劇場公開日 2022年12月9日

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「「エロい」です。」夜、鳥たちが啼く TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「エロい」です。

2022年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

近年、作品が再評価され映画化も本作で6作目となる佐藤泰志氏、当然有限な作品の中から「映画になりそうなもの」を見つけ出し、脚色により肉付けしながら「現代的」に仕上げて行くわけですが、果たして本作はどうか?
結論的には「佐藤泰志の世界観」はしっかりと残っているような気がします。それでいてやはり城定監督の映画であり、いわゆる職業監督が描きそうな「雰囲気」とは違う作家性のようなものを感じます。
最初は限定的な情報から、どこか不安定さが見え隠れする登場人物たちに興味を惹かせて鑑賞者にその背景を想像させたり、また感情を抱かせたり、一切「押しつけがましさ」がありません。そして徐々に二人の「過去の出来事」と「今に至る経緯」がつまびらかにされ、一緒になって感情が揺れ、そして盛り上がります。
そこから流石、城定秀夫の真骨頂である「濡れ場演出」が素晴らしい。なお本作はR15+指定ですが、この指定が緩いとは言わないまでも正直な言い方をすれば「エロい」です。
そして観終わってまず思うのは「いいタイトルだわ」と、原作があることも忘れるくらいこの世界観に感心します。でも、、、
最後にひっくり返すつもりはないのですが、作品としての面白さはもう一歩かな。すごく惜しい気がします。まぁ、世界観の方をプライオリティにしたとみれば「潔し」でしょうか。最終的には好み次第と逃げておきます(苦笑)。

TWDera