死刑にいたる病のレビュー・感想・評価
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目は口ほどに物を言う
予告編の阿部サダヲの目に惹かれて鑑賞しました。
結論として、俳優陣はよかったのにストーリーと演出がちょっと自分は合わなかったなと。
W主演の岡田健史、阿部サダヲの目の演技力は素晴らしかったです。
阿部サダヲの恐ろしいほどの演技力と目力にゾワッと鳥肌が立ちました…。
明るい人柄を装ってても、まばたきの回数も少なかったり、目のハイライトが消えていたり。この些細なアンバランスがとても気味悪かったです。
岡田健史は最初は陰キャっぽくオドオドした目付き→自分が殺人鬼の息子かもしれないと思った時の興奮した目→全てを悟った目。結構起伏の激しい役だと思いましたが、それぞれ目で演じ分けられててすごいなぁと思いました。
ただストーリー展開が個人的にイマイチでした…拷問シーンはPG12でいいの?となるくらいグロ強め&被害者の叫びが本当に刺さる。グロ苦手な人や敏感な人は苦手かもしれないです。
また、阿部サダヲの背景があまり掘られていなかったので、彼を彼たらしめる所以というか、そういう部分に触れて欲しかったです。
『もし最強のサイコキラーがいたら!』というエンタメの1つだったらそこまで深堀しなくていいかもしれませんが雰囲気がリアル路線だったので肩透かし食らった気分でした。
中盤の唐突な濡れ場シーンに興醒めしてしまい、以降の展開も急に雑な感じがしてどんどん映画の世界観から離れてく自分が。
ハマりそうでハマらない絶妙なラインの作品でした。普通に面白かったです
なんか・・・
予告編をみてすごく見たくなり鑑賞しました、白石監督と言うこともあり
期待に胸を膨らませて鑑賞したのですが率直な感想は期待外れでした
雅也の行動も途中でマンネリ化して退屈だったし
父親が雅也の事を毛嫌いしてる理由もいまいち弱いし
暴行事件はそのままスルーだし
まじめで素直な高校生の男女を狙うのも説明がありましたが
いまいち腑に落ちないし、なぜ殺すのに拷問をするのかも意味不明だし
いつもの通り燻製小屋で遺体を焼いて骨を砕き細かくして
庭に埋めるという描写があるのに
庭の遺体には爪がないと報道されてました
そのまま埋めるなんで説明ないし、いつも通りだとそこは矛盾してるし
大和と母親の関係からの発展もいまいちだったし
もしかしたら雅也は大和の子供かもと思わせがありましたが
時系列的に普通に考えると妊娠した人と結婚するはずがないでしょうから
そこはすぐに打ち消されたし
まだ灯里の方が時系列的に雅也の先輩の設定で大和の子供だと
言う方が意外性があって雅也と異父姉弟だったのかとなる方がよかったのに
長髪の青年も始めの方で出てきましたがいかにも感があったり
その後の展開もい意外性もなくいまいちだったし
予告で驚愕のラストがとうたってましたが
どんな伏線の回収のラストが待ち受けてるのかと最後も期待しましたが
灯里のかばんの中から裁判資料と大和からの手紙がでてきて
この子も大和から手紙が来て雅也と同じことをさせられてたのかと言う終わり方で
えっそれだけと落胆してもしかしたらエンドロール後に何かあるのかとおもい
エンドロール最後まで見ました何も起こらず終了でした
役者さんの演技は良かったにに内容がいまいちだったので残念です
これならばケーブルで家で見てた方が良かったです。
『マーターズ』を鑑賞できたとしてもキツイ作品
私はグロ映画としてよく話題に挙げられている『マーターズ』(リメイク前)を観ることができた。
しかし本作品は、『マーターズ』以上にダメージが大きかったと考える。
この2作品の間の差は、「酷い殺し方をする殺人者が結局何をしたかったのかが明確だったか否か」だと考える。
今回の『死刑に至る病』の連続殺人犯の目的は、
①17歳•18歳の少年少女を性癖的に好んでいた。
