LAMB ラム

劇場公開日:

LAMB ラム

解説

アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた羊ではない何かを育て、やがて破滅へと導かれていく様を描いたスリラー。「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」などの特殊効果を担当したバルディミール・ヨハンソンの長編監督デビュー作。

山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。

「プロメテウス」「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパスが主人公マリアを演じ、製作総指揮も務めた。アイスランドの作家・詩人として知られ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の歌劇脚本を手がけたショーンがヨハンソンとともに共同脚本を担当。

2021年製作/106分/R15+/アイスランド・スウェーデン・ポーランド合作
原題:Lamb
配給:クロックワークス
劇場公開日:2022年9月23日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 カンヌ国際映画祭(2021年)

受賞

ある視点部門
Prize of Originality バルディミール・ヨハンソン

出品

ある視点部門
出品作品 バルディミール・ヨハンソン
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(C)2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON

映画レビュー

3.5じわじわと面白い時間がたくさんある映画

2022年9月30日
PCから投稿
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共感した! 19件)
村山章

4.0アイスランドの霧に濡れた大地とホラー映画の親和性

2022年9月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

怖い

羊がこんなに表情豊かな生き物だったのか!?それが本作の第一印象だ。今やカワウソやマムスターはもちろん、イグアナだって人に撫でられると目を細めることが確認されている時代なので、考えてみればそれは大した驚きではないのかも知れない。

しかし、その羊に出生の秘密があったとしたら。。。というのが、この秋、最も奇妙な映画と言われる『LAMB ラム』の提案である。そして、それは物語の冒頭とラストで衝撃的な映像と共に観客にもたらされる。マジで呆気にとられたというか。

人間のエゴが根底にあることは確かだ。亡くした娘の思い出を引きずる夫婦のかなり歪んだ日常が、ものの見事に破壊される様は、奇妙であると同時にどこか滑稽ですらある。けっこう演じづらかった筈の妻役を、実際に羊の出産に立ち会って役作りに活かしたというノオミ・ラパスの努力も記しておこう。

監督のバルティミール・ヨハンソンは母国アイスランドの霧に濡れた大地を語り部のように使って、自然に対して人間が犯した罪を告発しようとする。北欧ほど、ミステリーやホラーに適した土地はないと思う。

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清藤秀人

4.0見せる、見せないの巧みな線引きに引き込まれる

2022年9月25日
PCから投稿

実に奇妙な手触りの映画だ。観ると悪い夢に迷い込んだかのようなめまいに包まれる。本作が穏やかで、静謐で、ひんやりと冷たく、背後に広がる大自然が雄大であればあるほど、無性に”彼岸感”が増すと言うべきか。その中で一つの肝となっているのは「見せる、見せない」の明確な線引きだろう。それに「見せる」のであれば、どのタイミングで、どんな形で見せるのかも成否を分かつポイントだ。メインの「あれ」もそうなのだが、舞台に関して荒涼たるアイスランドの田舎風景のほかに何ら描かれない点についても同じことが言えるはず。こうやって外部をまるっきりそぎ落とすことで世界の果てのような断崖絶壁が出現し、我々の想像力も適度に研ぎ澄まされていく。そこにポツンと人の心理だけが浮かび上がり、狂気があらわになったり、身を切るほどの切なさや、愛おしさ、ユーモアが幕を張ったり。この繊細なニュアンスを伝える手腕に引き込まれずにいられなかった。

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牛津厚信

3.0アダちゃん可愛い

2024年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

ってなかなか思えません…。実際あまり感情表現を見せない気がします。

珍しいアイスランド産のジャンル特定難解映画。ホラーのようでもあり、ファンタジー?でもちょいちょい死んでるからサスペンス?最後のちょこっとだけまた全然ジャンルの違う映画になってしまったり。

アイスランドの片田舎で牧羊を営む夫妻は、娘を亡くし二人で生活をしていた。ある日、産気づいた羊の出産を手助けしていると、生まれてきたのは羊のようで、羊はない何かだった。二人はその何かを、亡くした娘の名前であるアダと名付ける。

ここまで言っちゃえばその何かの正体も大体わかっちゃうと思うし、予告編観ても分かるのでここまではネタバレ範囲ではないと判断して言っちゃうとその何かは人間っぽい形をした羊。羊っぽい顔をした人間、まあどっちでもいいんだけど、羊から生まれてきたから前者の方が正確かな。

娘の代わりになるアダを手に入れたことで二人はとても幸せ。愛情いっぱいにアダを育てるんだけど、自分が産んだ子ではないが故に起こる少しの歪みとかも微妙に見せる。
でも、映画全体を通してみるとそこが主題なわけではない。

途中出てくる旦那さんの弟もちょっとアウトローな臭いを漂わせつつ、最初こそやっちゃうんじゃないかと心配するものの結局アダちゃんと一緒に寝てたりお出かけしたり、情が移ってますやん。

じゃあ、そのアダちゃんの人間覚醒人類受け入れストーリーなのかなと思うとそうでもなし。ちょっと掴みどころのない、ある意味ヨーロッパ映画らしい難解さもあったり。

舞台となるアイスランドの大自然はもう絵かと思うほどの圧倒的な風景ではあるものの、山にも木々が生い茂るような感じではなくちょっと独特の寒々しさが漂う。あまり目にしたことのない風景に感じた。あ、アメリカのユタ州の田舎がこれに近かったかな。

にしても、終盤はちょっと唐突でびっくり。
そりゃあないよとちょっと思うのでした。

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ハルクマール
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