母性のレビュー・感想・評価
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愛能う限りに…
イヤミスの女王とも言われている、湊かなえ原作の映画化。原作も既読しているが、ラストシーン以外は、どこを切っても、切なくてやるせなく、嫌悪感漂う湊作品らしさが、十分に表れていた。但し、永井芽郁が演じた清佳の置かれているシチュエーションは、原作とは違っており、観る者に対して、廣木監督が、最後は、少しでも救われるように配慮した演出をしたのかもしれない。
母と娘の愛情をテーマに、高度経済成長期における社会に潜む、家族の陰の部分に焦点を当てている。母離れできない娘が、母となることで実娘・清佳に愛情を注ぐことのできない情緒の不安定さ、何とかして母を振り向かせたいと願い、母の顔色を窺って育つ娘・清佳の健気さが、悲哀を誘う。そこに、旦那や義母、小姑が絡み合い、それぞれの思うところの、家族愛のすれ違いが引き起こす、サスペンス・ドラマ仕立てに描かれていく。
冒頭、1人の女生徒が、首つり自殺をし亡くなった事件を、成長して教員となった清佳が知る所から始まる。自殺した娘の母親は、「愛能う限り大切に、娘を育ててきたはずなのに…」と言葉を詰まらせたことで、清佳は、自分の育ってきた過去の生活と重ね、幼少期からを回想する形で、物語は進んでいく。原作では、自殺したのが、清佳として描かれているので、その点が一番違うのだが…。
時は11年前の台風の夜に遡り、母と娘の回想によって物語は展開する。11年前に起きた落雷による火災によって祖母を失い、幸せだった家庭に思ってもいない方向からヒビが入りだす。そして、そこからは、母が娘に求める親子愛と娘が母に求める親子愛のすれ違いを、無情なほど切なく突き付けてくる。
今回は、『ハコヅメ』で共演した永野芽衣と戸田恵梨香が親子を演じたことで話題となったが、この年齢差では、リアリティのある親子という点では、やや無理があったように思う。しかしながら、戸田恵梨香も、自分の母への限りない愛と実娘に対する冷ややかな愛の両極端の愛情を上手に使い分け、頑張って演技していたと思う。
しかし、それ以上に、戸田の義母役を演じた高畑淳子の怪演、妙演振りは、凄かった。作品を通して、食事シーンが多かったわけだが、物を口いっぱいに頬張りながらの罵声、実娘が、家を飛び出した時の狂気の沙汰、そして、痴ほうで、寝たきりとなった時の哀れな姿は、主役の2人を、しっかりと呑み込んでおり、正に、女性版・柄本明と言った演技であった。
母性は父親とワンセットだから良いのだ。という真っ当作品。ただ災害のシーンは使い回しすぎ。陳腐。
テーマ自体は真っ当
お母さんは偉大だ。
しかし、偉大すぎる故、母、祖母、義理の祖母、娘
直接対峙はおかしくなるのだよ。
媒介として、父親、男の存在意義は大きいのだ。
そんな主題には納得。
だが、戸田恵梨香、痩せギスすぎる。
まさに骸骨。なんかガンかなんか闘病してるの?
そっちの方が気になって画面が入ってこない。
頬骨がコケすぎ。終戦直後の役なら似合うだろけど
痩せるのも限度。もう少し肉つかないと、顔が怖いんだよ。
ストーリーのセリフ以前に・・・
学生運動の本質をついたセリフは良かった。
安田講堂で遊んでた連中は殆ど、東大なんか受験すらできなかった他大学の連中なのは有名。
火事だかの下敷きシーンはこれまで、映画、テレビ📺ドラマで使いまわされて擦り切れてる
構図、シーン。あっそうと・・何にも感じなかった。
1988の宮本輝、今はなき高橋良明、橘ゆかり「避暑地の猫」📺テレビドラマ思い出した。
そちらの方がディープ。
戸田恵梨香が容貌+セリフ回しが良くも悪くも、不気味。
高畑淳子も大地真央もハマり役。
主人公はとっくのとうに教師だったことに気づけば・・言うのやめときます。
愛能う限り・・こんな言葉使わないし、使ってもマスゴミ形容詞は捨てるから・・
面白いです、予告編とは違いますけど
予告編とは、全く違う映画で驚きました
しっかりとしたストーリーで飽きることなく
ドキドキする展開で
2時間堪能させていただきました
自分が家族に興味がなさすぎなのか
映画を観てこんな考え方の人もいるのかと驚きました
永野芽郁さんの時代なんでしょうか?
