マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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やや暗い映画。
実の父親から幼少期より虐待を受け、思春期には父親に性的虐待まで受けていたマリコ。顔の傷と心の傷が痛々しい。社会人となりマリコにも彼氏ができるが彼氏にまで手を挙げられてしまう。
こんなことがあったら死にたくもなるよなぁと感じる。
そんなことがあってもマリコはシノイの前ではずっと笑顔。
シノイがマリコの父親に包丁を向ける姿はマリコと重なり、また悲しい。
旅の途中で出てくる窪田正孝が味があってとてもいい。
出てくると思ってなかったからなんか得した気分だった。
最後のマリコからの手紙は内容が分からないならこそいい演出なんだと思った。
思い出とともに、生き続ける
いきなりグッと引き込まれ、最後まで魅入りました。
つかみが早い、展開のテンポも良い、主演のトモヨ(永野芽郁)の演技も素晴らしい。
親友マリコ(奈緒)の遺骨を持って旅に出るロードムービーのようになっていきますが、トモヨがマリコを思い出すのに合わせた回想シーンも自然です。
旅の途中で出会ったマキオ(窪田正孝)の最後の言葉。
「その人の思い出とともに、あなたが生き続けること。それが・・・・」これが、作者の言いたかったことだと思います。私も同感です。
昔、永六輔が自身のラジオ番組で話していた言葉を、今でも覚えています。
「人は2度死ぬと言われています。1度目は肉体の死、2度目は人の記憶から消えた時です。故人を忘れない、時に故人を思い出すことこそ最大の供養です。」
(以下蛇足)
この秋、「遺骨映画」を立て続けに3本見ちゃいました。(川っぺりムコリッタ、アイアムまきもと、そして本作。)それぞれ違った視点からの作品でしたが、本作が一番しっくりきました。)
【良かった点】 白眉はラストカット!、手紙を読み、涙し笑みを浮かべ...
【良かった点】
白眉はラストカット!、手紙を読み、涙し笑みを浮かべる主人公、そこには何が書かれているのかあえて言及しないお洒落な終わり方が最高だった。毎日テレビで流れる人の死。その人たち一人一人に今回のようなストーリーがあり、大切な人がいる。そうしたニュースで消費され、流れていってしまうであろう気持ちを改めて気づかせてくれる良作。永野芽郁ちゃんの体当たり演技も魅力。遺骨とのロードムービーという斬新なストーリーも◎。
【良くなかった点】
マリコへの気持ちが追いつかず、若干マリコの言動にイラついてしまった。ただ、自分たちにとってはおかしな人でも主人公にとっては大切な存在だったんだと自分を戒めて鑑賞した。でもあんな友人は欲しくないな笑
あの子の綺麗な記憶だけが残っていく。
過去と現在、妄想と現実とが混ざりあって記憶の中のマリコを形成する。それはある意味、彼女の存在そのものを汚す行いになるのかもしれない。しかし、残された者にとって、そこだけが彼女と繋がれる場所なのだ。
原作通り、いい意味で
原作漫画の衝撃はすごかったですが、それに忠実な実写化でした。
永野芽郁、窪田正孝が原作のイメージ通りで、会心の出来。
奈緒の演じるマリコが、原作より「壊れてる」度合いが大きすぎて、ちょっと怖いくらいでした。
普通「原作通り」すぎると、
「元のメディアのままでいいじゃん」
「映像化って、漫画が舐められてるよね、元を超えるのって容易じゃないのに」
って腹が立つんだけど、ちゃんとリスペクトして、かつ映画にしたからこその「+α」「映像だからできる独自性」がそこにあればOK。
その点では、永野芽郁の怒りや悲しみの姿、音楽や光と動きなどで、及第点以上の映像化に成功していたと思います。
親友の死に向き合う
親友の死をテレビで知り、彼女の遺骨を盗むことで彼女との人生を見つめ直す。
彼女の過酷な人生や2人のエピソード、そして今を生きる主人公の行動。それぞれに繋がりが出来るのだけど、その繋がりが弱く感情を揺さぶられることがなかった。
そして物語の主軸となる亡くなった親友の遺骨をどうするのかに対するアンサーが欲しかった。
なんかその場しのぎの回答だった様に思えた。
もう一つ彼女からの手紙は何が書かれてたのか?その回答もないまま終わるのってありなのかと思った。
痛々しいマリコの人生のストーリーを、全力で演じきった永野芽郁と奈緒の瑞々しい表現力に感嘆!
とにかく、永野芽郁、奈緒の演技力が期待以上にスゴかった!
シイノにとっても、自分の孤独を癒し、
生きがいのような存在だったマリコの突然の死
ぶっ壊れるしかなかったマリコとマリコの人生に
言葉にできない怒りを爆発させ、暴走するシイノを
永野芽郁が好演
正直、ここまでできるとは驚きだった
シイノのがさつな荒っぽさと、繊細で温かいところを巧みに表現していた
奈緒も、
つかみどころのあるようなないような
難しい役どころのマリコを
バカっぽくなりすぎず、暗くなりすぎず、
ビミョーに可愛らしさを加えながら、
これもまた、巧みに演じていた
ここに、アクセントの窪塚正孝!
