劇場公開日 2022年10月21日

「なるほど、これが噂のRRRか」RRR ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0なるほど、これが噂のRRRか

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

興奮

この映画はもう面白いの分かってて鑑賞した感じ。

噂に違わぬエンタメ要素てんこ盛り盛りの大作。インドお約束の長尺ながら全然その尺の長さを感じず、とういわけではなくて尺の長さはガッチリ感じながらも、次はどうなっていくのよと飽きさせない展開で、あっという間ではなくてお腹いっぱい楽しめた。

1920年のイギリス植民地時代が舞台。圧政を敷く提督に理不尽に妹マッリを奪われた村の守護者ビーム、鉄の意志でデモ隊を一人で制圧した警官のラーマ。妹を取り返すべくデリーで身をひそめるビームに対して、マッリを取り返しにデリーに潜入している守護者を捕えようと捜査を進めるラーマ。この二人が市内で起きた列車事故から少年を救うために互いの身元を知らずに協力、二人は親友となっていく。

そして、妹マッリの奪還のために提督公邸を襲撃すると決めた夜、ビームは自分が公邸内に居るマッリを奪還すると身の上を明かす。
公邸での大乱闘の中、ラーマは捕える側の人間としてビームの前に立ちはだかる。

ここまで来てもまだ前半の途中で、ビームの恋愛話(そこでかの有名なナートゥダンスが始まるわけです)だったり、ラーマがビームの弟を捕えたまでは良かったが、毒蛇の逆襲を受けるくだりとか、書ききれないエピソードも満載。しかもここから、何故ラーマは警官になったのか、彼の本当の目的は何なのか、ビームは無事マッリを奪還できるのかなどなど、映画三本分ぐらいの話をエイッと一本に凝縮している。

日本人の皆さん(私も日本人ですが…)がインド映画と聞いて真っ先に思い浮かべる唐突な歌と激しいダンスは、本作ではナートゥとエンディングのみ。途中もいろいろ歌は歌うものの、ミュージカル映画よりは控えめですよというレベルなので、なんかすぐ歌って踊ってダレるんだよねーとかいう先入観は不要だと思う。
むしろ、歌によって民衆が蜂起したりと物語の流れにうまく組み込まれているので違和感は少ないはず。

もちろんご都合主義な展開はめちゃくちゃある。もうインドで脚が動かせないぐらいの怪我をしたり、毒蛇に咬まれたり、鉄砲で撃たれたりしたら、とりあえず薬草塗っときます。
医者いらず、薬局いらずだね!

それと、インド映画のもう一つの見どころのアクションだけど、こちらもご都合主義とか言わずにもう楽しんじゃいましょう!主演のお二人のキレのある動きに加えてワイヤーありCGあり狼あり虎ありでメチャクチャ楽しませにきている。アクションだけ捉えるとちょっとハリウッド押されてるよと思うぐらい勢いが凄い。

ちょびっとインド話。インドの方はマジでイギリス大嫌い。骨の髄からという表現あるけど、本当に骨の髄からイギリス大嫌いで、本作でもえげつない程イギリス人が悪く描かれているけど、これは彼らには結構普通の感覚みたい。どんだけ酷かったのよ、と思ったりもする。逆にイギリスではこれが上映されていたりして、イギリス人の寛容さと言うかドライさもなかなか興味深い。

最後に、欧米では主人公二人を同性恋愛的な見方をしてる向きもあるけど、インド人の独特の人同士の距離感の近さを知らないからそういう意見が出てくるんだと思う。私がインド人と二人で話していると、気がつくとめちゃくち距離を縮められていて、しまいには手を握りだす奴までいる。別に好きなわけやないのよ、そういう距離感が普通なだけ。

なんなら、社員旅行の時にダブルベッドに他のおっさんと一緒に寝てくれる?と言われて低調にお断りした。そういう実感が無いと、彼らのような距離感は理解できないのだと思う。

映画が長いから、レビューまで長尺になってみた。とにかく面白いよ!
あと、歌の力ってやっぱり凄いわ。

ハルクマール
Mさんのコメント
2024年3月2日

RRRファンが増えてうれしいです。

M
ホビットさんのコメント
2024年3月2日

初めまして、共感ありがとうございます!イギリス人大嫌い説、社員旅行の時にダブルベッドにの下り、たいへん興味深く読ませて頂きました!なるほど〜そうなんですね…勉強になりました。私の知らない世界。。。

ホビット
Mさんのコメント
2024年3月2日

凄い作品ですね!
まだ、上映している映画館があります。これまた凄い!

M
おじゃるさんのコメント
2024年2月28日

共感&コメントありがとうございます。
インドの方がそんなにイギリス嫌いだとは知りませんでした。それに対するイギリスの受け取り方も。
韓国と日本みたいに、過去の歴史に起因しているんですかね。もっとも日本人はそこまで寛容ではない気もしますが…。
インド人の距離感の話もおもしろかったです。勉強になります。

おじゃる
近大さんのコメント
2024年2月25日

監督の予想も超える人気になりましたからね。
でもきっとこのインドが世界に誇るエンターテイナーは次作も魅せてくれる筈です。

近大
琥珀糖さんのコメント
2024年2月25日

共感とコメントありがとうございます。

流石にインド在住のハルクマークさん。
とても納得。
男同士でもめちゃめちゃ距離が近いんですね。

照れ屋の日本人には考えられないほど。
この映画の熱気そのままの情熱、サービス精神、
そして楽しんじゃおう、と言う積極性。
いやぁ勉強になりました。
多くのレビュアーさんに読んでもらいたいです!!!

琥珀糖