全てが家制度、男尊女卑的思想から社会に押し付けられてきた価値観なんだろう。女性は結婚して家庭で家事育児、家長である夫を支えていればいいみたいな。
いまや女性の社会進出が進み人生における選択肢が増えて、女性にとっては結婚がすべてではなくなっている。
シンデレラなんて今の時代女性にとって陳腐なおとぎ話でしかないのだろう。確かにおとぎ話だけど。
内向的で自己表現が苦手なかすみは唯一の自己表現の手段だったチェロを弾かなくなり、コールセンターで働きながらくすぶった人生を送っていた。しかし、昔の同級生たちとの再会を機に彼女は徐々に自己実現を果たしてゆく。
やがてチェロがなくても自分の気持ちを素直に口に出すことができるようになった彼女は、自分を理解してくれる人間との出会いの中でチェロを手放し、自身の人生を一歩ずつ踏み出してゆく。
かすみが作った紙芝居のように、子供たちはシンデレラの話を聞いてどう思うのか。それを子供たちに問いかけて子供たちの考えを聞いてみることが教育として大切だと思う。
今の学校教育のようにただ上から一方的に知識を刷り込むだけではネットの言説に簡単に左右される人間にしか育たないのではないか。
子供たち一人一人が疑問を持ち自主的に物事を考えることができるよう導くことが教育として大切なのではないだろうか。偏った価値観を刷り込むのは教育ではなくて洗脳だろう。
前向きな逃走
ふたつのエピソードで、主人公の架純の人生観が焙り出される妙味。
彼女が語る、合コンでのトム・クルーズの映画のエピソード。
トム・クルーズと言えば、『トップガン』や『ミッションインポッシブル』みたいに、何か目的に向かって走る役が多い。だが、『宇宙戦争』は違う。港湾労働者の彼が、とにかく全力疾走で逃げ回る。
目的に向かって走ることが正しいわけではない。時には走らされている自分を解き放って逃げてやろう。
もうひとつはシンデレラのエピソード。
幼稚園の先生になった彼女が、学芸会で電子紙芝居を作成することに。そのナレーションを彼女の同級生に頼んだところ、男目線のシンデレラの話を変えようということに。
シンデレラは王子様に見初められるために生きているわけではない。そんな申し入れ断っちゃおう。
エピソードの根底に多様性の社会を映し出すのは短絡的だと思う。人並みの目的のために走らされている自分だったら、時には逃げてもいいのでは。人並みの目的が、結婚して安定した生活を送ることだったとしても。逃げることは、必ずしも後ろ向きな行動ではないという感性もあっていいのでは。
架純には恋愛感情も性欲もない。が、そもそも恋愛感情とか性欲は、男目線が創り出した幻想にすぎないのかもしれない。
観ているうちに、三浦透子(架純)と前田敦子(架純の友人)の推しになっていた。私は結構昔気質の男だが。
想定外に、彼女たちの「前向きな逃走」に前のめりになっている自分がいた。
ぼんやりしないで!!
ぼんやりしないで!!
ターゲットは10代20代やな。
『恋愛感情がない』ってところ、共感する。
そういう性格の10代20代には、大いに見て貰いたい。
『異常者ではないよ!』と不安な気持ちを和らげて貰いたい。
だけど、、、
『恋愛感情がない』を、そのままにして、アラフィフなった私。
後悔はないけれど、不安感はつのるばかり。
異性であれ、同性であれ、パートナーであれ、セフレであれ、ただの友達であれ、とにかく『理解者』を持っておかないと、淋しいなぁ、と感じる。
『恋愛感情がない』ってことで閉じてしまうのではなく、ぼんやりしてないで、『理解者』を作ることに努めるべきだったなぁ〜。などと、そんなことを考えながら見てた。
今求められる、ダイバーシティ感
昔から日本人らしさ
日本人における男らしさ、女らしさと言った固定観念が今の日本の全ての面において足を引っ張っている
インターナショナル化を掲げているわりに一貫性が無い
その歪みを上手く表現してはいたものの、踏み込み不足感があった
ドキュメンタリーではないので…
あの父親は選挙に当選したのだろうか…
見る人を選ぶようで、実はそうではない作品
男友達とも誤解、行き違いで上手く行かず離れていってしまう
女友達も何だかんだ言って結婚し離れてしまう
友達に慣れなくても分かってくれる人が周りに一人でもいてくれるだけで
人生のつっかえ棒が取れたような気がする、そんなラスト
映画自体は主人公を普通の人間として描かれ
比較的見る人を選ばない作りになっていた
評価 4.2
既存の価値観と新しい価値観が渾沌とした今を映す作品
既存の価値観が新しい価値観に置き換わっていくのが従来の姿なんですが、今は少子高齢化社会であるため、前者と後者が鬩ぎ合いをしている状態なんじゃないかと個人的には思っている。この作品はそんな時代の鏡なんじゃないかと思った次第です。
自分の存在にどこか自信を持てない人は観たら共感できるんじゃないかな?
押し付けないで!
前田敦子とか伊藤万理華とか、大好きな女優がたくさん出てるから〜という軽い気持ちで見たんだけど、そういう話だったんだ!LGBTQIAを扱った映画なんだけど、主人公の気持ちが作品にも反映されていて、全く押し付けがましくない。すごく見やすい上に、色々と考えさせられる、素晴らしい作品でした!