通りすがりの人物でありながら
マリコを失った喪失感に打ちのめされる
シイノの心に「生きる」という気持ちを
再び思い起こさせる
その、出すぎず、引きすぎずの演技は
さすがの一言だった
見ていて気が滅入るようなマリコの人生も
この3人が演じることで、
ただ暗くて、救いようがない話で終わらず
生を実感し、日常生活があるささやかなありがたさ
を感じさせる、
希望をにおわせるラストへうまく繋がったと思う
原作読んだ人限定かも
親友だったはずの自分に何も伝えず死んだマリコが、この世にかけがえのない存在として生きていたことを記憶にねじ込むべく、毒親から骨壷をかっぱらって二人約束したあの海に向かう
そう、何も伝えないはずなんてないのだ
永野芽郁があのヤサグレた役を?と思ったけど、奈緒も窪田正孝も含めてさすがのハマりっぷり、原作読んだときに衝撃受けた、ものすごくザラザラした美しさがとても見事に映像化されてた
あの作品を映画化する心意気、原作読んだ人限定でおすすめ
ワイルドだろ〜!! 永野ちゃんが!!(笑)
こんな永野芽郁ちゃん見たことない(笑)的なワイルドな役柄にどんどん親近感が湧いてきて最後まで観ることが出来ました。
ラストが知りたい!(笑)
テレビでもなく、演劇でもなく、映画的な映像と音響にぎりぎりなっていた感で、演出とセリフ廻しは舞台劇的な感じがすごくして、映画ではなく、舞台劇としてみたいという声があっても良い感じの作品です。
マイ・ベスト・ナガノメイ
わたしの観た永野芽郁の中で一番良かった。実はわりと苦手な女優さんだったのだけど、今作は素直に素晴らしかった。可愛らしい、じゃない役もこんなに似合うんだね。
自死した親友の遺骨をかっさらって走るシィちゃん。話は突拍子もないが、思春期特有の友だちへの愛や強烈な執着や友情がすごくリアルに効果的に挟まれて、85分の短め尺の疾走感は保ちつつラストまでしっかり描かれており、とてもよかった◎
何故マリコだけだったのかは分からないけど。
マリコちゃんの不幸体質が見ていて痛々しかった。
愛情をちゃんと注がれないと、我慢するし自分が悪いと思い、そこにつけ込むヤツにまた狙われて悪いループに入る。
嫌なら嫌だと言えない関係性は本当の恋人同士じゃないんだけど、途中で本人も分かっててもそういう主従っぽい恋人関係を続けてしまう。で、苦しくなる。そこから逃げる手段の1つに、命を断つことを選択肢の1つに加えてしまう。悲しい。
シイちゃんは吹っ切れてる演技で、さすがブラック企業に居られてしまう強い女子で良かったです!
こんなに無断欠勤を数日続けて大丈夫なのか?と思ったら想像以上に会社のほうが普通じゃないのでお咎めなし。
「迷惑かけたと思うなら辞めずに働け!」
「あ、そこまで迷惑かけたと本気で思ったか?と言われれば。。そーでもなかったかもっす。」
「何ー!仕事しろー2件は取ってこーい!!」
。。もう上司とのやり取りがほぼコント(笑)
最後のマリコちゃんからの手紙、もう少し具体的に内容知りたいな〜というところは少し残念でしたが、シイちゃんは笑顔にもなっていたので、何かしら納得出来る内容が書かれてあったのだろうとは思いました。
あと、マリコにはシイちゃんしかいなかったのはよく分かるけど、シイちゃんにもマリコだけだった理由がよく分からなかったのでそこの脚本は残念でしたが。。
行動力のある強い主人公を演じ、『地獄の花園』『そして、バトン〜』でも見ていた永野芽郁ちゃん、かっこ良い社会人女性で良い演技でした!!お弁当を頬張る時、口で割りばしをくわえたまま箸を割るところが何かカッコ良かったです!(笑)
役柄への没入感に感服
演者の表現力を楽しみにしてきた。その期待感に沿う感情表現と意外性が本作の肝だと感じた。意表を突く展開とは真逆の、淡々と進行して行く描写において、画に惹き寄せる力を放つのは、主演の感受性あってこそ。その点、満たして余りある個性を堪能した。
理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く
「俺たちに明日はないッス」のタッグ、タナダユキ監督と脚本•向井康介氏の作品と聞いたら黙っちゃいられない。
たまたま去年死んだ母の墓参り後に導かれるように鑑賞。
内容はとにかくやさぐれた主人公、永野芽郁が演じるシイノ。俺が初めて永野芽郁をスクリーンで観た時は「俺物語!!」のヒロインの時だったから、そのギャップと怪演っぷりに圧倒された。