②親から虐待を受けて育ってきた子どもたちを選択させることで、彼らの行いを認めてあげたかった。
の2つに分かれる…ように思えた。
しかし連続殺人犯は、自身が幼い頃に、偶然見つけた小学生の女の子を後遺症に至るまで痛めつける行為を行なっていた。
そのような彼のポリシーに関係のない行いをされると、視聴者の脳も混乱するし、最終的に何をしたいのか分からなくなった。
結局、スプラッター映画としてもSAWのような一種の滑稽な痛快さもなく中途半端。サスペンスとして見ても謎が回収されないまま。どの映画の種類としてカテゴライズされてもしっくり来ない、言わばカオスな映画と化していた。
このカオスな状態だと、「グロ」のシーンが特に視聴者の頭に残ってしまい、後味が特に悪い映画となってしまう。
比較している『マーターズ』の場合は、「共感はできないが、なるほど、ああいう考えをする奴もいるんだね〜」くらいには思えるので精神的ダメージは低くて済む。
また対象年齢12歳は少し低すぎではないだろうか。出演者のファンでノリで見てしまった中学生•高校生たちが流石に可哀想だ。
私は酷いシーンでもポップコーンを食べていられたが、R18にしても良いくらいのインパクトはあるように思う。
ちなみに他のレビュー者も述べているが、面会シーンでの心が触れ合うシーン、複数個の映像が流れているシーンなどは工夫が凝らされていて良かった。体に触れることはできないという面会の特性を活かしながら、心の動きを可視化できた点は良かったため★1.5に設定した。
感性の違いなのかな?
あまり恐いとは感じなかった。幼少期の体験があった方が、なぜこの性癖に至ったのかが納得できたと思う。楽しめたひともいると思うので、良し悪しは感性の違いの問題だと思うのですが、一点の矛盾が気になります。なぜ、最後彼女のバッグから真新しい被害者の資料がでてくるのだろうか?弁護士事務所からのコピーのはずなのに。
好きな終わり方
1人の殺人鬼によってみんな狂わされていく話
大筋とかはきっとこうなのかなー?って思いながらもラストの展開で驚かされた。
とても好きな終わり方
拘置所のガラスを使った演出が沢山あって印象的だった。
シンパシーを重ねてる部分はシルエット重ねたり、劇的表現があったり。
小説が読みたくなる映画でした。
86/100
これから先
無理っっっ🤣🤣🤣🤣
これからは阿部サダヲが善人の役をやってももう信じれない気がする🤣🤣🤣
批判ではないけど
岩ちゃんが配役の必要性ってあったのかな😗
あと最後まで気になったのは
殺しかけた中年男性からは通報されなかったのかな😨
殺人未遂やん!普通逮捕されるよね!?
目の演技
期待最大で劇場に向かった。
終始吸い込まれるように見てましたが、気づいたら自分が完全に洗脳されているんだと思った。
誰が敵で誰が味方なのかわからない。
ワタシも判別つかないかも。
各俳優さんの目の演技が気になって意識して見ていたから、阿部サダヲの目に吸い込まれすぎて、他の方の目に物足りなさを感じた。逆にそれくらいの表情の人が怖いのかも。
中学の同級生の女の子が、手を舐めるところと阿部サダヲのサイコパスの路線が違うように思い、いっそ最後にもっとサイコパスな彼女でいてほしかったと欲張り
映像表現の妙
監督の代表作の一つ 凶悪 に近いテイストを感じて鑑賞。
実際見てみるとプロットの構造も凶悪に似た流れで進んでいくが、登場人物の感情の流れは違った印象。
まず、阿部サダヲの食えないサイコパスな演技は流石。
あの目でジッと見られるだけで不安が押し寄せてくる笑
個人的には浦沢直樹の モンスター のヨハンに少し近いかなぁ あとは言わずもがなハンニバルレクターとか
人の心を蝕み支配していくタイプのサイコパス
正直、最近この手のサイコキラーが出てくる映画が多いので若干見飽きた感はあるが阿部サダヲのパワーでキッチリ仕上がってる
そのほかの若手俳優の方達は初めてみる人ばっかりだったけどいい感じ!