なにを演じても永野芽郁さんですけど
観ている方も期待通りで安心します
もっと上手く観せられたのでは
そこまで期待せずに鑑賞。
シナリオは、大きなどんでん返し、というわけではなく、登場人物の共感できない行動にしモヤモヤ、イライラしながら進んでく。
両面で描こうとするも、うまくそれを活用できておらず、2回同じものを見せられていて間伸びしている。
そして、場面がわかりやすい音楽、演出が際立ち、作風と合っていない。
母性という人間の内面に関わる作品なのだから、浅く表面的な演出でなく、示唆に富む演出が欲しかった。
原作は読んでいないのだが、それでももっとうまく表現できたのでは、と思わされる。
永野芽郁は、そしてバトンは渡された、と同じく娘役。
感情を抑える演技、泣きの演技がやはり上手い。
戸田恵梨香は母親役としてはまだ若く、違和感が残る。
映画の表現力を逆の意味で感じた作品だった。
申し訳ないが…
湊先生には申し訳ないが、まったく理解できなかった。これはおそらく映画由来ではなく原作由来と思われる。
当方がおっさんなせいなのかどうなのか、あぁいう風に「愛されたい」というのがまったく理解できない…
あれが「母性」とか「娘性」なのかな?知らんけど…
「ママ」はとにかく娘でいたかったのかな?としか思えなかった…
その戸田恵梨香は熱演だったと思うけど、高畑淳子の怪演にやられてしまったね…
心に突き刺さる
ネタバレなしでのレビューは、言いたい気持ちを抑えるの難しいです。
でも、挑戦します。
まず、残念ながら原作未読です。申し訳ないです。
読んでみたいです。
映画も良き作品と感じます。
本当は星5をつけてもいいですが、
劇中、どうしても許容できない主人公の台詞があったのと
CMのイメージが自分はあまり好きでないので
星4です。でもかなり高評価です。
男性にも是非観ていただきたい内容です。
自分が鑑賞した回(平日ですがサービスデー)はほぼ女性のお客様でした。
トリッキーな演出なので、途中でウトウトしないようにしたいですね。
あと、朝ドラの高畑淳子さん演じる五島のおばあちゃんの温かなイメージを
壊したくない方は観ない方がいいかもです。
とても名演技ですが、朝ドラのイメージが壊れます。
(そう言えば朝ドラも親子関係を描いていますね)
親子関係の成り立ちを自分に置き換えて
観させてくれる、考えさせてくれる。
自分にはそう感じ取れた作品です。
子供は大人の目を気にして育つことが多いように思います。
逆に、歳を重ねて高齢になるにつれ
親が子供に遠慮して若干距離をおくようになるようにも思います。
そこの境はいつだったかなぁ、なんて事を思いながら観ていました。
人間それぞれ生まれ育つ環境とか置かれた境遇、定めとか、
自分ではどうしようもないところからスタートですから、
そこは人それぞれだと思います。
多くの方に共通するのは
『愛されたいと思う子に
無償の愛で応えるのが母性ではないでしょうか』
と分かったようなこと言いますが
これ実は、自分の娘の考え方の受け売りなのです。
申し訳ないです。
父親として反省すべき点
高齢の母に対しての子供としての反省すべき点
これから、どう向き合っていくべきか
今一度、自分に問いかけてみる機会を与えてくれた
素晴らしい作品です。
あまりにもリアルに心に刺さるので
涙は出ないですが、
いつまで記憶に残る映画になりそうです。
女性は一度観た方がいいかも
よくぞ演じたなというくらい迫力ある演技に惹かれました。
私は未婚だからまた結婚して子供がいたら見方が違ったかもしれないです。それぞれ感じ方が違うなと思いました。
未婚の私が観た感想は、お母さんの愛は偉大だなと同時に時としてあの愛は残酷となるということを学びました。
愛って何?愛されるって?子供にしてあげられることって?私も母に依存してるし顔色伺ってるなとか色々考えさせられました。
幸せってなんだろ?とか普段意外と考えないけどこの映画を通して色々考えさせられました。
母親から語る真実(母性)と娘から語る真実(母性)の食い違いによる面...
母親から語る真実(母性)と娘から語る真実(母性)の食い違いによる面白さ
冒頭のニュースを話すシーンと母と娘が語るシーンの曖昧な境界線がむず痒くも面白い
若手 vs ベテランの女優対決はベテランの貫禄勝ち!
