屋根裏のラジャーのレビュー・感想・評価
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「西村義明さんエピソード」
今年236本目。
公開が1年以上延期されたので人件費も製作費もかさんでスタジオ・ポノック倒産するんじゃないかの時に、西村義明さんが8才の息子と一緒にお風呂に入って、よくない映画を作ってお金を損しないのと、いい映画を作ってお金を損するのどっちがいいと尋ねました。いい映画はお客さんが喜ぶ。最後パパが得するよ。その答えで延期にも負けず公開できました。息子とお風呂の時を思い出すと今でも泣きそうになると西村さんは仰ってました。
技術では手描きでフランスのあるアニメーション会社の門外不出の技術が使われています。従来は背景が奥行きがあっても人物がのっぺりに感じられ、人物も密度感を出す技術です。顔の表情に影があるのが例ですね。見ていて気づかなかったですけど、それだけ自然だったんですね、テレビ放送ではちょっとチェックしたいです。
千と千尋の湯屋の橋に似た、長崎の出島をイメージした所が一番印象に。イマジナリーの世界、想像の世界そこの解説は見てのお楽しみ。後半がいい。寺田心君の変声期に重なったのが実はラジャーの成長に重なって良かったと思います。
バンティングが気になった
正直いってこの作品は面白くなさそうな気がしたのだけど、スタジオポノックは設立された経緯が経緯なので、応援したい気持ちが強くて、観ることにした。
結論からいうと、非常に良かった。「メアリと魔女の花」は、悪くいえばAIにつくらせたジブリ風の映画みたいな、「ジブリぽさ」しか印象に残らないような作品だったけど、本作はストーリーも絵も独自のものが立てられ、洗練されていて、ジブリという親から独り立ちしはじめた若鳥のような初々しい勇敢さが感じられた。
絵が絵本チックなので、原作の絵に似せたのかと思ったけど、原作にはあまり似てない。万人受けするそれなりに魅力的な絵柄だとは思うけど、可もなく不可もなく、という感じ。陰影のつけ方が安いCGぽいところが気になった。もっと個性的なキャラがたくさんいると良かった。ミスター・バンティングのキャラデザは好き。
ミヒャエル・エンデの名作、「果てしない物語」と「モモ」思わせる、テーマ、世界観、ストーリーが僕の好みに非常にはまって良かった。子供は現実の世界と空想の世界を行き来することで成長していくことが象徴的に描かれている。
イマジナリー・フレンドが父親の死によって生まれた、という経緯は感動するし、深い。「空想」というものは、耐えられない現実の欠乏を埋めるためのもの。だからすばらしいし、だから悲しい。忘れられてしまったイマジナリーの生き延びる場所が図書館というのも深い。イマジナリーたちは「本」の中の架空のキャラに昇華されているということを表しているのだろう。
全体に非常に良かったが、終盤は少し物足りなかった。バンティングとの戦いは、アマンダとバンティングとの空想力の戦い、というところを軸に、もっと長尺で描いた方が良かったんではないかと思う。
バンティングとの戦いがすっきりしないのは、バンティングがどんな存在なのか、深く煮詰められていないからだと思う。たとえば「モモ」の「時間どろぼう」なら、彼らが現実において象徴しているものが何なのか深く考察できるようになっている。
バンティングは「大人になってもイマジナリーと別れたくない」と願いすぎた、ある意味純粋すぎる人間だったのかもしれない。
大人になると、誰しも「現実と空想」を区別できるように心が成長する。それは現実に適応して生活するために必要なことなのだが、その代償としてイマジナリーを失ってしまう。バンティングは何か「悪しき手段」によって、そのルールの外にいる存在なのだろう。
アマンダの「正しい空想」とバンティングの「悪しき空想」の戦いというものを、映像で表現できたらとても面白く見ごたえがあっただろうと思う。
バンティングのイマジナリーが自らバンティングに食われるという行動をとったのは良かった。もう少し、バンティングと彼のイマジナリーの背景を知りたかった。彼がどのように誕生し、彼のイマジナリーが何を想っていたのか。
この作品の感想というところから少し離れるけど、この作品を観て、何となく「宮崎駿」作品の魅力の正体というものが分かったような気がした。宮崎駿作品が言葉に表せない魅力を持っていたり、不可解なものが描かれたりしているのは、宮崎駿が大人になっても子供のようなあふれるような空想力を維持しているからではないか。
この「屋根裏のラジャー」を含め、子供向けの物語というのは、普通は大人が「子供のために作った物語」なのだが、宮崎駿は自分自身の中の内なる子供のために作品を作っているんではないか。そんなことを考えた。
オーロラと傘
原作小説は、A.F.ハロルドの代表作
「The Imaginary」
イギリス文学協会賞受賞をはじめとする数々の賞を総なめにしてきた傑作ファンタジーだそうです。
加えて、スタジオポノック最新作!