3代目の彼はちょっと浮いてた感もあったけど…
※演技の質の話じゃなく3代目としての佇まいが見てる側として少しノイズに…笑
と、役者陣についていろいろ書いてきたが今作の最大の特徴は役者の演技ではなく映像表現の部分にある。
主人公が大学内を歩く場面、周りは動きがスローなのに対して主人公のみ通常の速度で動いていたりとキャラの立ち位置とか心情が映像表現面で演出される場面が多数。面会室で主人公と阿部サダヲが映像上文字通り 同化 してるように撮られたり(この演出は是枝裕和の三度目の殺人でもあったが)終盤は 脳内映像 みたいなものがそのまま映し出されたりと、結果凶悪の時とは根本的なアプローチの方向性が違う印象。
まぁ映像表現として バッキバキに垢抜けてたか? と聞かれるとそこまででもなかった気もするのが残念な印象もあったりはするが‥
結局阿部サダヲの演技に映像表現が喰われていた感は否めず。
もう少しカメラワークとか構図の面で特徴が感じられたら全般的に筋の通った質感になったのかもしれない
ラストのオチ?については
そう言えばこの子傷ペロペロする女の子だった
という事踏まえると納得感もあったし、キレも良かったけど… なんか別の着地欲しかったようか気もする
白石監督の映画は最近なーんか 無い物ねだり 的な消化不良感があるんだよなぁ
方向性とかは完全に自分好みなのに振り切れてない感というか…
まぁ今後も追い続けますが!
サイコキラーも怖いけど、尿意も怖かった!でも久々に100点満点の映画キタァァァ!
キタァァァ!
久々の100点満点映画キタァァァ!
エンタメでコレを期待していたのに、まさかこんな感じで100点来ちゃうとはなぁ。
実はこの映画の二日前に前立腺炎を患いまして。
高熱とともに、頻尿に見舞われました。幸いなことに発熱は早期に改善いたしまして。
問題は尿意!おしっこ!
なので、トイレのことがめーっちゃ気になりまして。
ですが、地元の映画館でも舞台挨拶中継付きの上映がありまして。
これはシッコモラーを覚悟してでも行かないと映画ファンじゃないと思いまして。
そういう無駄な使命感にかられて、携帯トイレ持参で(笑)観に行きました。
できれば大人用紙おむつでも武装しなきゃダメなのかな…とか思いつつ(笑)
あっ、使命感云々言うんやったら、さっさとレビュー書け!って話ですよね。
閑話休題
何しろ1mmたりとも目の離せない、ある意味ジェットコースタームービーだったのね。
オープニングの美しさに魅入られたまま(メインテーマの音楽も秀逸でした)早くも45分過ぎたあたりから、物語の核心に向かおうとしてるっぽく撮ってるの!ゲロいシーンで!
後でほんっとに怖くなったのが、オープニングの“アレ”が、まさか人体の一部だったとはね!
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
そうなの、この映画マジでゲロくなるシーンが多いのよ。
三つ離れた隣の席の女性なんて。手首を折られた女性が惨殺されるシーンで「おえっ…」って言ってましたもん。
私もちょっとです。
(ネタバレ舞台挨拶で知ったのですが、あのカットって、特殊撮影でも何でもなく、女優さんの手首が本当にあそこまで曲がっていたそうな)
とにかく犯行シーンの全てがゲロいのなんの。
で、主役はてっきり阿部さん演ずる榛村かと思ってたです。
ところがどっこい、真の主人公は岡田さん演ずる筧井だったんですね。
でもアクリル越しに、いいように操られていたのだから、やっぱり主役は榛村か。
この榛村を演ずる阿部さんの演技がすごいの何の!
