すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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前2作のような、子供に見せたくない「ノイズ」がない
初めに、草太さん、予告だけ見ててっきり三十路前かと思っていた。すずめが高校生なのはわかっていたのでロリコン扱いしていてごめん…。
それはさておき、「君の名は」「天気の子」に比べて新海誠のポリコレ…というか倫理観がまともになったというか、オタクだけではなく子供や一般にも見せやすい作品になってきてホッとしている。
「君の名は」いちいち三葉の胸を揺らすシーンがあったし、入れ替わった瀧が胸を揉むシーンも気持ち悪かった。
「天気の子」はまともな大人が一人も出てこなかった。児童労働や風俗で搾取される(されそうな)子供を守る大人がだれもいなかった。
正直子供に見せたい作品ではなかった。
「すずめの戸締まり」にはそういった「子供には見せたくない」ノイズがない。
本作の大人は比較的まともだ。草太さんは未成年のすずめが巻き込まれるのを最初は良しとしないしできるだけ自分でなんとかしようとする。環さんは姪であるすずめを引き取り、やや口うるさいが、保護者としてなすべきことをしている。芹澤は成り行きで巻き込まれたのに環さんとすずめを故郷まで送り届けてくれる。
いわゆる「セカイ系」の作品においては、主人公の若者の周りの世界だけで物語が完結しがちだったが、成熟した大人をきちんと描くことで、意識が外の世界に向けられ観る者にもある種の成熟を促すようになったのか、単に新海誠が年を取ったのか、いずれにしても良い傾向だと思う。
ベルリンコンペにも出品されるようだが、受賞できるかは別として、この作品なら海外に誇ってよいだろう。
んー微妙!
鈴芽と震災のお話にスポットを当てたいのは凄く分かったんだけど他の部分のストーリーが雑で嫌。躍動感のあるアニメーションが素敵なのに勿体なさすぎる。
鈴芽の行動力が凄すぎるのも原因だと思う。もう少し人間らしく描いた方が入りやすいかも…。君の名はと雰囲気は似てるけど、君の名はの方がよく出来てたかなぁ。
あとダイジンの話もう少し掘り下げて欲しかったなぁ。せっかく良いキャラだったのにと思ってしまった。
全体的にクオリティは高いけどどこかビミョーな感じ。
号泣きの最高記録を達成!
ぅわぁ、とうとう観てしまった!
ウズメの涙、じゃなくて、すずめの戸締まり。
実家近くの各務原イオンで50割。
そんなことより、映画久しぶりなんだけど、年末前からずっと観たい映画が無くて。
そしたらこの映画の話題が突然タイムラインに流れてきたとき、圧倒的多数の友人たちの絶賛ぶりが1行読んだだけで伝わってきたから即読むのをやめて。
調べたりしなくとも、あーとうとう来たか、とその内容の濃さが伝わってきて、観ないわけにはいかないけどその勢いの中では観たくなかったから、延ばし延ばしにして熱りが冷めるのを待って、自分で観たくなるタイミングを見計らってたらたまたま今日になったという。
で、感想は。
はい、号泣きです。
予想では泣きが1回入ればよいところ、5回も来ました。
目頭にたまるレベルならまだしも、頬を伝って顎まで流れる映画なんてなかなかありません。
あそこはこういう意味でとか、小難しい深掘りはしません。
素直に、よかった。
いろんな意味でよかった。
もうそれでいいんじゃないかと。
缶の中から出て来た絵日記の真っ黒なページと日付。
その次を捲っても捲っても。
そしたらあった、あの扉が。
もうそれであかんのです。
そこまでは泣くことなんてあるのかと思ってたのに、ぐわぁーっと涙腺が大崩れして。
そこから畳みかけるように、あっまたきた、またまたきたと、5回もです。
新海誠監督の集大成にして最高傑作のふれ込みは伊達じゃなかった。
前作がどうのか通り越えて、絵も構成もストーリー展開の流も、その内容の奥深さもすべて。
