劇場公開日 2021年10月8日

  • 予告編を見る

「ドサ回りinAmerica」スターダスト 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ドサ回りinAmerica

2021年10月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

時代に取り残されそうなギリギリの下積み時代を物語の中心に、時代の最先端を奇抜に駆け抜けたジギー・スターダストを生み出す肝心な物語の核になる部分は描かれず、自身の兄との関係性ですら劇的なドラマにすらならない薄味な展開、やはり劇中にボウイの楽曲が流れないのはマイナスに感じてしまう。

ボウイとは逆にジミヘンはイギリスへ、そんな「JIMI:栄光への軌跡」と同じような感覚を受ける、TheSmiths結成前夜なモリッシーを描いた「イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語」や「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」は彼の死の謎を想像でゴチャ混ぜに、幼少から全盛期、破滅までを描く伝記映画を作れない、人生の一部分だけを見切り発車の如く作ってしまうミュージシャンの伝記映画が目立つ最近。

本人に顔が似ていなくても勢いだけで「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」はテンション高めで描き切ったし、やはり「Ray/レイ」は素晴らしい、ホアキンのジョニー・キャッシュも。

本作を観る前から不安要素はあったが鑑賞後にその気持ちが覆ることもなく、鮮明に記憶が残っているままの人物を描くのは難しいだろうし、無謀すぎる映画化の挑戦は音楽ファンを落胆させるだけになる危険性が大!?

万年 東一