ちょいと小首をかしげながら、あんなに綺麗なパッチリの瞳で見つめられたら、きっと誰でも魅入られてしまうでしょう!
私もちょっと“ぐぐっと”来ましたもん。←それがどういう感情なのかは、全く不明なのですが。
榛村ずるい!あんな綺麗な目をしているサダヲさんずるい!
そこまで人心掌握できる?する?
結局榛村の掌で踊らされていた筧井を中心として、キャラクターの誰もが、いいように操られていたのな!もちろん観客も含めて。
こいつ、ただのサイコキラーってだけじゃなくて、生粋の人たらしだよ!始末が悪いよ!
こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!
で次々と衝撃の展開になっていくわけですから1mmたりともスクリーンから目を離せないの!
ジェットコースターさながらなの!
衝撃の真実だと思われたことさえ、榛村の仕組んだ罠だったわけですよ。
なんじゃそりゃ。
榛村と筧井のバッテリーに翻弄されて、四打席連続三振喰らった気分だよ!
で衝撃のラスト。
ここが一番意味深だったし、捉えようによっては一番怖かったよ!
ガク((( ;゚Д゚)))ブル
あの後、あの二人が行ったのは、きっと地獄なんだわー!という余韻を残したままの気分でスクリーンが暗転しました。この余韻こわい。
結局“病”に侵されていたのは、そのまんま榛村のことなのか、それとも操られた(感染)させられた筧井なのか、かなりの謎を残したお話しでした。
頭が抜群に切れる上に、人たらしのサイコキラー最高にこわい。
監獄に閉じ込められたまんま全てを操るとか、ほんっとスタンド使いみたい。
次回はあまり精神的にも頭使う的にも厳しくない痛快なエンタメ映画を観てみたいなぁ。
候補としては『キングダム2』とか、4DX上映があれば『トップガン:マーヴェリック』あたりもよいかな。
ちなみに幸いにも尿意は訪れませんでした。シッコモラー回避よかったね!(笑)
なので、舞台挨拶中継も大変美味しくいただきました。
映画に気圧されて、尿意どころじゃなかったのかな?
なんなん、こんなゲロレビュー…( ´•д•`; )
淡々と残酷
白石監督の「凶悪」と確かに共通点は多いし、主人公が通りがかりのおじさんを殺めようとするシーンは、リリーフランキーさんの「凶悪」登場シーンまんまで、(笑)。多分パロディなんだろうけど。
結局、大和の壮大な暇つぶし、って理解で合ってますか?
でないと、他の殺人は認めてるのに、ひとつだけわざわざ嘘ついて主人公を翻弄する理由が分からないし。
観客は、だからその一つをやったのかやってないのか、わざわざ主人公に依頼するんだから、やってないだろう、なら真犯人誰なの?とヤキモキするわけですが、
結局やってたんなら、主人公振り回すだけの暇つぶしですよね?
リアリティがどうとか言ってる人いますが、そういう人は犯罪史でも読んでたらいいと思います。映画は面白くないと。
しかしながら、北九州監禁事件とか、埼玉愛犬家連続殺人事件のように、カリスマ性を持つ殺人犯は存在します。
また、特に子供への支配力を持つカリスマは、見た目フツーのことが多いだけに、淡々と残酷なことを繰り返す阿部さんはわたしにはリアルに見えました。
「自分で決めれない」母親もまた、大和の支配下にあるんでしょうね。
ピエールさんが、「凶悪」で見せた殺人鬼の片鱗は、この映画には一切表れません。ただただ、冷静に理詰めでくる阿部さんはまるでレクターのようでした。
なので、これは目をつけていた主人公に執着した壮大な精神的虐待なのでしょうね。
合ってますか?