岩戸に宗像に海部とか、叔母の名前がタマキだったりするけど、なんでスズメなのか。
ダイジンのキャラも、もっと何か深い気がするし。
人には言わずとも自分がいつも気にしてるようなテーマを、毎度毎度うれしいくらい扱ってくれる新海監督はいったい何者なのか。
そんなマニアックな神事の話をスピリチャルで片付けることなく丁寧に扱うところが好きだ。
もっと驚くべきことは、そんなマニアックなレベルの内容が全面に漂ってるのに、ミニシアターじゃなくて大手のシネコンの全国ロードショーで年末前の11月11日から年が明けて2月12日というのにまだまだロングランで客入りがいいっていうことが不思議でならない。
後ろ戸という大切な言葉が、これだけ多くの人に触れただけでもこの映画の価値がある。
実は、わたしが思う後ろ戸の使い方とは真逆の設定になってたけど、映画としてそれはそれでいいのだ。
それで出て来たのがミミズでも。
大きなエネルギーの話と、それを人知れず鎮める役目の人たちがいることさえ伝われば。
それから、何度も出て来る呪術的な祝詞のような呪文。
掛けまくも畏き火水の神よ、と思ったら、日不見の神よ、なんですね。
いろんな意味にとれるけど、これヒフミだね。
なんでお返し申すなのかわかんないけど。
また時間が経って、いろんな意味に気づいたり、いろんな答えが溢れ出たりしてよみがえってくるんだろうな。
そして、年末じゃなくて今このタイミングで観れてよかったかもしれない。
あと1ヶ月となる311のあの日のことをしっかりと思い出し、そしてまた改めて見つめ直すためにも。
うーむ、残念
映像は、最高に綺麗だった。
ファンタジー部分も最高❣️巨大ミミズは、不穏な権化。好きなジャンルの一つ。
ただ、意図するところもわかるんだけど、何故か入り込めず感動はしなかった。4歳のすずめの場面では、孫が重なり泣けたけど。
君の名の方が、断然いいな。よくできてるわ。人物同士の関わりが密に描けてたもね。すずめと草太とのそれが薄い。
好きなキャラクターは、環さんと芹澤くん。リアルだったから。
見て良かったけど、見終わって満足感がなかったのが残念。
生き死には運であるとしても
生は仮初めであり、生き死には運であるという。
それはそうだとしても、命のはかなさと、災害に襲われ続ける日本列島の宿命を、畳みかけられるのはなかなか重い。
幸せな時が永遠には続かないことを知っている歳だからかもしれない。もしくは、自分のメンタルが弱っているのかもしれない。
ジブリのオマージュだらけ!
気になるね!と話した友人と公開翌日に鑑賞!
その後、同じ友人と入場特典の小説「芹澤物語」欲しさにもう一度映画館で鑑賞!
私も友人もキャラ萌え!ガッツリハマりました笑
映像が綺麗すぎて圧巻!
OPタイトルコールからゾワゾワしっぱなしでした!
神様の気まぐれ感がとても好き。
ちょっとカルトっぽい所も好きなポイントかな!
ダイジンくん優しさたっぷりあげてフカフカにしてあげたい。
ダイジンくんを幸せにし隊!
ストーリーはとても良いし映像も音楽も綺麗!大号泣!かなりハマった作品!
だけど⭐︎スコア低めになってしまう理由は、ジブリのオマージュが多過ぎてオマージュのレベルを超えてる。
新海誠作品を観るのは今作が初めてのなのですが、ジブリのオマージュたっぷりで驚きました!
ここまでジブリなの?!と空いた口が塞がらない…。
正直ここまで来るとジブリの詰め合わせの映像を観ているのかと思ってしまう。
・スズメとおばさんが住む家は崖の上のポニョ
・ルージュの伝言もしっかりな魔女の宅急便
・自転車二人乗りは耳をすませば
・猫と空歩くのは猫の恩返し
・龍みたいなのは千と千尋の神隠し
・ミミズはもののけ姫の祟り神?
パッと思い出しただけでもこのくらい🤔
オマージュ、リスペクトと言うと聞こえは良いけど…あまりに類似した絵が多過ぎるとオリジナリティに欠けてしまうような…。
初見は途中から隠れジブリ探しみたいになってしまってました。
ジブリ映画と同じ形の建物、同じ構図の映像じゃない新海誠の世界をもっと観たかった!
