Zola ゾラ

劇場公開日:

Zola ゾラ

解説

2015年にデトロイトの一般女性アザイア・“ゾラ”・キングがツイッターに投稿した計148のツイートと、その内容をもとにしたローリングストーン誌の記事を映画化したロードムービー。

ウェイトレスでストリッパーのゾラは、勤務先のレストランにやって来た客ステファニと、ダンスという共通の話題を通して意気投合し、連絡先を交換する。翌日、ゾラはステファニから「ダンスで大金を稼ぐ旅に出よう」と誘われ、急な展開に戸惑いながらも一緒に行くことに。しかし、それは悪夢のような48時間の始まりだった。

ゾラを「マ・レイニーのブラックボトム」のテイラー・ペイジ、ステファニを「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオが演じた。監督は、長編デビュー作「Lemon」がサンダンス映画祭で注目を集めた新鋭ジャニクサ・ブラボー。

2021年製作/86分/R18+/アメリカ
原題:Zola
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2022年8月26日

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映画レビュー

3.0かなりのクセの強さについていけるか?

2022年8月31日
PCから投稿

かなり癖のある作品なのは最初から予感していたが、蓋を開けてみると想像以上に癖の強い映画だった。「本当にあった話」などと言われると、それにふさわしい驚きの詰まった意味深なプロットを期待するが、本作はそこらのスリラーに比べると意外とシンプルで直線的。それでいて妙に胸をざわつかせる質感に仕上げているのは、登場するキャラクターの個性、途中暴走するノリ、小鳥のさえずりのように絶え間なく響く電子音、そしてこれがSNS上にアップされた物語であるという事実。それこそ中盤には、同じ出来事を主人公とは別の登場人物の側から見た投稿が登場して、映画が一瞬だけいわゆる「羅生門」のような様相を見せる。また、これだけSNSをフィーチャーしながら、実際のスマホ画面を写すのではなく、自分たちがカメラと真向かいになって言葉を紡ぐのも異色といえば異色か。観客を選ぶタイプの作品だが、他で味わえない感性に貫かれていることは確かだ。

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牛津厚信

3.5黒人と白人、性ビジネスとモラル、冒険と罠。対照的な要素の変容や逆転が常識のアップデートを促す

2022年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

ウェイトレス兼ストリッパーの黒人女性ゾラが、知り合ったばかりの白人女性ステファニから儲け話に誘われ、いざ遠征したら悪夢のような体験をする羽目に……という実話を連投したツイートがバズり、雑誌取材を受け、さらに映画化されるという、ごく短期間で有名人が生まれるSNS時代を象徴するかのような製作過程だ。

フロリダへの旅に同行するのは、ドライバーを兼ねる屈強な黒人男性Xと、ひょろっとして頼りない白人青年デレク。Xの支配下にあるステファニは、ファッションやメイクなどの外見から話し方(blaccentと呼ばれる黒人風のアクセント)まで、黒人文化の影響が色濃い。監督のジャニクザ・ブラボーも黒人女性であり、白人と黒人の力関係が逆転した状態で物語が進む本作は、ブラックスプロイテーション映画の現代的なバリエーションと位置付けることも可能だろう。

ゾラは旅先でストリップをして荒稼ぎするつもりが、それ以上のことを求められて窮地に陥る。そこでステファニとの性ビジネスに対するスタンスの違いが鮮明になっていくのだが、それぞれのモラルの基準という観点でも興味深い。

個人的な経験をからめて書くと、初めてアメリカを訪れた時はユタ州の田舎でしばらく滞在し、そこで仲良くなった白人男性シェフが後年アンカレッジに転居したときには2カ月ほど泊めてもらったこともあった。そうしたアメリカ人のオープンなところは本当に大好きだし、ユタ滞在時には何度かヒッチハイクもしたのだが、乗せてくれた人たちから「田舎ではいいけど、LAなどの大都会では絶対やるな」と釘を刺された。Japan PIというサイトで国別人口10万人あたりの年間行方不明者数を見ると、日本の69人に対しアメリカは180人だという。すぐに仲良くなったり、気安く車に乗ったり乗せたりといったオープンさがある反面、人身売買や殺人の標的になるリスクも高いということ。自らの“冒険譚”を後日ツイートできたゾラのケースは、不幸中の幸いと言えるのではないか。彼女も一歩間違えたら、行方不明者として闇に消えるか、死体で発見される可能性だってあったのだ。

ともあれ、これまで書いてきた要素に関して、常識をアップデートしなければと思わされる内容だった。

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高森 郁哉

3.5A24 Indie Pop with Tarantino Edge

2022年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

興奮

Zola presents itself as somewhat part of the pesky social media feedback loop we see in films portraying the effects of the Internet on story characters' lives; but as it segues deeper into its abyss, it unwinds into a vigorous crime underworld dark comedy. Original as a gritty look into the world of prostitution, a graphic montage is sure to instill the toughness of the job, even on a good day.

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Dan Knighton

4.5絶妙にぬるたい

2023年7月13日
iPhoneアプリから投稿

実際におこった出来事を元にしてるので絶妙にぬるたいけど、実際巻き込まれたとするとめちゃくちゃ嫌なこの物語を映画として面白いと観るか物足りないと感じるかで意見が分かれそうだけど、

私としては、この絶妙なラインが観る人の倫理観を揺さぶる感じが好き。(ショーン・ベイカーの映画の後味に繋がる感じもある気がする)
ザラっとキッチュな映像と、ピコンピコンとなる通知音使いとかが映画としてキマってて映像の見た目が大好き。
ステファニ役のライリー・キーオの確実にこの世に存在する最低女(でも憎めない)の演技は最高だし、
ゾラの重力に逆らってんのか!?みたいなぷりっぷりパーフェクトスタイルが素晴らしい。
衣装もいいよね。とゆうかゾラはダンサーとして説得力ありまくりのボティしててステファニがややユルいボディなのも見た目の説得力あってすごい。

この低予算!な感じでテンポも良し、ルックも良し、
おまけにロードムービーにもなっている。
エンディングとかなんか気持ち良いし。
これは良い映画だ。
一応ステファニの反論があるのもいい(Twitterっぽいよね!)

ただの物足りない映画、自業自得で切り捨てしまうのはもったいない気がする。
自分がゾラの立場になったらそれはもう凄まじい体験だし、こんな風には切り抜けられないと思う。
いや、こんな体験したくないので映画で十分なんだけど…。

配信で鑑賞

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madu