劇場公開日 2021年11月12日

「予想斜め上を行くオチの波状攻撃がヤバ過ぎるほど面白い」半狂乱 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5予想斜め上を行くオチの波状攻撃がヤバ過ぎるほど面白い

2021年12月12日
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鑑賞方法:映画館

狂覗で藤井監督のヤバさはある程度理解していましたが、今作で内容も描写もぶっち切りましたね。
今年公開された映画の中では洋画邦画問わず、一番危険な作品です。久々に観終わった後に席から動けなくなる現象が起きました。え?動いていいの?大丈夫?まだこれから何かあるんじゃない?と思ってしまうような。

なお、冒頭は結構退屈です(言い方)。29歳。俳優や脚本家を目指す崖っぷちの青年達の日々の一幕。帝劇前で俺もいつかこんな所で演じたいんだ、みたいなことを目を輝かせながら言ってる青年達の日常。
ただその退屈な日々の描写があるからこそ、ラストの畳み掛けるような狂気の連続が活きてくる。

てか、この映画の一番サイコなところは、全体的に絶望感漂うストーリーの中で一瞬だけ物凄く爽やかな描写があるんですが、それ◯◯の予行演習をしてるところなんですよね。
なお◯◯は犯罪に関連する言葉が入ります。
全員超いい笑顔してます。

果たして半狂乱に陥っているのは演じ手か、客か。
何かの音楽ライブで「お客さんもキャストの一人」と言っていたアーティストもいましたが、まさにアレを作品に持ち込んだような内容でした。

なお「観なくても良いじゃん、あらすじなんてわかるし」という方ほど観に行った方が良いと思います。
最後の最後まで気が抜けない作品であること、観に行って初めて理解出来ます。
いやあ、期待以上でした。

BONNA