「【”ポップカルチャーは死なない!”トレインスポッティング、クリエイション・レコーズ創設者アラン・マッギーバージョン。90年代ブリット・ポップを愛する男には沁みる作品。名バンドテンコ盛り作品でもある。】」クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”ポップカルチャーは死なない!”トレインスポッティング、クリエイション・レコーズ創設者アラン・マッギーバージョン。90年代ブリット・ポップを愛する男には沁みる作品。名バンドテンコ盛り作品でもある。】

2024年1月20日
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鑑賞方法:VOD

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ー 今作は、アラン・マッギーを「トレインスポッティング」のジャンキー、スパッドを演じたユエン・ブレムナーが演じた点が奏功していると思う。
  彼が、セックス・ピストルズに憧れ、バンドを結成するも才能の無さに気付き、新人アーティストを多数見出す”目“と”耳“と”感性”を思ったいたが故に、ジーザス&メリーチェイン、プライマル・スクリーム、マイ・ブラッディ・バレンタイン、そしてオアシスを見出し大スターにしていく中、彼自身が徐々に疲弊し、ドラッグと酒に溺れていく過程を見事に演じているからである。-

◆感想

・今作では、「オアシス」の”ワンダー・ウォール”と、少しだけ「マイ・ブラッディ・バレンタイン」の”ラヴレス”「ジーザス&メリーチェイン」の”サイコ・キャンディ”などが流れるがそれだけで嬉しい。
 更に、当時のファッションやカルチャーも盛り込み、ブリットポップが生まれていった舞台裏をも楽しめる。

・映画のトーンも、当時のハイハイハイなナイトクラブシーンや、その中でアラン・マッギーが反骨精神で自分の遣りたいことを貫き、当時破竹の勢いだった「クリエーション・レコーズ」を創設する中、破天荒な生活により、ドラッグと酒に溺れていく過程を「トレイン・スポッティング」の監督、ダニー・ボイルが制作総指揮を手掛け、見事に描いている。

<白眉は、彼がラスト近くTVのインタビューで、自分が行って来た音楽活動が、如何にイギリスの(当時の)腐敗した政治に対し若者達の怒りを掻き立てて来たか、如何に政治的影響を発信していたかを涙を浮かべながら熱く語るシーンである。
 だが、我に返った彼はそれを自らカットさせ、普通のインタビューに応じて行くのである。
 今作は、90年代のブリット・ポップを愛する者には懐かしいし、(「マイ・ブラッディ・バレンタイン」等は、今でも車内で大音量で聞いている。)「トレイン・スポッティング」の作風が好きな方にも響く作品ではないかなと思った作品である。>

NOBU