劇場公開日 2021年11月12日

「コッコリ濃密なサイコスリラー、ハマるかどうかで賛否が割れそう」半狂乱 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5コッコリ濃密なサイコスリラー、ハマるかどうかで賛否が割れそう

2021年8月4日
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鑑賞方法:試写会

怖い

単純

公式による試写会で鑑賞。30手前の劇団員たちによる、200人を人質にしたサイコスリラー。『狂覗』と似た感覚かな。面白いけど画が付帯してこないというか。

名前もほとんど分からないようなキャストがフレッシュかつ大胆に演じる本作。だから純粋に作品の面白さによって引き込まれるかどうか。しかしながら、R15+を裏付けるような強い描写と猟奇的な展開をメインの役者が一丸で乗り切っていくような強さがある。そこは凄いと思うし、結構今思い返すと理解できることも多くて、圧倒されていたことに気づく。壇上で性行為を強要する時はさすがに常軌を行き過ぎていて引いてしまったが。決意の裏にあるのがどうも伝わりにくいのが惜しいところ。

ただ、どうもハマらなかったのが、プロットの詰め込み具合。整理するには、かなり複雑。そこは作品の面白さになるからいいとしても、矛盾点や伏線が回収されないまま押し込むようなところも多々目立つ形が残念。また、要所要所で雑な編集があり、もっとブラッシュアップしてほしいな…と思うところもあった。残像の残るようなカットなどのボテッとした画の重さが独自の個性として出ているだけに勿体ない。

かなりの意欲作で爪痕を残してくる作品。確かにコアなファンが多いのも納得できる。舞台を効果的に使った斬新かつ猟奇的な展開にとくと驚いてほしい。あとは合うか合わないか…それだけ。

たいよーさん。