若干スプラッタ
基本サスペンスものは見ないのだか、CMにやられて鑑賞。
殺人やら拷問のシーンがなかなかスプラッタでびっくり。
話は伏線回収もなかなかで最後まで楽しめました。
4はいかないが、3.8ってとこ。
メインの二人の演技が良かった。
観客も、阿部サダヲの狂気に取り込まれる
予告編からして面白そうで、公開されてからの評判もかなり高い。地元の映画館では上映していなかったので、片道3時間掛けて隣県の映画館にて鑑賞いたしました。
結論ですが、狂気に満ちた映画でした。観ていてキツかったです。
阿部サダヲ演じる連続殺人犯・榛村大和が大学生の筧井雅也に冤罪の証明を依頼するという内容ですが、阿部サダヲさんの醸し出す狂気性に、主人公の雅也だけでなく我々観客も当てられていきます。
そして待ち受ける衝撃のラスト。ラストシーンは原作と映画とで若干異なるらしいですが、本当に素晴らしいラストでした。
ただ、爪剥ぎやアキレス腱切断のようなゴア描写が容赦なく登場します。PG12というのが信じられないレベルの、目を背けたくなるような描写がたくさんありますので、そういうのが苦手な方にはオススメできないですね。お気を付けください。
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高校で落ちこぼれてFラン大学に進学したことで学歴主義の父親から疎まれ、鬱屈した日常を送る大学生の筧井雅也(岡田健史)。彼の元にある日1通の手紙が届く。手紙の差出人は、24件の殺人事件を起こし、うち9件の事件で立件されて死刑判決を受けていた凶悪殺人犯の榛村大和(阿部サダヲ)であった。中学時代に榛村の営むパン屋の常連で彼と面識のあった雅也は、東京拘置所に収容されている榛村と面会することにした。面会室で榛村は「立件された事件のうち、一つだけ自分の起こした事件でないものがある」として、雅也に冤罪の証明を依頼するのだった。
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阿部サダヲさんの芸名の由来は阿部定という女性です。彼女は愛人の男性を殺害し、その男の局部を切断して大事に持ち歩いていたという所謂「阿部定事件」を起こしました。なんだか本作に登場する連続殺人犯の榛村と似てますよね。榛村も被害者に拷問を行ない、剥いだ爪を瓶に入れて大事に保管していました。「好きな人の一部を自分の手元に置いておきたい」という台詞も、劇中の終盤に登場しますので、どことなく阿部定事件を思わせるような部分がありますよね。
本作の主演である阿部サダヲさんの演技は本当に素晴らしかったです。彼の名前の由来からしても演技からしても、他の人が演じるのが全く想像できないですし、ベストのキャスティングだったと断言できます。
細かな描写も素晴らしかったですね。他のレビュアーさんも挙げていますが、取調室のシーンで仕切りガラスに反射する雅也と榛村が段々と重なっていく描写とか、本当に良かった。個人的には雅也の母親も岩田剛典さん演じる金山一輝も、自分で物を決めることができずに相手に委ねるようになっているのが榛村の影響が強く残っているからだということが分かります。主人公の雅也に関しても、自宅でオレンジジュースを飲む様子が描写された直後に、中学時代に榛村のパン屋でオレンジジュースをサービスしてもらったという描写が出てきます。雅也もまた、榛村の影響が今でも残っているのだということが分かります。
また、雅也と付き合うことになる灯里と仲良くなったきっかけであるサークルの飲み会。あれこそまさに「疎外感を与えてから近づく」という榛村の人心掌握術です。もしかしたらあの時点で既に灯里は榛村に完全に操られていたのかもしれないと考えると、本当に恐ろしくなりますよね。
そしてストーリーも素晴らしかった。
