最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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いや、これは素晴らしい作品
いや、素晴らしい、これは良い映画だ
14世紀の君主制時代、男性貴族が全てを牛耳る百年戦争只中の中世フランス、特権階級以外の人権なんてあってないようなもんだし、ましてや女性の尊厳なんて
そんな中で声をあげた聡明な女性の実話
こういう一つ一つが積み重なってやがて革命が起こり、そして民主主義が形作られていったんだろう、先人の文字通り血と涙の上に、今の自由は成り立っているのだ
何も事前知識なく観たのがまた良かった
一方側の価値観でどーんと押し切るってのが大方のハリウッド作品だけど本作は、ある事象がそれぞれの目にどれだけ違って映るかを丁寧に絶妙に掘り下げてくる
あと、洋画の邦題って、なんだかおかしなことになることが多いけど、"The Last Duel" っていう原題に裁判って言葉を添えたのは実に上手いと思う
フランスの話で英語ってのがちょっとひっかかったけども、俳優の皆さんの技量みてるとこりゃ替えが効かない
子どもは、一体誰の子どもなのか?
嘘つきは泥棒の始まりと言われますが、嘘をつくと罪人になる事、真実は、必ず勝つ事を証明していますね!
正直に言っていればもっと違う結果になっていたと思いますが、何の為に嘘をついたのか?
何故に嘘をついたのか?
親友の仲、信頼関係、自分のプライド、世間の目、自分の慢心があったのか?
夫婦の営みで中々子宝に恵まれず、徐々に冷め切った夫婦の仲!
しかしやっとの思いで妊娠、そして出産したものの一体誰の子どもなのか??
ただただ疑問に残る!
実話だけにリアリティある映画でした!
流石にリドリー・スコット監督だと思いましたね!
最後の最後まで
真実がどうなのか、違うのでは?知りたい(どんでん返しがある事を期待する)自分が嫌になった。馬に乗り夫の後をついて凱旋する彼女、子供と戯れる(夫の姿はみえない)彼女の心情を考えると、変な罪悪感と複雑な気持ちが入り混じって、心が張り裂けそうになる。
白黒の決着をつけにいった女騎士
灰色の世界
表と裏のそれぞれに別の世界が存在する、ヨーロッパ中世が舞台。姑は女が一生を穏便に終えたければ、黒白をつけようなどとせずに、黙して灰色に染まらなきゃダメだと妻を諭す。兵士に犯された村の女たちも、口を噤むし、私も暴行を話さずにここまで生きてきた…と。口を開けば、正しくとも社会からは徹底的に弾かれてしまう。
ハリエット・ウォルター演ずる姑の言葉を、たとえ一瞬でも揺るぎない正しいものに感じてしまうから、演出も演技も凄い。
パリの街や、領主の城や山並みがグレーの霧に包まれて、それはつまり映像美でもあったのですが、結局は白黒つけないで済ませる世界の在り方を象徴していたみたいです。
妻は騎士になる
しかし、灰色世界に決別を告げた潔い妻に、私も改めて心に楔を打ち込まれました。まあ、だから映画の題材になった訳ですが、決闘に近づくほどに、魅惑的になっていく妻の容姿に虜になりました。ジョディ・カマーが本当に綺麗だった。
群衆に紛れて
マット・デイモン演ずる夫を殺せと叫んだ群衆は、勝負がつくとたちまち翻って賞賛の拍手を捧げる。一見、腑抜けのまま舞台から下がると見えた王も、決闘に夢中になってはしゃぎ回るし。どちらも呆れたけど笑いました。
三者三様も理解できますが、自分含めて、人と群衆の身勝手さを、しっかり思い知らされました。
神様に性行為の真偽を決めさすな
700年前のフランスが舞台
中世真っ只中で、女は夫の付属品という価値しかなく、男にヤられて当然という時代に、性行為に合意が無かったと初めて声を上げたお話
黒澤明の羅生門のオマージュだそうで、羅生門は知らないんだけどとても見応えがあった。
旦那と、奥様と、間男の3視点から描かれていて、同じシーンでも3人それぞれ全く違うものを見て感じてるから面白い。
700年経った今でも性犯罪に関しては判断が難しく、有罪率99.9%の刑事事件でも、これ関しては60%にまで落ちる
密室で証人がいないし当人の証言に頼るしか無いから。
それが700年前ですよ?証言どころか、合意の真偽を神様に問うってもうとち狂ってる。
決闘して負けたら姦淫罪で奥様は死刑です。
勝ち負けも神次第というところで
この事件はいまだに未解決で、だから結末も私たちの想像次第であり、こうあって欲しいという願望の下の結末だから、未解決ということを分かった上で見たほうがいいかもね
それにしても女の扱いが残酷すぎるぜ中世
男性優位で権力者優位の時代だな。
リドリースコット監督