次回作に期待&過去の作品も観たくなりました✨
そしてこの作品の要は3.11の大震災。
あの震災の時、私は東京の学校の体育館にいました。
安全が確認されて教室に戻ると机の中身は全部外に出ていて、帰り道はヒビ割れている道をドキドキしながら通ったのを覚えています。
しばらくは報道番組にショッキングな映像が流れ続けて悲しかった。
あの日の気持ちを思い出しながら「いつも通りの行ってきます」に涙が止まらない。
「震災のアラームの音などあります。」という注意を友人が事前に教えてくれてたから、心構えして観れたけど、知らなかったら心臓がバクバクして観れなかったかも。
私ですらこんな気持ちになったのだから、実際もっと近くで震災や災害を体験した達は苦しい場面もあると思う。
観る時はかなり心構えをしてから観て少しでも心の打撃を抑えて欲しいです。
年代で評価の分かれる映画ですが、私は高評価です
今さらですが、観てきました。
正直、新海ワールドはあまり好きではないのですが、これを契機に若い方に12年前に日本で何が起きたのかを知って欲しいとの思いと、テーマが一貫しており感銘を受けた台詞があったこと、サブキャラの演技が素晴らしかった(間の取り方など)ことから、満点とさせて頂きました。
概ね良作
映画館まで行く暇がまったくなく、だいぶ遅れてやっと観ることができました。平日だったこともあり、貸し切り状態。最高でした。
細かい問題点は多々あれど、概ね良くまとまっていて気持ちよく見終えることができる良作です。日本人(もしくは日本に長く住み、文化への理解がある)でなくては分からない感覚(災害に対する静かな恐怖、それと共存せねばならないが故にあるカミへの畏れと敬い、だからこそある平々凡々な日常への慈しみ)を呼び覚ますような、そんな映画です。
総じて映像が美しく、カメラワークも凝っている。時に「これ、実写映画でもいけるのでは」と思うこともあるものの、アニメだからこその画面もあり、特に登場人物アップ時の瞳や表情の豊かさは実写では表現できないと思いました。
映画の尺の短さ故に、主人公が自身の命を懸けるほどの恋に落ちていく過程の描写が不十分だった点が残念ですが、互いが惹かれ合っていく描写は確かにあり、大きなマイナスにはなりませんでした。なにより、イスのくせにカワイイとは何事だ?!(笑)
俳優声優にありがちな棒演技もなく、主人公二人のやりとりは微笑ましく、間の取り方もとても良かったと感じました。
音楽については、「君の名は」ほどRADWIMPSが前に出てくる感じがなく、「歌のくどさ」が排除されていたのも良かったと思います。十明さんが歌う主題歌はとてもこの作品に合っていて、心に沁みました。
また、最初は不気味でしかなかったダイジンも、物語が進むに連れてその正体に思いを馳せば、悲しくもあり、愛しくもあり、色々と考える余地が残されていることも素敵だなと思いました。
映画館のスクリーンと音響で、もう一度ぜひ観たいと思える作品でした。
全体的には満足!!
【良いところ】
『君の名は』から怒涛の勢いで売れる映画を量産する
監督に脱帽!全世代から支持されるように工夫しているところがすごい。日頃映画を観ない人でも楽しめるように、一つひとつの事象をキャラクターが解説してくれるので、何が起こっているのか考えなくても楽しめる!
【イマイチなところ】
主人公の動機づけやそれを取り巻くキャラクターがお膳立てするといった単調な構成にガッカリした。テーマとしては前々作から一貫しているので、目新しさが無い。
地震とミミズの関連性は理解できるけど、二匹の猫が意味わからなかった。小さい猫の行動原理がよくわからないし、途中から出てきた猫に関しては謎の塊。つまらなくはないけど平凡。観客の感性を低く見積もってると感じた。それでも作画と音響は相変わらず凄すぎる!!