あと、窪田正孝がいい味出してた。正直今まで好きじゃなかったけど、こんな渋さを出せる俳優さんだったんですね。すいませんでした。
正直、映画のキモとしては、死んだマリコをどこまで愛すか、なんだと思います。脚本はいい塩梅でそこを重視していた。距離感で一気に違和感を生み出してしまい物語に集中出来ないという懸念は、さすが安定の向井康介氏が払拭してくれた。
しかし愛がお互いに狂気に満ちていた。
牙を剥く狂気具合が湊かなえを彷彿とさせるほど。
理解出来ないほどに依存体質のマリコを庇うシイノは、強がっている性格とは裏腹なお人好し要素が見えていた。
だけど、特別なマリコにしかそれがなかった。
本当の「暴力的な愛」だった。
あと、こっからネタバレ…というか内容はもちろん話さないですが、オチに賛否両論があるかもしれない。俺は「ありがとう」と思ったけど、鑑賞した女性2人組は「あのオチか…」と言っていました。どんなオチかは観て判断すれば良いと思います。
マリコサイドのストーリーも観たいかな。「マイラブリーシィちゃん」。ちゃんとしたジャパニーズホラー映画になりそうだ。
構成完璧でした。最高の映画体験をありがとう。
ブラック企業の7営業で、日々、鬱屈した時間を過ごしているシイノ(永...
ブラック企業の7営業で、日々、鬱屈した時間を過ごしているシイノ(永野芽郁)。
いつもの中華料理屋でざっかけない昼食をしながら観ていたテレビのニュースに流れたのは、親友マリコ(奈緒)の自殺報道。
どうにもいたたれなくなったシイノは、マリコの遺骨をマリコの父親から奪うと、遅まきながら弔いの旅に出た。
それは、シイノとマリコの過去を辿る旅であると同時に、マリコとの道行の旅でもあった・・・
といったところからはじまる物語で、原作は同名のコミックスらしい。
たしかに、コミックス原作らしい過剰さはあるのだけれど、その過剰さは監督のタナダユキ本人がそもそも持っている情熱のようなものだろう。
シイノが回想する様子から、幼いころからマリコは父親から虐待を受け(それも口に出せないほどヒドイもの)ていた。
シイノはマリコのたったひとりの理解者。
いや、理解者というのではなくて、分身のような存在。
でも、うざったいことはうざったい。
ほかのみんなと一緒に、マリコをいじめる側に回ればことは簡単なのだろうが、それはできない。
映画では直接描かれないが、シイノもマリコの側に近い立場だから(幼いころのセリフから伺える)。
そんなマリコを、遺骨という姿になったといえども取返し・・・よく言えないが、マリコと自身の存在証明を、改めて確認したい、そういう旅が綴られる。
シイノ演じる永野芽郁のやさぐれぶりはすさまじく、ま、近寄りたくない感じだが、それに輪をかけてマリコの自己否定ぶりは観ていて憂鬱になる。
そうなのね、これほどまでに現代の若い女性は病んでいるのね。
自分の居場所をみつけることが、こんなにも困難なのね。
マリコの遺骨とともに辿りついたのは、青森県の南部地方、まりがおか岬というところ。
岬にたどり着く寸前でシイノはひったくりに遭って行き場をなくしてしまう。
助けてくれたのは、見ず知らずの青年マキオ(窪田正孝)。
彼の無償の親切は、彼自身が半年ほど前に自殺し損ねたことに由来する。
「ここじゃ、簡単に、死ねません」という彼の言葉が可笑しい。
ひとは簡単には死ねない。
けれど、マリコは簡単に死んでしまった。
理不尽で不条理だ。
そんな不条理な世の中、最後にたどり着いた岬で、シイノは人助けをする。
人助けの道具になったのは、マリコの骨壺と遺骨。
ははは、可笑しいね。笑えるね。そんなもんだよ。ちょっといい話だよ。
ってところで映画は終わらない。
ここいらあたりがタナダユキ監督の、なんというかパンクでロックなところ。
もとのブラック企業へ戻ったシイノは、課長に「ブラック企業」と言わせて、そして、顧客のひとりから認めてもらえるような手紙をもらう。
手紙の中身は写されないが、シイノは居場所を見つけたような気がしたのだろう。
それまで、マリコとふたりだけだった世界での、別の居場所。
優しいといえば優しいラストなんだけれど、それぐらの優しさはあってもいいよね。
そう思える映画でした。
亡き親友の遺骨を抱えて旅をする弔いの物語。主人公のアクションには共...
亡き親友の遺骨を抱えて旅をする弔いの物語。主人公のアクションには共感できないけど、そんな主人公を演じた永野芽郁の演技は、何だか一皮剥けた感じ。
全258件中、141~160件目を表示