マッドディモン ベンアフレックらが出演、脚本
実話を映画化 それぞれの視点で描く。
人は立場で生きているのがよくわかる。
馬鹿面の王に気を使い クラディエータのホアンキンを
思い出すね。アレックスロウザーが感じ出てました。
アダムドライバー気の毒だね。
ジョディカーマは、なかなか美人だね。
人権<王権<<<神権 の時代の話が今に通じる不穏さ。
年代、男女で解釈が違うのだとしたらその差を認めざるを得ないのだろうが。
姦淫では懐妊しない、喜びの頂点を感じないと懐妊しない、など、男の勝手な論理があたかも「科学的に証明されている」と裁判所で飛び交う吐き気のする中世社会なのだが。なぜだろう、現在社会に生きる私にも既視感が。
「我慢して過ごした年代の女性」である私はマルグリットのことをひたすら「強い女性だな。結婚相手も自由に選べない時代ではあったけど、本当に夫のことを信じて愛しているんだな(、、、残念ながら後に失望するけど)」と感じた。
一方、ル・グリは自らが発した一言が自身の運命を決定づけたことを最期まで理解し得なかったのではないだろうか。
辛いシーンもあったけど、第3章の大作を飽きることなく見れたのは、もちろん壮大な映像、美術、音響、そして憑依したかのような役者たちの力量だ。映画館で観るべき作品。
ストーリー性、テーマ性、社会性、映像美、音楽どれも最高。
ストーリーは1300年から語り継がれてきているだけあって重厚です。
でもそれは、根幹であって、今回の作品においては脚本がスゴイ良いですね。
大きな一つの流れを3つの視点から描いていて、観客は同じ場面を観ることになるのだけれど、視点の違い、解釈の違いにより若干映像に違いが出てきたり、新しいシーンが追加されたりすることで、どんな新事実が登場するんだろうかと息をのむ展開が続く。
同じ話を3度続けるという下手をすると飽きられる(涼宮ハルヒのエンドレスエイトのよう)がそこをシーンの追加によって話が変わってきたり、視方が180度変えてしまう。
それにより、目を離すことができない緊張感が生まれています。
テーマ性、社会性は観る人によって感じ方が違うかもしれませんが、『女性の強さ』みたいなものに感じられました。
リドスコの映像美。最後の決闘のシーンもさることながらキューブリックのバリーリンドンを彷彿とさせるカットの見せ方もカッコいい。そこにメタルギアでお馴染みハリー・グレッグソンの音楽が良すぎて花を添える。いや、添えるってレベルではない。同じシーンでも音楽が違えば緊張感が変わるし、最初は流していたシーンでも音が変わるだけで、ん? ってなる。
観客を引き込むように配慮されていて素晴らしいです。
三つの視点ではあるものの、三人ともに若干の語りの違いがある。そのにはそれぞれの性格や立場などによっての違いで人間味の深さと物語の深さを何倍にもしてくれる。
視線の意味は観せる順番によっても見方が変わるし、言葉は言う方と受け止める方で、意味が違ってくる。
ジャンとマルグリット、ジャンとジャック、、マルグリットとジャック、この関係性をそれぞれの真実が語られる中で、演技という枠と音楽、そして時代背景なども含めて考えた時に見えてきて、物語全体が見えてくるようになっている。
本当に脚本が凄すぎます。
リドスコこんなに演技を撮る監督だったか…と驚かされました。まだまだ現役。まだまだ色々な作品を世に残して欲しいです。
間違いなくBlu-rayが発売されれば、購入です。
最高でした。
21年10月23日 初
21年10月28日 改訂
振り返ってみると
2話目
マルグリットは部屋に来ていなかった(アダムドライバーの妄想)
目なんて合ってなかった(アダムドライバーの勘違い)
賢者モードになるアダムドライバー
アダムドライバーは悲しいいきもの
はたしてリドリースコットの圧倒的な映像美はこの映画に必要だったのだろうか
「エル・シド」を彷彿とさせてくれました。
英国のこの時代の映画は時々観ますが、フランスを舞台にした映画はジャンヌ・ダルク位しか思い浮かびません。
とても重厚に作られています。
最後の決闘の描写は思わず体を堅くしてのけ反ってしまいました。
騎士の決闘シーンは「エル・シド」を彷彿とさせてくれました。
話題の邦画より、こっちのほうが良かったよ。
今上映中の話題の邦画を観る予定だったが、ストーリが予想されマンネリ化しているので、こちらを観ました。
2時間半でしたが、退屈せず観れました。バランスよく仕上がってました。
1300年代の中世フランスが舞台で史実だそうです。ということは、それだけ共感される話だから今まで受け継がれているのでしょうね。