主演の戸田恵梨香と永野芽郁が、完全に大地麻央と高畑淳子というベテラン女優の二人に喰われていた。
戸田ちゃんや永野ちゃんも、演技とか全然悪くないんだけど、あの“狂気”を演じるには、まだまだ人生経験が足りないかなぁと。
「アイフルの女将さん」や「“舞いあがれ”のばんば」ではない、女優二人の恐ろしい面(誉め言葉)が見られて本当に良かった。
永野芽郁の幼少期を演じた子役の落井実結子ちゃんは、カナカナのお嬢さまや鎌倉殿の大姫の人なのね、さすがです。
みえない縄
母性は永遠のテーマ
嫁と姑も永遠のライバル
高畑淳子のインパクト強すぎ。
大地真央は昔はすごく大きく見えた。
それがこの映画では一番小さく見えた
顔が小さいこともあるんだろうけど
ナレーションが多くて
ちょっと眠くなる
ハコヅメ交番女子でも戸田恵梨香がリードするかたちで良好なシスターフッドを演じていた二人
映画のなかの永野芽郁のナレーションにはこちらも慣れすぎているかも
しかしながら、この二人はうまいね。
影の薄い男たち
湊かなえのこの小説のテーマを男性監督が映画にするのはちょっとしんどいなぁとおいらは廣木監督の肩を持つ。
昭和のセットはなかなか良かった(あちらにいる鬼にくらべて)
ピンクのお家
あれはセット?トトロの森のなか?
タンスの下敷きになった孫娘の命を助けるために裁縫バサミで自分の頸動脈を刺す意味がわかりませんでした。
廣木監督。このところ作品公開ラッシュです。
オイラは夕方のおともだちが一番お気に入り。
中村ゆりは窓辺にてとなぜか役がダブってしまった感じ。こっちは完全に悪者でした。結構、怖かった。
女優陣の演技が素晴らしかった(から加点)
風呂敷を広げるのはうまいのに、たたみ方が今ひとつな作家・漫画家がいる。個人的に湊かなえと浦沢直樹がその代表格。湊かなえの場合、テレビドラマの印象がそうさせているのだけど。
そんな湊原作の映画。原作は未読。
湊かなえ原作にしてはおとなしめな始まり方。あまり大きな風呂敷を広げない。母の目線・感じ方と娘のそれとの違いをうまく演出した作りだった。母と娘という親子でありながら女性というジェンダー同士の関係は、男である自分には共感しきれない部分がある。
でも面白かった。出演していた女優たちの演技に引き込まれたからという理由もあるが、風呂敷を広げすぎなかった原作がよかったんじゃないかと思ってしまう。広げすぎない話をこれからも期待したい。
あと、気になったのは小説と映画の違い(ここからはネタバレが含まれます。ご注意を)。
原作を読んでいないから想像でしかないが、娘のさやかの名前が最後になって呼ばれたことに本当はもっとミステリー的な意味があったんじゃないかと感じた。自殺した女子高校生とその母親のコメント。これが自殺だったのか、殺人だったのかという謎のミスリードを投げかけてきた気がするが、永野芽郁がその話を聞いている時点で他人事に思えてしまう不思議(戸田恵梨香演じる母親の娘は永野芽郁と知ってしまっているから)。実は自殺した娘と母親の話ではなく、さやかとルミ子の話だったという驚きを原作では作り上げていたんじゃないかと思ってしまう。小説では書けるけど、映画(実写映像)では難しい演出方法。
いや、たぶんそんなミステリーではなく母と娘のあれこれを描いた物語として映像化したのだろう。宣伝の仕方も含めて難しい問題だ。
狂い、受け継がれた母性
女性は二種類、母と娘。
いつまでも娘のままで母親になれない母親、
そんな母親に育てられ気を遣い、行き過ぎた正義感を身に付けた娘。
ところどころ記憶が食い違う、母娘(おやこ)。
さらには義母(姑)と娘(嫁)という親子関係。
息子(夫)は何してるの??男って生き物は。。。
で、結末は??え??
主役二人の演技はよかったが、それ以上に、
大地真央のセレブっぷり、高畑淳子のうるさい姑っぷり、
さすがでした。
みなさんの演技、すごすぎ。
ただ、ストーリーが入ってこなかった。
片方はショックで弁当を落とした、もう一方は感情的になって弁当を床に投げつけた?
片方が不憫に思い抱きしめた、もう一方は首絞められた?
いやいや、どっちがどっちかわからないけど、どちらもおかしい。
女性から見ると、感じ方違うのですかね。
男ゆえにわからないのか、平凡に生きてきただけなのか。はて。。。
そこにアイ(愛)は、あるんか?
