劇場公開日 2022年6月3日

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「SNSがある今ならではの良作」君を想い、バスに乗る ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0SNSがある今ならではの良作

2022年7月23日
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2022年劇場鑑賞165本目。
多少映画を観る人ならぜったい顔は見たことあるけど何の映画のどの役で、ましてや名前なんか全然出てこないでおなじみティモシー・スポール主演作。
正直あまり期待もせず鑑賞したのですが、いやこの作品、ものすごくじんわり来る良作でした。
老人トムが約1500キロを路線バスで乗り継いで行く話です。テレ東の路線バスの旅のすごい版ですね。路線バスの旅もネットは使わず、制限時間内にゴールをめざすという点では一緒です。彼もスマホなんか持っていませんし、ある理由で無限に時間があるわけでもないのです。
彼が旅をする上で冷たい人もいれば親切な人もいます。前半は特に冷たい人が多い印象で、彼を映しているカメラでさえ彼より早くパンするのでおい、トム映ってねえじゃねえか!カメラまで冷たいな!とツッコんでいました(笑)

ただバスに乗って移動するだけのはずなのにやたらケガしながら旅を続けていき、大小様々なエピソード(2階建てバスの事件は結構大事件じゃないか?)に遭遇しながら目立つので勝手にSNSにアップされるトム。そこらへん最初の時点で終盤効いてくるのは誰でも予想できると思うので書いちゃいますが、これが三十年前ならこういう展開には絶対ならないな、とSNSのすごさを感じられました。

号泣することはないですがところどころツーッと涙がこぼれる作品でした。

ガゾーサ