榛村と面会を重ねるごとに彼の狂気性に当てられ、自覚もないまま榛村に陶酔していく雅也。最初は凶悪連続殺人犯である榛村に対して警戒していた雅也が少しずつ榛村に飲み込まれていく描写は本当に素晴らしかったし、そして恐ろしかった。印象的なのは赤ペン瀧川さん演じる榛村の担当弁護士と雅也の対比構造。佐村弁護士の下でアルバイトとして働きながら捜査を進めていくことになる雅也でしたが、独断での強引な捜査によって佐村弁護士と対立することになります。榛村の言うことを完全に信用している自尊心の強い大学生の雅也と、過去の経験と積み上げた知識によって榛村と一定の距離を置く佐村弁護士の考え方やスタンスが対立的に描かれているシーンです。
佐村弁護士が言う「彼(榛村)の言うことを信じすぎてませんか?」という台詞は、雅也の視点で事件を調べていくうちに、「榛村の言う通り最後の事件は冤罪だったのかもしれない」と考え始めた我々観客に向けて放たれたものなのかもしれませんね。
そして、ラストに待ち受ける驚異の展開。全く想像もしていなかった展開ですが、決して唐突ではなくてしっかり伏線が張られているので納得感があります。「日本映画史に残る衝撃のラスト」というキャッチコピーは伊達ではありません。私は完全に騙され、「やられた!」と心の中で叫びました。
今年は日本ノワール映画が豊作ですね。先日鑑賞した『さがす』も歴史に残る名作でしたし、本作も紛れもなく名作です。コメディ色の強い俳優である佐藤二郎や阿部サダヲがシリアスなキャラクターを演じることでギャップもありますし、単純に演技力が高いです。
グロに耐性があるのなら、観ておいて損は無い名作です。オススメです!!!
まさにサイコサスペンスな一本
阿部サダヲの怪演に惹き込まれる一本。
拷問シーンが苦手なので何度も目を背けました。
自分は雅也と同じです。一線は超えられない。
ただそれを超えてしまう人間がいる事は事実で、その生々しさに気分が悪くなったり。
はい村は病なのか。
精神的な病は目に見えない。
ただその病はうつすことができる。はい村はどこかの段階でそれに気づいたのか。
起源ははい村とは限らない。
もしかして最後の事件は金山なのかもしれない。
はい村は自分の病を患った金山の活躍を楽しみにしているかもしれない。
星5くらい引き込まれたけど、それは阻まれるので4にしときます。
グログロのグロ
おもしろい!!!!!けどグログロのグロ!!
普段邦画もサスペンスもそんなに観ない、ホラーはもっと観ない自分にはグロがキツくて目を瞑ってしまいました🥲
耐性ある人は大丈夫なんだろうな、というくらいのグロ感でしたが自分にはキツかった🥲🥲夜観るもんじゃねえ🥲🥲
脚本、演出、演技は全部良かったです!
''無駄な''どんでん返しや寒い描写もなくすんなり映画を楽しめました!
病が血筋であるようなミスリードも、ミスリードだったのでいい演出になっていて良かった〜🥲となりました
強いて言うなら、殺人の動機があんまりハッキリしていなくて(だからこそのサイコパスなのかもしれないですが)何故決まった年代の子を、何故決まった拷問で殺すのかというのがハッキリしたらもっと入り込めたかもしれないです。
あと何故主人公に執着しているのか、ロン毛の子(名前忘れた)に執着しているのか、爪無事だった子(名前忘れた)に執着してるのかが知りたかったです。
''17、18歳の時期にターゲットとして定めていたから''が理由ならもっと20代の子が殺されてててもおかしくないですよね。
爪無事子はロン毛に苦痛を与えるために選ばれただけだから、ではちょっと理由が薄いし、爪無事子が過去にサイコパン屋に酷いことされてたっていう設定が要らなくなってしまう気がします。
それと、舞台が風景的に結構田舎なんですが、あんな田舎で時期は違ったとはいえ24人も高校生が行方不明になってたらさすがにもっと事前に大騒ぎになると思うんですよね。
高校生の人数や、通う高校も限られるでしょうし(頭のいい子を狙っていたならなおさら)
なので舞台設定がちょっと気になりました。
また聴き逃していただけかも知れませんが、東京の学校に通う雅也が毎週?のように行き来するにはちょっと田舎感が強かったように思います。
でも結論面白かったです🥺!
グロかったけど!!!
