ジャネット

劇場公開日:

ジャネット

解説

「ユマニテ」「フランドル」などで知られるフランスの鬼才ブリュノ・デュモンが、これまで数々の名匠が映画化してきた15世紀フランスの愛国的英雄ジャンヌ・ダルクを題材に撮りあげた2部作の第1部。カトリックの詩人・思想家シャルル・ペギーの詩劇をもとに、ジャンヌ・ダルクの幼年時代を奇想天外な歴史音楽劇として描く。フランスとイギリスによる百年戦争真っただ中の1425年。フランスの小さな村ドンレミで羊の世話をして暮らす幼い少女ジャネットは友人オーヴィエットに、イギリスによって引き起こされた耐え難い苦しみを打ち明ける。修道女ジェルヴェーズは思い悩むジャネットを諭そうとするが、ジャネットは神の声を聴き、フランスを救うため自ら武器を取ることを決意する。ロケ地周辺で見いだされた当時8歳の少女リーズ・ルプラ・プリュドムが主演を務めた。ブラックメタルやバロック音楽、ブレイクコアなどの要素を取り込んだユニークなサウンドで活躍する異才Igorrrが音楽を担当。

2017年製作/106分/フランス
原題:Jeannette, l'enfance de Jeanne d'Arc
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2021年12月11日

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(C)3B Productions

映画レビュー

4.0ミニマルな作劇が上手くはまった

2022年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジャンヌ・ダルクを描く2部作の前半である本作は、田舎町ドンレミの少女ジャネットがいかにしてジャンヌ・ダルクになっていったのかを、現代音楽にのせたミュージカル仕立てで描いている。デスメタル調の音楽など、激しいリズムにのってヘドバンする少女ジャネットは、確かに何かに取り憑かれたのではないかと言う説得力がある。本作の特筆すべき点は、ミニマリズムに徹した画作りだと思う。豪華なセットはない、殺風景な荒野で数人の登場人物が歌い踊り、激論する。しかし、なにもないからこそ、想像力は刺激される。ジャンヌ・ダルクの物語は「神の啓示」から始まるわけだが、神の啓示みたいな記録しようもないものは想像してもらった方がいい。想像力を刺激する画の構成力と、歌い踊る彼女の身体の異様さにただならぬものを感じさせるという方法で、聖なるなにかを描こうとしている。聖性を描く方法として、豪華なVFXを駆使するよりまったく上手いやり方だ。

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杉本穂高

0.5どうしよう😱

2023年6月6日
iPhoneアプリから投稿

 よく取り上げられるジャンヌ・ダルク。でも今作は幼少期という事で興味を持って鑑賞。しかし、、、なんじゃこりゃ?数分で観たことを後悔し始めた。途中で辞めようかと何度も思ったが、最後まで観れば、ジャンヌ・ダルクの何かがわかるんだろうと最後まで見たが、発見はなかった。あったのかもしれないが、気が付かず。頭に全く入らず。
 コレはなんだろうか?ミュージカルなのか?
でも歌も本格的ではないし、ダンスもパッとしない。ただ踊れない人が身体を動かしているだけ?セリフも棒読み。妙に不自然なカメラ目線。
 私には理解不能、受け入れられない。2部作らしく、「ジャンヌ」もこんなだったらどうしよう。ウーン!

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アンディぴっと

4.0なんとも不思議な二部作。観て、よかった。

2022年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「ジャネット」「ジャンヌ」を劇場で一気観することができた。観てよかった。
なんとも不思議な2作品だった。

「ジャネット」は、百年戦争が続く中、フランスの疲弊しきった農村の一少女が、自分が指揮官になるしかないと思い立ち、戦場に赴くまでの話。
「ジャンヌ」は、百年戦争がほぼ終結した状況下で、当時の教会の知識人であり権威である人々が、ジャンヌダルクを裁く話。

両作並べるとわかるように、ジャンヌの挙兵や戦闘シーンは時間的には両作の間に位置し、ほぼ映像化されない。わずかに、二作めの冒頭で、ジャンヌが唯一敗れるパリの戦いへの出馬シーンが描かれるのみ。一作め同様に、そこら辺にいくらでもありそうな小さな丘の上で、状況報告が行われるだけで話は進み、次のシーンでは教会に移っている。これがまた、拍子抜けのようにも思えるが、見終わってからあらためて考えると、なんかいい感じ出しているんだよな。はるかな昔という感じも含めて。

「ジャネット」は、抜けるような青空、真っ白な雲、きらめく陽光が降り注ぎ、きれいな小川がせせらぐ美しい自然の中で、ジャンヌは毎日思い悩む。「なぜ神は人を苦しめるのか。永遠に続く苦しみも神の思し召し。あなたは正しい。でも考えずにはいられません。冒涜でしたら、お許しを。地獄の亡者を救いたいのです」と。「私達は働いて今あるものを守り続けるのよ」と語る友人、「それは神の役目、人間のものではありません、滅びを止めたいなら、祈りなさい。力の限り苦しみを味わうのです」と説教する修道女たちと日々話しながら、ある日とうとう思い立つ。話はただこれだけ。

原っぱにいる主人公のところへ、一人ずつ現れて、主人公と話し歌い踊る、その繰り返し。
それを多くの現地採用俳優(つまり素人)が朴訥に演じる。ミュージカル風に、ロックミュージックに合わせて、ヘッドバンキングしながら歌い踊るシーンすらある。このヘッドバンキングが素人だからまたなんとも言えないノリ。しかし、それがまた観終わった後に忘れられない味として心に残る。ホント、変な映画だ。癖になりそうだ。決して嫌いじゃない。

「ジャンヌ」は、指揮官として戦ったジャンヌを神への謀叛として裁くことは決まっているのだが、魔女として火焙りにするのか、反省を引き出してごく軽い刑とするのか、を権威者として、知識人として決定すべき男たちの話。
「私が神から聞いたことは話しません。私へのお言葉なので。聞かないでください」と頑なに言わないジャンヌに対し、「お前は異端だ。正しい神に叛いていた。それを認めて反省しろ」と繰り返す男たち。話は、ただこれだけ。
前作とは全く異なり、(屋外ではなく)ほぼ、荘厳なる大教会の中で進む展開。

1430/5/30に執行されたジャンヌの火刑から、フランスの勝利で終わる百年戦争の終結1453/10/19までには、さらに23年の期間が必要だった。

おまけ
これ、もしも日本で作るとしたら、ジャンヌ役は黒島さん(結菜)だな。こんなピッタリな俳優、なかなかいないぞ。でも作られる訳はないなあ、ホントに残念だ。

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CB

3.5奇妙な⁉️すげ〜映画だ。神のお告げを聞く世界

2022年1月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

難しい

「ジャンヌ」に続く映画として、よくできた映画!

ジャネットが神からのお告げを聞く

を、こう表現するのか〜、凄い。
役者、台本、舞台、音楽、カメラ
どれもオリジナル、新しい❗️❗️❗️

1400年代のフランス、片田舎
のロケーション撮影も好きだなぁー。

フランス語がわかったら
もっと入り込めたんじゃないかなぁー
(残念)

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