ストーリー・オブ・マイ・ワイフ

劇場公開日:

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ

解説

「心と体と」で2017年・第67回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したハンガリーのイルディコー・エニェディが監督・脚本を手がけ、「アデル、ブルーは熱い色」のレア・セドゥが主演を務めたラブストーリー。

ハンガリーの作家ミラン・フストの小説を原作に、出会ってすぐに結婚した男女の官能的で切ない愛の行方を描き出す。1920年、マルタ共和国のとあるカフェ。船長のヤコブは友人と、店に最初に入ってきた女性と結婚するという賭けをする。現れたのはリジーという美しい女性で、ヤコブは初対面の彼女に結婚を申し込む。そして週末、ヤコブとリジーは2人きりで結婚の儀式を行う。幸せな時間を過ごすヤコブとリジーだったが、リジーの友人デダンが現れると、ヤコブは2人の仲を疑って嫉妬するようになり……。

ヤコブを「マイ・フーリッシュ・ハート」のハイス・ナバー、デダンを「グッバイ・ゴダール!」のルイ・ガレルが演じる。2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2021年製作/169分/PG12/ハンガリー・ドイツ・フランス・イタリア合作
原題:A felesegem tortenete
配給:彩プロ
劇場公開日:2022年8月12日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)2021 Inforg M&M Film Komplizen Film Palosanto Films Pyramide Productions RAI Cinema ARTE France Cinéma WDR/Arte

映画レビュー

3.5この二人だからこそ成立し得た、169分かけて紡ぐ夫婦関係の海

2022年8月17日
PCから投稿

上映時間を見て驚いた。ひゃ、169分っ!?果たしてそれだけの語るべき中身があるのかどうか。私の関心はまずそこだった。結論から言うと、これは何か巨大な展開や仕掛けがあるというよりは、船長を生業とする主人公と妻との数ヶ月おきにしか会えない特殊な関係性を、じっと見つめた作品という点で面白い。手掛けるのは『私の20世紀』『心と体と』の異才監督。海上では天候や波風を的確に予測し、どんな緊急時も迅速に対処できる船長なのに、なぜか地上では妻の内面や私生活のあれこれに至るまで、何ら想像力を働かせることができない。そんな船長の迷走ぶりをあくまで彼の主観に基づいて描いた作品なのである。これを面白いと思えるかどうかは人それぞれだが、主演陣がどちらも抜群に上手いのは特筆すべきところ。レア・セドウはもちろん、船長役のハイス・ナバーもさながら陸に打ち上げられた鯨のようで、刻々と揺れ動く心理も含めて、妙に見応えがある。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
牛津厚信

3.5運よく美人妻を得た船長がさまよう、愛と嫉妬の暗い海

2022年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

イルディコー・エニェディ監督のベルリン金熊賞受賞作「心と体と」は、ともに孤独な中年男性と若い女性が「鹿になった夢を見る」という奇妙な共通体験から距離を狭めていく不器用な恋模様を描いた珠玉作だった。レア・セドゥも好きな女優で、当然ながら新作の期待値は高かったが、さてどうだったか。

イルディコー監督のオリジナルストーリーだった前作とは違い、「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」は監督の出身と同じハンガリーの作家ミラン・フストが1942年に発表した小説が原作だ。1920年のマルタ共和国のカフェで、オランダ人船長のヤコブは美しいフランス人女性のリジーと出会い結婚する。だが幸せな生活は長く続かず、リジーの男友達デダンの登場により、ヤコブは嫉妬に苦しむことになる。

映像は美しく、雰囲気もいい。マルタのほか、ブダペスト、ハンブルクでロケ撮影を行っていて、100年以上ほとんど変わっていないであろう古い街並みの趣が物語を盛り上げる。20世紀前半の欧州の都市生活を再現する衣装や美術にも相当な労力が払われただろう。ヤコブ役のハイス・ナバー、妻役のレア・セドゥの演技も悪くない。

でもこの2時間49分の優雅で高尚な恋愛物を、はたしてこの混迷する2020年代に観る意義はどれくらいあるのか、と素朴な疑問を感じてしまう。まあ、別世界に現実逃避する効用はあるだろうか。イルディコー監督と原作の相性がよくなかったかなとも思う。次回作はぜひまた、オリジナルストーリーでお願いしたい。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
高森 郁哉

5.0この気持ちは女性にしか分からない。傑作だ。

2024年3月19日
スマートフォンから投稿

悲しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
マサシ

4.0ヤコブ船長、切ないね

2024年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ずっと海の上で生活してきた船長、「最初にカフェに入ってきた女性と結婚する」の宣言通り、レア・セドゥ演じるリジーと結婚
うまくいっていたのは最初だけ、途中からヤコブ船長は辛い結婚生活に
ずっと長い間留守にしてて、美しい妻が他の男性と親しげにしてたらそりゃ疑ってしまうもの
それをあえてしているように思えるリジー
プライドが高いからなのか、主導権を持ちたいからなのか、嫉妬される事で愛されていると確認する人のように思えて、リジーもヤコブ船長を愛していたのではないかと思います
っていうかそうであってほしい
ヤコブ船長はリジーに対して誠実で、早くあんな女と別れたら良いのにって観ながら思っていたけど、男の人は美しくてミステリアスな魅力がある人とは離れられないものなんでしょうねー
付き合っているだけならリジーみたいな人でも良いけど、やっぱり結婚するなら同じような誠実な人じゃないと
リジーと結婚するまではちょっと野暮ったい感じだったヤコブ船長が、結婚してからはなかなかのイケオジに見えてきたせいか、ヤコブ船長のリジーへの愛が切なかったです
すごく長い作品だったけど長さは全然感じず観れました
レア・セドゥの美しさ、衣装もステキ、ロケーションもとってもきれい、切ないストーリー、とても良かったです

コメントする 1件)
共感した! 6件)
小町
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る