結婚とか恋愛とか、誰かを愛し、愛されることが女性の全て?1人は孤独で寂しくて可哀想?そんなことない!価値観を押し付けられる主人公が、何故かすごく愛おしくて、すごく感情移入してしまう。ドライブ・マイ・カーの時より、三浦透子の良さが生かされており、初っ端からグイグイ引き込まれちゃいました。テイストとしては「勝手にふるえてろ」とどことなく似ているんだけど、本作の方が圧倒的に共感度が高くて好印象。誰も強くない!だって人間だもの。
なにか大きな出来事や変化がある訳では無いんだけど、笑えるシーンだったり印象に残るシーンがたくさんあって、色んなエピソードが上手に構成されているとても丁寧な作品。いい意味で日本映画っぽくないというか、かと言って外国映画を見ている感覚じゃないんだけど、すごく上品で、監督が劇団の主宰だからか舞台っぽい雰囲気が感じられた。ココ最近の映画では段違いで居心地がいい作品でした。
語りたいシーンは沢山あるんだけど、個人的には告白を受けるシーンがお気に入り。ちょっと目を覆いたくなるようなキツい場面でもあるんだけど、そんな状況で主人公の佳純(三浦透子)が必死になって「君の思っていることとは違うんだ!」と弁護しようとするその姿が、なんだか共感出来て微笑ましかった。楽しかったことは事実。一緒にいて笑ったことも事実。ただ、恋愛感情が湧かなかった。それだけなのに。
音楽も映像も非常に綺麗で、ずっと心に留めておきたい一作。宇宙戦争でトム・クルーズの走る姿が好きだと言った主人公に、また共感。そんな本作もまた、走る姿がカッコイイ。今泉力哉監督っぽいシチュエーションボケみたいなのも楽しかったし、そこから深いテーマにすっと移り変わっていったのも秀逸で最高。キャラクターもまたいちいち面白くて、人間臭くて、みんな自分の夢だったり目標だったりに向かって走っていて、爽快で超気持ちがいい。
昨年は「彼女が好きなものは」だったが、今年は本作。世界はクソみたいだけど、ひとりじゃない。世の中、まだ捨てたもんじゃない。こういう生き方したいな、と思える人物が主人公含めてたくさんいて、背中を押してくれるというよりも、そっと隣に居てくれる、そんな映画でした。見やすくて、笑えて、勇気づけられ、ちょっと感動できて、考えさせられる、素晴らしい作品です。ぜひ、映画納めに!
このタイミングで年間ベストワン候補作をぶち込んでこないで
年間ベスト20まで決まっているつもりでした。それを乱す玉田真也監督の新作。主演はドライブ・マイ・カーでブレイク、今年一番のTVドラマ「エルピス」でも印象的な役を演じた大好きな女優、三浦透子。見終わった瞬間に3万円払っても惜しくないと思いました。
事前知識抜きに観て下さい。ネタバレにならないよう、唯一申し上げると、ダイバーシティに関する単行本10冊を凌駕する1本と言う表現が適切かと思います。
前回ご紹介した岸井ゆきのさんとともに、三浦さんも美人ではなく、どちらかと言うとファニーフェイス。しかし、ラスト近くでチェロを弾く姿の神々しい美しさと言ったら、筆舌に尽くしがたいです。
そして、役者になってからこちらも大好きになった前田敦子さんに久しぶりにスクリーンで会えたのも嬉しい。相変わらず、悪魔的に美しく可愛く、そしてまた幅を広げる素晴らしい演技。脇役ももれなく魅力的です。
脚本と演出が満点。冒頭でトムクルーズ主演のある作品が、伏線として張られますが、映画の最後にみごとに映像表現として炸裂し回収されます。僕はすぐスクリーンに飛び込んで行きたくなるくらい、心を揺さぶられました。
すでに休暇中の方は、今日すぐに!そして自営業の方は「申し訳ありませんが、店主事情により午前中のみ休業します」と張り紙して映画館へ駆け込んで下さい!強烈に、強烈に、おススメします。
世の中の片隅に生きてる全ての人に届け。
恋愛感情を持たない主人公が親からお見合いをセッティングされ意外と良い出会いがあったり、中学の時の同級生と再会したりして、葛藤したり居心地の良さを感じたりする話。
私もこの主人公よりかは恋愛感情ある気がするけど、昔から自分の中で恋愛の重要度が最底辺だし、胸がときめくほどの相手に出会ったこともないし、もはや老後の不安とか他人からの印象とか全部なければ第1希望はずっと1人でいたい人間。だから今作凄く嬉しい部分もあったけど自分は佳純と比べると圧倒的に他人を受け入れられないだけな気もした。
主人公の佳純は恋愛感情がないからこそ、誰に対しても平等で自然で、ずっと人と人が好きになるってどういうことかを考えてきたからか他人を慮れる配慮が高い。一線を越えないから良い意味でも悪い意味でも他人に干渉しないので、佳純といると居心地が良いんだろうなと思う。合コンでなんだかんだモテたり、人生迷い中の真帆が佳純と迎合するのも頷ける。
まさに自分に足りないところだよ。だから自分は恋愛感情がないのではなく、他人を受け入れる窓口が狭いからそこまでの気持ちになれないのかなとも思った。異性でも同性でも自分が許せないことをされた時のシャッターの閉じ方が早すぎるんだろうなぁ(笑)
恋愛をしない人って往々にして逃げてるとも思われがちだけど、佳純はトム・クルーズの逃げてる姿が好きだと言う、どこまでも世の中の片隅に生きてる人に寄り添う映画だなと思った。
性自認は途中で変わったり大人になってから自分の中で決着がつくものなのだから、人を好きになれること自体が遅い人もいるし、それがずっと来ない人も、途中から全く無くなる人もあって良いと思うんだよ。私には佳純が若干、トム・クルーズについて力説する佳純の気持ちが少しわかるという後輩くんに今まで持たなかった何か違う感情を持ったようにも見えたんだよね。
こんなこと言ってると歳とってから困るとか、結局ごちゃごちゃ言って逃げてるだけと思う人もいるかもしれないけど、この世のどこかにいるこの私の気持ちを理解してくれる人に届け。
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