君の名はの感動はもはや期待できない
地震にフォーカスを当て、日本列島を南から北まで行脚する主人公は少し面白かった。
神がかった力は神秘的で嫌いではないが、随所にちらばめられた魔法使いの様な能力の描き方は宮崎映画の足元にも及ばない…
良くあるアニメ巨匠と同じく2作目以降が退屈であの没頭感が得られなくなったが、主人公の描き方は可愛らしく…まあこんなものか。
推奨してくれた友人に免じて星を一つ追加。
脚本と演技が○ミ
ストーリーとか映像とかは本当に良すぎる、世界観も綺麗だし劇場作品として素晴らしいが、脚本と演技がゴミすぎて入り込めなかった…とくに草太役
佐倉綾音様様と上村祐翔様様でやっていただけたら50000倍面白かっただろうに…だから私は俳優さんが声入れるのに反対なんや…最近そういうの多くて悲しい
あと震災ネタは結構重すぎて、題材に出来たその度胸がすごい!これは良くも悪くも
深掘り
うるっとくる場面はあったし、切ない音楽も素晴らしかったです。
東京の場面で終わりかと思ったら、そこから先まだ続きがあったのは良かったです。
終わり方もきれいでした。よく「明日への扉」「人生の扉」みたいな表現があるかと思いますが、鑑賞を通じてそんな言葉を思い出しました。
「いってらっしゃい」「ただいま」
そういう温かい言葉のやりとりが起きる扉を、人々の生活をめちゃくちゃにするであろう地震に対するメタファーとして描かれてるような気がしました。
とりあえず、ハズレではない良い映画だと思います。
本題
ただ、ちょっと浅い感じがしました。
【なぜヒロインは、出会って間もない男の人を好きになるのか?】動機がよく分からない。結局、この旅は男を助けるための旅?
ロードムービーなので、出会う人たちの生活感や人生に触れてほしかった。
地震は、そこで暮らす人たちの生活、家族、人生全て壊してしまう。
地震の恐ろしさってそこだと思います。
出会う人たちの生活、人生に触れることで、ボロボロになりながらも必死に地震をくい止める動機に繋がると思うので、そこを深掘りする描き方もできたんじゃないかな。
もしくは、地震で壊滅してしまう場面もあっても良かったと思います。
もちろん、人々を助けるためなんて立派な動機より、自分の大事な人を助けるためという個人的な動機の方が、人間らしくリアリティがあって良いと思います。たしかに、10代ですし、初めは一目惚れでも良いです。しかし、そこからどのような過程で、本気であの男のために行動をとるようになるのか。そこの心境の変化が描かれてると、より良くなっていたと思いました。
今日本で描くべきテーマをアニメで描き切る感動
いやぁ凄かった…。新海誠監督があらゆる期待を振り払ってまで描きたかったメッセージ。その凄さに圧倒される。注釈では足りない程鳴り響くアラームは今も生きている人に向けて忠告し続けているのかもしれない。なお、本レビューはネタバレといかない程度に踏み入って書くことを先に記しておく。
『君の名は。』や『天気の子』と天災を描いてきた新海誠監督が本作で挑んだテーマは、日本では避けて通れない、震災。これに関してはフィクションに委ねても委ね切れない部分がある。物語としての「面白さ」に加担することが一種のタブーとも取れるからだ。そこに踏み入り、「戸締まり」として死へのカウントダウンと迎え入れる人の覚悟を描いていく。そこにアニメだからこそ描ける希望を取り入れながら。
結果として、私は素晴らしいモノになったと感じている。常に問われる生の覚悟と死との葛藤。それに揺るがないすずめの決意と、現実にリンクするバックボーン。何度も鳴り響く警報に油断せず、まもなく起こる惨劇を食い止めたいとする強い意志は、知らぬ間に人々の生活を守っている。出会った人たちも大切な人として色を重ねながら。
主演は原菜乃華さん。すっかり売れっ子になった彼女だが、声だけ聴くとアニメ向きなのかもしれないと思う。アニメ好きな友達も感じるほどで、オーディションで選ばれるのも納得だ。また、松村北斗さんも椅子…じゃなくて(笑)、イケメンに相応しいリードを感じる。希薄な関係に陥りがちなこの時代、経験を経ながら成長するボーイ・ミーツ・ガールは、一段と意味を感じさせる。それは全ての出会いに言えることかもしれないが。
その「行ってきます。」は、大切な人との最後の言葉になるかもしれない。いくつもの扉を開き、出会いの中で人が想ってくれる大切さを再確認していく。言葉足らずでも、付いてくる感情に気づけば有り難みを受け取れる。それが想い出の中であっても。受け取る意味が時間と共に変化していこうが、その「行ってきます」は何処へでも行くのだと思った。
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