ジブリ第三の男、百瀬義行監督と西村Pのタッグですもん。
期待しますよぉ〜!
超楽しみにしていました♪
私は子供の頃から空想好きで
「イマジナリーフレンド」ではないけれど、実在の人物を自分の都合の良いように登場させ、人気者になったり、モテモテになったり、救世主になったりしていましたw
自分の想像の中では無敵なので、今考えると、嫌な事があったりすると、空想世界に逃避し、心の均等を保っていたんだと思います。
本作もイマジナリーフレンドという存在を
「アマンダの想像上の友達=夢・友情・愛情」という、純粋なもの、という事だけにはしておらず、
アマンダに忘れられてしまうと
「消えてしまう」という設定にしている所が、何ともシビアで、大人になった私にも刺さりました。
子供達に忘れられたイマジナリー達が、図書館で楽しく暮らすファンタジーのように見せておいて、実は、人間の精神面にかなり触れているのが興味深かったかな。
バンディングの
「想像は、現実には勝てないのだ」なんてセリフも哲学的で面白い。
原作が童話なので、ぶっちゃけ何でもありなんだが、無茶な展開がやや気になった。
不明瞭な点も多いのに、ラストはありきたりで残念に感じた。
題材は好みなのにな。。
"喪失と再生"
ラジャーはアマンダの悲しみを引き受ける存在だったと思う。
だから
「イマジナリーフレンドが必要な子供達」
の理由!
心の深部をもっと描いて欲しかった!
観てよかった
ちょうど、前作の「メアリと魔女の花」を家族がテレビ録画していて、それを冒頭のさわりだけ見ていたところでした。正直、冒頭だけで難点が見えてきて、最後まで観るのが難しいかもという印象だったんですが、今作「ラジャー~」はなかなか評判が良いので、思い切って観てきました。
好みじゃないと2時間座るのがかなり厳しかったりするんですが、行ってよかったです。冒頭から引き込まれて、大人でもとても楽しめました。
前作(まださわりの視聴で申し訳ないですが)で感じた難点、キャラクターが作り込まれてなくて、絵が素晴らしいのに全く世界に入り込めなかったのが、今作ではキャラクターが作画含めてとてもイキイキしていて、冒頭からホッとしました。終盤までラジャーもアマンダも輝いてました。アマンダが主人公かと思いきやラジャーの方だったんですね。アマンダの途中退場に少し驚きました。
全て流れもまとまりも良くて感動したんですが個人的に最後だけちょっと引っかかったのが、終盤で母のリジーが、イマジナリーが見えだしたり、敵の男Mr.バンティングが娘の病室で不審極まりない言動をしてたり、昏睡状態だった娘が目覚めて苦しんだり、色々起こっている時にリジーのリアクションがいまいち弱かったところです。なんかぼやけた動きだったなぁと。昏睡の娘が目覚めたのでも結構な事なのに、不審な男が病室にいるなんて、アメリカ(かな?)だったら即通報レベルだと思うんですが、なんか頼りなくてはっきりしない大人にみえて。
ついでに、犬のキャラクターがとても良かったので、名前の「冷蔵庫」ももうひとひねりしても良いんじゃないかと思いました。海外を意識して、英語だったら「フリッジ」とかで日本語のゴロより名前っぽくおさまるとか、そんな都合だったのかな?
何度か目頭が熱くなった
グッとくる言葉やシーンが要所要所にあり
何度か涙を堪えてしまった。
引き込まれる表情はさすがジブリの絵を継いでいるからなんでしょうか。
目に溢れる涙の描写にこちらまで持っていかれそうになりました。
絵本がベースだからか、突拍子もない展開や、いまいち話の流れに理解が追いつか無い部分が多く「???」が頭の中に並んでしまいました。
子供の頃の空想の友達を題材にした映画なんて
そりゃ複雑ですよね。
もっとフワッとした感情で見れば良かったかなf^_^;
IMAGINE?