感想は、人間の守るべきものって、名誉、命、財産、家族等々いろいろあるけど古今東西変わらないな、ということと、当時の社会は宗教と国家の下に厳格な法やルールがあり、現代日本と比べると厳しい社会だな、と改めて思い知らされました。
観て良かったですよ。
藪の中
一つの事件を3人の視点から描いていく構成が面白い。
まずカルージュ(夫)視点。
この視点で観客はこの映画の肝となる事件の大まかな流れを知る。
しかし、夫の留守中に事件が起きた為、肝心の事件の真相については何もわからない。
次にル・グリ(容疑者)視点。
この視点でカルージュ視点でも冒頭で描かれた戦の描写から始まる。
ここで、この映画の楽しみ方がわかる。
カルージュ視点ではル・グリをカルージュが救ったことに焦点が当たっていたがル・グリ視点ではカルージュをル・グリが救ったことに焦点が当たってる。
ここでお互いの意識の差から生まれる描かれ方の違いが出てくる。
さらに一つ付け加えると、冒頭の戦は敵の挑発に乗ったカルージュの突撃から始まるのだが、カルージュ視点ではこの戦の勝敗がわからない。
つまり、命令に背いてまで軍を勝利に導いた“英雄”なのか、命令に背いて軍を敗北に誘った“戦犯”なのかがわからない。
しかし、ル・グリ視点で冒頭の戦が敗戦に終わった事が分かるとカルージュの見方がひとつ変化する。
ここからル・グリ視点では中世ヨーロッパの価値観について知る事ができる。
当時女性はどんな扱いを受けていたのか。
それ自体を現代の価値観でどうこう言うのは違うと思うが、兎にも角にも当時は女性は男(父親や夫)のものという考えがあった事がわかる。
さらに、ここからル・グリ自体の女性にモテるが故の「自分が正しい」という主観が入ってくる。
「貴婦人だから嫌がるフリをしたが・・・」
マルグリットを襲ったことについて伯爵に釈明する際にル・グリが語った言葉だ。
この言葉から女性は皆自分と交わることを心の奥底では喜んでるはずだという自負が透けて見える。
上記の主観が入ることでル・グリ視点の中ではマルグリット自身もル・グリに気があるような描写がある。
マルグリットはル・グリに気があったのか?なかったのか?観客はその疑問を抱きながら「マルグリット視点」映画の字幕でいうところの“真実”に入っていく。
言うまでもなく上記の字幕に出てる真実とはマルグリットがル・グリに気があったのかどうかについてである。
マルグリット視点
このマルグリット視点が始まってすぐカルージュに違和感を覚える。
即ちカルージュ視点でのカルージュは「武勇一辺倒で世の中の立ち回りは下手で不器用なものの妻への愛は深い」のだが、マルグリットから見たカルージュは「悪い人ではないが世の中のことを知らず束縛も激しい乱暴者」なのだ。
ここでカルージュ視点にも主観が入っていた事がわかる。
ここから一つ一つマルグリットの心情がときほぐされていく様子には舌を巻く。
さらにル・グリを訴えることになった後にもマルグリットにいろんなしがらみがまとわりつくところも現代の価値観にどっぷり浸かった僕は非常に憤りを覚えた。
最後の決闘裁判の結果はお楽しみにしておく。
さて、マルグリット視点に行くまで、男2人の視点を見た時に思った事がある。
それは、ル・グリとカルージュは確かにマルグリットにまつわる事件がきっかけで衝突することになるが、マルグリットの事件がなくてもいずれ衝突していたであろうということだ。
即ち男2人のプライドからくる争いが高じて一触即発状態になっていたところに事件が起きたんだろう。
マルグリットがいようがいまいがこの2人はやがて決闘していたんだろうな。
それにしても「武勇に能力値全振りして他の才能がからっきしな故に出世できない」カルージュや、「上官にうまく取り入り文官としての才能を買われ、要領よく出世していく」ル・グリのような人たちは日本の戦国武将にもいそうなものである。
日本史が好きなだけに余計にそう思った。
中世フランスの....
作品としては、約2時間30分をほとんど眠らず観れました。
一番重要と思われる
中盤の同じ時間での出来事を夫、妻、友の3人の視点で映像表現するところが少しくどかった。もう少し編集短くすれば2時間10分程度になったのでは?
友役のアダムドライバーも「スターウォーズ」だけかと思ったら存在感のある演技してました。
妻役のジョディも弱い面、強い面の女性をうまく演じでいたです。
戦闘、決闘シーンは薄暗いシーンが多かったけど監督の「グラディエーター」と同じようで迫力ありました。
ストーリーについては決闘して勝ったものが正義な時代なのでなんかやだね。
最終的な原因は国王、主君達の国づくりだと思って観てました。
夫と妻はうまくいったのでしょうか?
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