影が重なるとき
単純に1本の話としてとても面白くみれた、というのが率直な感想である。正直鑑賞前は「どうせこうなるんだろうなあ」とサスペンス映画を見る前にだいたい予想を考えてしまうのだが、終盤にかけての阿部サダヲの演技にまんまと引っかかってしまった。また彼のハイライトが全くない闇そのものの瞳が本当にこの作品にぴったりなのだ。被害者の少年少女を拷問する際の表情もまた見事で眉一つ動かさず慈悲の眼差しを彼らに注ぐ。そこに一つの曇りもなく、役者としての凄惨な光景への戸惑いもあらわさず完全に役になり切っているところはまさに適役だったなと思う。
会う人会う人みな彼を好きになるという設定で男女問わずから人気が出る、という設定だが彼の中性的な顔立ちだからこそ抜擢されたのかな、とも思う。
また岡田健史演ずる寛井は終始打ちひしがれており希望もくそも持っていない。田舎の出身で家庭問題に大きなひずみを持っており実家内の険悪のムードが思わず顔をそむけたくなるくらい切実に迫ってくる。卑屈すぎるだろ・・・と正直思ってしまうところもあったがそれをずらさずずっと保ち続けるのはすごい演技だなあとほれぼれした。
両者とも違う性格の持ち主だがこれが不思議なことに面会を重ねるにつれどんどん姿が溶け合うのだ。鏡越しなはずなのにカメラのポジションを計算しつくして配置しているのだと思うがその境界線がどんどんあいまいになっていく。姿が重なり鏡越しのはずの両者の手が重なり合うところは自然に持っていかれてしまいむしろ美しささえ感じる。また寛井が大学構内を歩くところも、主人公の歩くスピードと背景の同級生の動きを微妙な速度でずらしてカメラを映しているが、周りと打ち解けられず孤独であるという彼の心象風景をより一層引き出している。
しかし見ていくうちに孤独なのは彼だけではなく、登場人物たちはみな何か孤独感を抱えて生きているのかなとも読み取れる。映画の質感はよい意味で邦画っぽくなく、ドライな味を感じたがそれは現代の世界の、どこか他人と距離を置いている我々の世界にも通じるものを感じた。
榛村はとにかく人を褒め、認め、話しかける。我々は他人と積極的にかかわることを控えているからこそ、どこか他人に認められたくて、それを真っ向から手を差し伸べる榛村がみんな好きになるのではないかな。現代の寂しさ、埋められない心の隙間が満ち溢れている寂しさみたいな空気感を醸し出している。それが映画全体のどこか乾いている作風として表現されているのではないか?
やはり終盤の面会室での対峙は見事の一言で実験的な映像手法で見るものを楽しませる。あんなに狭い一室のはずなのに二人の心の中に入り込んだようで一つの精神的世界が形成されていた。プロジェクターで被害者の顔写真を画面いっぱいに映したり、カメラを定点で固定するだけでなく二人の間を行ったり来たりして非常に多面的に見せてくる。まるで演劇や芝居を間近で鑑賞しているようなそんな不思議な感覚を味わえた。
面白かったです
今日映画館で観に行きました
最初の拷問シーンは胸が張り裂けそうな
思いでした
主人公も最初暗すぎて喋り方にもイライラして
しまう感じがありましたが、それにも理由がありとても面白かったです
"今ひとつ新鮮味に欠ける…かな"な映画
白石和彌監督の猟奇サスペンス作品…期待してたんですが、意外にオーソドックスというか、終わってみれば、あまり新鮮味が無かったかなと…。
主人公が犯人探しする過程や、実はその出自については秘密があり?とか、真相に至るまでの過程はなかなか面白いし、引き込まれます…なかなか前のめりにはさしてくれたんですが…。
こういう物語は、たぶん小説とか本で読めば、面白いのかなと思いました。
*最後のオチ?は少々"しつこい"と言うか、「もうお腹いっぱいなんで、結構です(笑)」という感想しかありません…正直あまり面白みも驚きも無かったかな。
*三度の飯より"猟奇ものが好き!"という方は、どうぞ!笑
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