想像の世界だから、常識や物理法則に囚われない。
アニメーションとは非常に相性のよい題材だが、それはルールが無いこととは違う。
扉は開けられないのに車には乗れるし、イメージだと思ってたら現実にも影響を及ぼす。
この辺に没入感を妨げられて、あまり楽しめなかった。
“普通の人間”もいたから実在するのかと思ったら、“図書館”には“扉”からしか行けない謎。
バンティングについても、イマジナリを食べる(=想像力が死なない)ことがどう不死に繋がるのか理解できず。
子供のイメージなのに、イマジナリを主役にして自分は指示を出す立場が多いのも違和感アリ。
骨っ子の件は設定の説明にしか感じず、ジンザンや小雪ちゃんもフェードアウト。
エミリの消失(ラジャーだけ覚えている理由も不明だが、もはや諦めた)は特に悲しまれず、キャラが使い捨て。
というか、ラジャーもイマジナリの町や人々に何の思い入れも見せず、アマンダと二人の話に終始していた。
黒い娘の最後の行動にも何も説明がないし、何故あの直後にラジャーとお別れしなくてはならないのか…?
演技は思ったほど悪くはなかったが、やはり感情が昂った際の棒読みには興醒めした。
個人的には、雰囲気に合わないのでスマフォやロックミュージックは出さないでほしかったかな。
ポノックは、題材や作画がジブリとディズニーの間の子というところからいつ個性を出してくれるのか。
期待はしているが、まだまだ先は長そうだ。
ちなみに、杉咲花のオーロラとやら、どこで喋ってました?
原作は詩人、らしい。
わからなくはないけど…想像力についていけなくなった感も…。想いを強くすれば記憶が蘇る、っていうのがすんなり受け入れられないというか…。それでもイマジナリーな世界はワクワクだしきれい。サクラさんの声はイメージが強過ぎてマイナスか…。
思い出せないイマジナリーフレンド
イマジナリーフレンドは一人っ子や第一子に多く
見られる現象との事。
自分の子どものころを思い出そうとしたけど
(ひとりっ子です)
やはり、本作のようなキラキラした世界観は
覚えていなかった🤣
自分のイマジナリーフレンドはどんな姿かたちを
していたのだろう。
どんな遊びをしていたのだろう。
忘れられてしまったから「イマジナリの町」で
今日一日だけの友だちと遊んでいるのかなぁ。
ファンタジー溢れ、色彩豊かで子どもはもちろん
大人も楽しめる作品でした。
ラジャー役、寺田心くんが声優初挑戦🎤
なかなかどうしていっぱしの声優っぷり👍←誰目線w
その真逆のところで
リジー(母親)を安藤サクラなのですが
あれれ?声の演技は苦手なのでしょうか。
なんだかしっくりしませんでしたね。
個性が声にも滲み出ていたMr.バンディングは
誰が演じているか知らなくてもわかっちゃったし、
山田孝之や高畑淳子は違和感なく良かったです。
ジブリは声優を起用しない事で有名ですが
スタジオポノックも同じスタンスなのでしょうか。
そういうこだわりにも良し悪しがあると思うので
臨機応変に対応してほしいなぁと思いました。
闇
「屋根裏のラジャー」
幼い頃に出逢う“空想の友だち”
イマジナリと呼ばれ
いつしか子供たちが成長すると
忘れ去られて消えてしまう存在。
ラジャーはアマンダが創り出した“イマジナリ”。
どうしてラジャーが創られたのかそれは➖➖。
壮大で美しい。
闇の表現が恐怖感を迫る映像美。
ジブリを超えた。
ピンときたのは間違いではなかった
想像以上でした。子供向けみたいなこと書いてる人何人か見たけど、はっきり言って大人向けだと思う。トイ・ストーリー3が大人向けだったように。何故なら子供はイマジナリーを忘れた経験がまだないから。
自分が持ってた経験があるならあの頃のイマジナリーにもう一度会いたいと思った(´ . .̫ . `)
とても面白かった
児童に向けたファンタジーとしてこれだけ面白い映画もなかなかないと思う。尺も110分程度でちょうど良い。大人に向けても大人目線でしっかり胸に突き刺さる号泣展開があり、そのあたりのバランスも素晴らしい。割と全年代で楽しめるはずだが、平日とはいえ夜19時台スタートの回で自分含め観客2名には唖然とした。宣伝の失敗としか言いようがないのでは。
キャラクターデザインなど一見ジブリ以降の見慣れた感じのものであるにもかかわらず、絵に今まで見たことがない独自性を感じた。アニメ技法はよくわからないが、実在感と手書きっぽいデフォルメの絶妙な溶け合い方に強く惹きつけられた。
動きも凄くて、絶対に映画館で見ないとダメなやつだと思う。
ポノック
宮崎駿は知ってるでしょ?