良い題材なのに、完全にキャスティングミスの作品ですね。制作陣の中に、テレビコマーシャルを見ている人が居なかったのかな?某俳優さんが、前半の大事なシーンで「愛」を含むワードを連発するとコメディになってしまうんですよ!惜しい作品でした。
“母親“という役割
感想
歪んだ愛の親子物語に重苦しさと切なさの感情を抱きました。
・物語構成
母→娘→クライマックスという様に視点を切り替えて年代別に描く脚本が小説の世界に入り込んだ様な感覚にさせてくれました。
予告編を観た印象としては、母と娘の意見の解釈違いがテーマに見えたのですが、実際は親子の役割に翻弄される女性陣がテーマに感じました。
娘に愛情を注ぎ込んだ“母親“と自らが母になっても、母の愛を求める“母親“になりきれない娘。この構図が終始描かれていく物語には、生々しさと重苦しさの両方を感じ、流石は湊かなえ原作だ!と感心しました。
・演技
今作の重要な役回りとなる女性陣の演技は皆さん素晴らしかったです。“母“と“娘“という役割に葛藤する姿をリアルに感じる事ができました。
・主人公親子の配役について
正直年齢差が近すぎるのでは?と観る前は思っていましたが、思いの外役になりきっていたので、あまり違和感を感じる事なく観れて驚きました。
総評
母と娘という役職に振り回されながら愛を求める続けるという安定のイヤミス作品。終始集中して鑑賞できたので、個人的には楽しめた。
母性とか育児を考えさせられる映画
原作未読。予想通りの重苦しくなる内容だった。
自分が受けた愛情を自分の子にも同様に注ぐ、とはいかず、母に認められるようにするにはどうすればいいのかを常に考えてしまうのが焦点。
戸田恵梨香さんの、可愛らしい娘から若いママ、歳をとり疲れたママへと変化し、また娘への怒りを見せる顔の演技力が凄い。姑役の高畑淳子さんもこういうタイプいる!と思いながら見てた。
爽快感はないが見応えあり
原作は未読である。湊かなえの小説は、読了しても爽快感といったものはあまりなく、むしろスッキリしない置き土産のような重いものを貰うことが多いのだが、この映画もまた然りであった。登場人物たちの抱える問題を一つ一つ丁寧に炙り出すものの、ほとんど解決することなく、見た者たちに問いを投げ付ける。
登場人物はそれぞれが何らかの問題を抱えている。現実的に良くいそうな人もあれば、こんな人は現実にはいないのでは?という人もいた。前者の代表は高畑で、本当に自分のことばかりを優先させて他人には嫌な思いしか与えない。他人の思いなど一考だにしていないのであるから、相手になるものがどんな気持ちになるのかなどどうでもいいという人間で、こういう人物を好む人はまずいないだろう。高畑の怪演がリアリティを激増させていた。
一方、最も現実にいないだろうと思わせたのが戸田である。女性のマザコンというのが現実にいるのかどうかはともかく、娘より母親を偏愛するという例を私は一度も見たことがない。自分の能力や実績を信じられない「インポスター症候群」という精神病があって、女性に多いらしいのだが、それなのかも知れないとか思わせるものがあった。今昔物語にも、洪水で自分の母親と我が子が流された時に母親を助けた男の話があるが、それとも違うようである。
永野は戸田のせいで大人の顔色を窺ってばかりいるような性格に育ち、母親からも父親からも無償の愛を貰えていないのが可哀想で、そのために潔癖症のような資質を見せている。こういう子供は現実にいそうな気がする。一見すると自分の価値観をしっかり持ち、他人の行動の問題点を図星で指摘する聡明さを持っているが、無償の愛を知らなければ自分が子育てをする場合の価値観の基盤が心配である。
若い頃の革命ごっこ時代の影響を引き摺っている父親も現実には多そうである。マザコンで母親に何も言えず、頭の中で考えただけの価値観で行動して、本当に重要なのは何かということが全く分かっていない。親の面倒も嫁に任せっぱなしで何一つ手伝おうとしないなど、見ていて腹が立つばかりの男である。娘の指摘に何一つ反論できない浮ついた行動には同情の余地は一切ない。
高畑の娘はマザコンではないようだが、世間知らずで自分の可処分所得以上の経済的活動を行おうなどとするのは無邪気なものであって、先行きが危ういばかりで同調はしにくい。
大地が演じた女性は唯一マトモな人物に見えるが、娘の戸田が偏向してしまった原因は母親にあるのではないのかという疑問が消えなかった。火事の時の彼女の行動も異常であり、じわじわ焼け死ぬよりはと考えたのかも知れないが、あの場面でまず考えるべきことは如何にして孫娘を助けるかということであり、そのためには最後まで意識をはっきり持つべきではなかったかと思う。
役者はいずれも期待以上の熱演であり、非常に見応えがあった。特に高畑の憎々しさは特筆もので、戸田の現実離れした人物も、リアリティを感じさせたのは熱演の賜物であろう。永野は最も切なさを感じさせる人物で、やはり好演であった。ただ、大地に愛の話をさせてしまうとあの CM が容易に頭に浮かんでしまうのを、製作陣は一考だにしなかったのだろうか?という思いも拭い切れなかった。
音楽は緊張感を高めるべきところで弛緩してしまう場面が散見された。ストーリーにカタルシスがないのに、演出は良く頑張っていたと思う。
(映像5+脚本4+役者4+音楽1+演出4)×4= 76 点。
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