絶対面白いと期待しちゃう制作会社スタジオジブリ、あなたがアニヲタなら京アニとか知ってるっしょ。
サンライズとかカラーにトリガー、シャフト。
で今作スタジオポノックですよ、ジブリの系譜にアニメ実力ハンパ無いレベル!!
のはずだった・・
鬼太郎トットちゃんと年末、歴史に語られる超作が発表される中肩透かしに思ってしまったぞラジャー。
実力は一流な筈なのに何でだポノック。
脚本とその読み解きの問題じゃない?監督さん。
どこ刺すか不明確だし行くなら一点突破にしようぜ。
二兎追い三兔追って自滅な良作に思ったわ残念。
かつて子どもだった大人たちへ
イギリスの作家で詩人のA・F・ハロルドによる小説「ぼくが消えないうちに(The Imaginary)」を、スタジオポノックが映画化した長編アニメーションは、想像によって生まれた“イマジナリーフレンド”を主人公に、現実と想像が交錯する世界で起こる冒険をエモーショナルに描いていく。
主人公の少年ラジャーは、少女アマンダの想像が生み出した、彼女以外の人間には見えない「想像の友だち(イマジナリ)」だ。
ラジャーは屋根裏部屋でアマンダと一緒に想像の世界に飛び込み、喜びに溢れた毎日を送っていたが、イマジナリには人間に忘れられると消えていくという避けられない運命があった。
アマンダに忘れられれば、世界中の誰からもその姿は見えなくなり、消えてしまうという自分の運命に戸惑いながらも、或ることを切っ掛けに、かつて人間に忘れさられたイマジナリたちが身を寄せ合って暮らす「イマジナリの町」に辿り着く。
そこでラジャーと仲間たちは、彼らの大切な人や家族の未来を懸けた冒険を繰り広げることになる。
イマジナリの対極にある、厳しい現実に日々打ちのめされながらも、我々大人は、本作を通して過ぎ去りし時を求め、ノスタルジックな気分に浸ってしまう。
親子で是非
すごいなと思ったのが、子供視点だと純粋にワクワクしてちょっと怖くてストーリーに入り込んで楽しめるようになっているけど、大人視点だとまた別の感じ方ができる作りになっているところ。それぞれ感じて得るものがある。
親子で観る価値がちゃんとあります。是非親子で一緒に観てほしい。
ミスター・バンディングとそのイマジナリーのデザインやキャラクター性は小さい子にはちょっと怖くてトラウマになっちゃうかもしれないけど、そこを妥協しなかったのもすごくよかったと思う。
個人的には小雪ちゃんと骨っこガリガリがめちゃくちゃかわいくてお気に入り!
ジンザンもあんな渋めな感じなのに「小雪ちゃん」って呼んでるのすごいギャップあってよかった…
いっぱい考察できる部分もあるので1回だけじゃもったいないかも!
少女の思いと成長に泣いた
少女の成長を描いた作品であり、大人が子供の頃を思い出す作品でもあり。
幼少の頃に自分だけの世界を思い描いて、それを心の拠り所にする。しかし、大人になるにつれ、そんなことも忘れて現実世界に立ち向かわなければならなくなる…。その忘れていたものは純粋そのものであり、本当は大切なものなのかもしれない。
子供達が信じているものってこういうことなのかな?自分はどうだったかな?と過去の自分を思い出させてくれます。
クライマックスに流れる音楽もエンドロールの歌も最高でした!作品紹介を読んで「泣いちゃうかも…」と思って観に行ったら案の定泣いた(笑)寺田心の声はめちゃくちゃ良かったです。あと、敵のイマジナリーちゃん怖可愛い…。
夢の世界
澄み切った夢物語。イマジンする人間とされる側のイマジナリ。ピュアが沁み渡る。それに想えば叶う。もう幸せ者。あの頃を思い出しては奮い立つ。 Nothing's Impossible、かっこいい!
宮﨑的エンタメと高畑的感動を兼ね備えた快作
文句なしに名作。仇役の登場以降はハラハラドキドキ、
別れと思慕が交錯する中盤以降は目頭熱くなりっぱなし。敢えて例えれば、「紅の豚」までにあったの宮﨑駿のエンタメ性と、心の奥底を突く高畑勲の文学性を兼ね備えた快作。イマジナリーの楽園はトイストーリーも想起させるが、心の揺さ振り具合は本作が何倍も上だった。「君たちはどう生きるか」よりヒットしないなら、日本人の審美眼を疑いそう。
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